真の社会イノベーションを実現するために、私たちは、テクノロジーに留まらない多面的な視点で物事の根本に立ち返り、社会とは何か?人間とは何か?そして、良い社会とは何か?を京都大学の先生や、次世代の社会を担う学生たちと議論してきました。
京都大学と日立製作所は、2016年度以降、2050年の社会課題の根源を探索し、その解決策や大学・企業のあり方を提言するという研究を推進しています。
2017年度には、霊長類学・人類学、西洋史学、経済学、社会心理学、地域研究をはじめとした京都大学の先生方との対話から、我々の生活を脅かす可能性のある根源的な社会課題を「Crisis 5.0」としてまとめました。
2018年度以降は、前述した先生方に加えて、宇宙物理学、昆虫生態学、神経生理学、不便益、応用生命科学などをご専門とする先生方との議論を継続しながら、市民がワクワクする心(好奇心)を持つことや、主体的に社会を問うことの重要性を考察してきました。
これらの取組みは、「Beyond Smart Life 好奇心が駆動する社会」と題した出版書籍にまとめ、発信しています。(2020年8月発刊 / 出版:日本経済新聞出版)
書籍の中で提言されている「社会課題に対する人々の好奇心の醸成」を図るために、現在、XR技術を活用した学びのデジタルコンテンツを、学生や有識者の方々と共に開発しています。
※XR技術:仮想世界と現実世界を重ね合わせ、融合させた総称
まちには自治体・企業・住民など様々なステークホルダーがおり、新しいまちづくりのシナリオについて、全てのステークホルダーで合意をすることは難しい課題です。
Cyber-PoC for Citiesは、まちに関するデータや、課題解決に向けたソリューション導入の効果を、経済性・ 持続性 ・ 住⺠のQoL といった複数の観点で可視化することで、皆でまちの将来を議論し、共感し合える場を作り出したいと考えています。