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日立総合病院

①現在ロボット手術にて施行している手術の名称と、ロボット手術導入以前の手術方法に関して教えて下さい

呼吸器外科領域で、ロボット手術にて施行している術式は、肺がんに対する肺葉切除術(図1参照)や、縦隔腫瘍に対する腫瘍摘出術などです。ロボット手術導入以前は、胸腔鏡手術(肋骨の間から内視鏡カメラを挿入し、その映像を見ながら小さな創から器具を挿入して処置をする手術)や開胸手術(胸をある程度切開して行う手術)によって手術を行っていました。現在でも並行して行っていますが、ロボット手術による器具の先端のブレのない精細な動きは特筆すべきものがあります。

鈴木医師

②ロボット支援機器を使った手術を行うことの利点は?

ロボット手術で使用する器具の先端部分には関節が組み込まれており、人間の手首のように自由に動かすことができます。(図2参照)細かく動かすことができるのに加え、ブレを抑える機構があるので非常に精細な操作が可能となっています。また、カメラが高性能な3Dカメラとなっており、奥行きのある立体映像を見ながら手術することが可能です。拡大視にもなっているため、非常に細かな構造まで確認することができるのも利点です。とはいえ、ロボット機器には触覚がなく、従来手術と異なり執刀医が患者さんからやや離れた場所で処置をすることになり実際に手で触れながらの手術ではないので、安全を確保するため、助手を務める他の医師や、麻酔科医師・看護師・臨床工学技士とコミュニケーションを取り、手技に関する意思の疎通を図っています。

ロボットアーム

③患者さんへのメリットは?実際の患者の声は?

患者さんの負担が少ない印象です。システムの機能として備わっているリモートセンター(図3参照)は、ポートが入っている部分の皮膚に掛かる負担を最小限にできるため、手術後における痛みの軽減につながっていると考えられます。また、先に述べたように精細な処置が可能になるため、出血を少なく抑えられたり、リンパ節をより正確に摘出できたりする利点もあると考えます。

④今後の展望を教えて下さい

既に保険適応となっている手術術式である「肺がんに対する肺区域切除術」も今後実施していくつもりです。
今後も、開胸手術、胸腔鏡手術、ロボット手術と、様々なアプローチ法ができる状態を保ち、患者さんに合った最適のアプローチを選択して手術を実施していきたいと思っています。

⑤診療科の紹介について

診療科の詳細な内容については、「呼吸器外科」ページをご覧ください。