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日立総合病院

①現在ロボット手術にて施行している手術の名称と、ロボット手術導入以前の手術方法に関して教えて下さい

呼吸器外科領域では現在、肺悪性腫瘍に対する肺葉切除手術(図1参照)を、ロボット手術で行っています。
以前は、ロボットを使用しない胸腔鏡(肋骨の間から、ポートと呼ばれる筒を挿入して処置をする手術)や小開胸(胸を10~14cm切開する手術)による肺葉切除術を施行していました。とくに胸腔鏡手術は、ポートの位置が固定された状態で自由度の低い処置器具やカメラを出し入れするため、操作性に関して制限がありました。

市村医師

②ロボット支援機器を使った手術を行うことの利点は?

ロボットアーム

先に述べた「操作性の制限」がほとんどありません。ロボットアームの技術によって胸の中で関節が動く(図2参照)ので、術者が思った方向に剥離をすることができます。これは、手術の行う上での安全性に寄与しており、開胸(胸の脇を30cm程度切る手術)と同じくらいの操作性を実感しています。また教育という観点においても、若手医師が解剖を理解する上での重要なツールとなっています。
とはいえ、ロボット手術は従来手術と異なり執刀医が患者さんから離れた場所で処置をするものなので、安全を確保するため都度、患者さんの側で処置をする助手医師や、麻酔科医師・看護師・臨床工学技士とコミュニケーションを取り、手技に関する意思の疎通を図っています。

③患者さんへのメリットは?実際の患者の声は?

患者さんの負担が少ない印象です。システムの機能として備わっているリモートセンター(図3参照)は、ポートが入っている部分の皮膚に掛かる負担を最小限にできるため、手術後における痛みの軽減につながっていると思います。その根拠として、ロボット手術後の炎症数値・筋肉が損傷した際に上がる数値の上昇が、従来手術と比較して抑えられている傾向にあります。
また、制限の少ない処置が可能になったことにより、「質の向上」が図られたと思います。例として挙げると、他の臓器への腫瘍転移を予防するために切除するリンパ節を、より安全に・より入念に、処理できるようになりました。
当院では、最低でも術後1週間は在院いただき経過を観察していますが、とある患者さまは早々に体調が回復され、「もう帰りたい」とこぼしておられました(笑)もちろん1週間は在院していただきましたが、それくらい負担の少ない手術であると思っています!

④今後の展望を教えて下さい

既に保険適応となっている手術(縦隔腫瘍手術や肺区域切除術)も徐々に導入していきたいです。また、北関東圏では指導医の認定を持っている医師があまりいないため、本手術の普及にも携わっていきたいと思います。
(市村医師は2020年12月に、呼吸器外科領域におけるロボット手術の指導医認定を取得)

⑤診療科の紹介について

診療科の詳細な内容については、「呼吸器外科」ページをご覧ください。