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わずかな変化に気づくことで、
ロボットが役割を変化させながら人に寄り添う

「分かりすぎてしまうことの不安」と暮らす

医療技術の発達によって、個人がさまざまな疾患にかかる可能性がわかるようになってきています。これまでは「自分は大丈夫」と思っていたものが、発症する確率までわかってしまうことで、逃れようのない不安を抱えて生活を送ることが課題となってきます。認知症に関していえば、知らないうちに認知機能が低下してしまうかもしれない、いつの間にか生活が大きく変わってしまうことが怖いといった気持ちになってしまうこともあるでしょう。ではどうすればこのような「分かりすぎてしまうことの不安」をやわらげ、健康で平穏な暮らしを実現できるでしょうか?

生活サポートロボットが高齢者の発話を促す

日々の生活を便利にすることを目的に、ひとり暮らしの高齢者の家にコミュニケーションロボットがやってきます。ロボットはたとえばお菓子作りが趣味の高齢者から食材の注文を受けて発注するなど、日常生活のサポートをしていきます。ただ指示を待っているだけではなく、高齢者の発話をうながす役割として、豊かな表情でコミュニケーションをとっていきます。自然なコミュニケーションを通じて、高齢者の行動パターンを計測・記憶していくのが特徴です。

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日々の決まった行動を見る

コミュニケーションロボットは、高齢者の服薬の管理も行います。買物のように高齢者が自発的に利用するサービスのサポートをするだけでなく、服薬のように、家の外で受けているサービスが適切に遂行されているかを、サービス事業者に代わって管理します。これによって、薬剤師や医師、家族など家の外にいる関係者に大きな負荷をかけることなく、健康状態を把握してもらうことができます。

長い時間の中でのわずかな変化に気づく

何年にもわたる付き合いの中で、コミュニケーションロボットは人間であれば慣れることで見過ごしてしまうような、高齢者のわずかな行動の変化を冷静に読みとります。
例えば、高齢者がすでに頼んだリンゴをもう一度注文しようとしたとき、物事の忘れ方が少し変化したと読みとったロボットは、「リンゴはもう家にたくさんあるみたいだけど、誰かにプレゼントするの?」というように、相手に不安を与えないように確認をします。

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少しずつ役割を変えていく

認識した行動変化にしたがって、コミュニケーションロボットは少しずつ役割を変えていきます。
「そろそろイチゴの季節だね。去年はどんなパイを焼いたっけ?」とういうように、コミュニケーションロボットは、テストやトレーニングを意識させず、聞かれた方も答えることが楽しくなるような質問を投げかけることで、認知機能の低下を抑制させるような会話を繰り返します。
人より先に気づき、冷静に適切に対応する。それが技術ならではの人への寄り添い方です。

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