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2002年10月7日

ガリウム・砒素系新材料GaInNAsで超高速光通信用低コスト半導体レーザの試作に成功

80℃の高温で10ギガビット/秒動作を確認


 日立製作所 中央研究所(所長:西野壽一)は、このたび、ガリウム・砒素系新材料、ガリウム・インジウム・窒素・ひ素(GaInNAs)を活性層に用いた超高速光通信用半導体レーザを試作し、70〜85℃の高温で10ギガビット/秒動作並びに8,500時間以上の無劣化動作に成功しました。従来、通信半導体材料に用いられていた、高価なインジウム・リン(InP)系の材料に比べ、材料費の大幅な低減が実現できるため、今後のアクセス系を代表ととする光通信システムの大幅な低コスト化が期待できます。
 本成果の一部は、経済産業省の委託事業であるリアルワールドコンピューティングパートナーシップに参画して開発したものです。

 GaInNAsは、高速性と高温安定動作に優れた半導体レーザを実現するガリウム砒素系の新材料として1995年に日立が独自に開発したものであり、1997年には同材料を用いた面発光レーザの試作結果について発表しています。
 この材料は、ガリウム・インジウム・ひ素(GaInAs)に窒素(N)を混入して生成されますが、窒素の混入割合を制御することにより、レーザの発振波長を調整できるほか、高温環境下でも安定的に動作するレーザを実現できる利点があります。高温下での安定動作は、光源用レーザの温度調整器を節減でき、光通信システムの低コスト化に寄与することが期待できます。また、従来の通信用(波長1.3μm帯)半導体レーザが高価なInP基板上に形成されていたのに対し、GaInNAsは大口径化が可能で、InP基板よりも安価なGaAs基板上に作製できることから、半導体レーザ単体のコスト低減も可能になります。

今回開発した結晶成長技術の特徴は、以下の通りです。
(1)
GaInNAs結晶の作製には、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)を用いました。新材料に最適な成長温度と原料供給条件を見出し、高品質な結晶を作製できます。
(2)
GaInNAs結晶中に僅かに残る結晶欠陥を取り除くために、高温での熱処理を行いました。処理温度と処理時間を制御して、さらに高品質な結晶が得られるようになりました。

 今回、開発した技術を用い、10ギガビット/秒動作の端面発光型の半導体レーザを試作した結果、80℃における10ギガビット/秒の変調動作を実現するとともに、70℃以上(3,500時間経過後に85℃に昇温)において8,500時間の無劣化動作を確認できました。
 また、今回は、10ギガビット/秒で高温安定動作を確認しましたが、今後は40ギガビット/秒以降の高速化などに取り組むとともに、実用化を目指した素子周辺技術の開発を進めて行く方針です。

 なお、本成果は、9月29日からドイツ(Garmisch-Partenkirchen)で行われる半導体レーザ国際会議「18th IEEE International Semiconductor Laser Conference」にて、10月1日に発表する予定です。

■注釈
(1)分子線エピタキシー法:超高真空中で原料を分子線の状態で供給して結晶成長を行う方法。供給する原料間で化学反応が生じない為、高品質な結晶を作製することが可能です。GaInNAsの結晶成長においては、高効率な窒素源が必須で、プラズマで励起した原子状窒素が用いられます。



以上



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