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利用者の思いやりの力に助けを求める

生産年齢人口である15~64歳が日本の総人口に占める割合は、総務省の人口推計(2019年10月1日現在)によるとついに60%を切りました。一方で高齢化や都市化は依然として進行しており、駅や空港をはじめとするさまざまな人が行きかう公共空間では、人手不足の問題が大きくなっていくと考えられます。このような状況を迎えようとしているいま、これまで以上に快適に過ごせる公共空間をつくり、それを維持していくためにはどのようにすればよいでしょうか。
例えば、公共空間を利用するひとりひとりが持つ思いやりの力を解放できたとしたらどうでしょう。公共空間の運営者が、利用者に助けを求めることができるようになれば、公共空間はいまよりずっと快適で低コストな空間にできるかもしれません。

こちらからその物語を漫画でご覧ください(PDFが開きます)

フランス語を話せる人が、駅で迷ったフランス人の旅行者の道案内をする

フランス語を話せる会社員が、ランチを食べに行く途中でアプリからの通知を受け取ります。近くの駅でフランス人旅行者が道に迷ってしまったようです。会社員はアプリの通知に従って旅行者の案内をして、鉄道会社から買い物に使えるポイントを貰います。公共空間に集う人のニーズとスキルをマッチングするアプリが、駅係員の人手不足をも補い、助けを必要とする人、人の役に立つことができる人、場を運営する人、3者にとって快適な公共空間がつくられているのです。

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車椅子使用者をサポートしたいと思う人を、スキルの面からサポートする

アプリによって人を思いやる気持ちをより多くの人が表しやすくなったとき、その思いを確実に果たせるようにするためにも安全面への配慮が必要です。車椅子使用者のサポートのような、事故につながる恐れがあることについては注意が必要です。駅係員が受けているのと同様の車椅子介助の研修を鉄道会社が一般向けに開き、資格を認定するといったようなこともすべきかもしれません。

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電車に乗る人の協力を得て、車内に忘れたものを回収する

もちろん、フランス語のような特別なスキルを持たない人も、研修を受けるほどには積極的にはなれない人も、すべての人の思いやりの力は困っている誰かの役に立つことでしょう。駅や電車における遺失物の回収・管理・廃棄にかかるコストは年間でかなりの金額になるそうです。何より、会社のかばんなどの大事なモノを置き忘れ、戻ってこなかったときのショックはとても大きいものです。電車の在線位置データや、乗客の改札入退場データなどを上手く組み合わせれば、電車に乗っている人に回収をお願いすることができるかもしれません。

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昼休みなどのちょっとしたオフタイムや何かをするついでの時間に、各々ができる小さなソーシャル・グッドを行い、それに支えられた人の「ありがとう」の言葉が飛び交っている。人と人をテクノロジーで臨機応変につなげることで、そんな様子を都市の日常的な光景にすることは可能なのではないでしょうか。