ねぶた師が長い時間を掛けて、題材や構図を練り上げます。鉛筆で書き始める下書きが、ねぶた制作の第一歩であり、この下絵が設計図となって制作が始まります。
(2006年 三国志「張飛、厳顔を降す」)
5月吉日、ねぶた小屋に入り、角材を柱にしながら、針金で形を作っていきます。ねぶた師は事前に顔や手などの細部を作成しており、これを組合わせながら作業は進んでいきます。基準値9m×7m×5mの中に配置を決め、立体にしていく姿はまさに匠であります。
(写真は下絵の左側、想像できますか?)
当会では5月中旬、ねぶた小屋にて魂入れを行ないます。ねぶたの地鎮祭であり、期間中の安全祈願です。関係者が約100人集まり、厳かに行なわれます。
ねぶたの中には電球や蛍光灯が取り付けられ、電源は発電機を使用しています。
2013年から、従来使用していた白熱電球から軽量で消費電力量の少ない日立アプライアンス製のLED電球へ切り替えました。
10Wから30WまでのLED電球(一部蛍光灯を含む)が約1,600個取り付けられています。
電気配線が終わると紙貼りが始まります。奉書紙を針金の枠に沿って接着剤で貼り付けます。枠ギリギリで、また部位によっては凹凸をつけながら貼るため、大変根気のいる作業となります。
真っ白な人形に墨で顔や着物などを画いていきます。特に顔の表情は、筆の入れ方で迫力が決まってきます。
パラフィンを溶かしたものを用い、着物の模様などにつけていきます。明るさを出すとともに色のにじみも防ぎます。この香りにねぶた好きは高揚します。
筆やスプレーを用いて、ねぶたに華やかな色を塗っていきます。染料や水性顔料を用います。
関係者が約50人集まり、高さ2mの台車にねぶたを上げます。今まで見慣れたねぶたが2m高くなることにより、また違った表情を見せる瞬間です。
看板や提灯を付け、台車を綺麗に飾っていきます。これにて完成、あとは出番を待つだけです。