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多元化した個人がつくる壁のない社会

全ての市民にインターネット接続とICT利用の基本リテラシーが保障され、公共空間に浸透した遠隔操作型インタフェースが、人間の物理的な作業を代替するロボットの街中での往来を助けている。

新たな生活様式は、これまで移動や外出に困難を抱えていた人々の社会参画の機会を支えるが、職場や社会の慣習や制度はすぐには変わらず、働くことに関する「外堀」だけが埋められたような状態を招いてしまう。しかし、コミュニケーションの多くがオンラインに置き換えられるにつれ、偏見やアンマッチの問題は旧態依然としたものとなっていく。

サイバー空間が主要な生活の場の1つとなることで、人々は目的や場所に応じて複数の「アバター」を使い分けるようになり、「個人」としての人格は多元的なものになっていく。人々は関心や問題意識に応じて、個人を分解したアバターの束である「ユニット」として、様々な活動に従事する。営利活動や慈善活動など、他者と一体となった複合的主体として活動することが主となり、責任主体を巡る意味や契約・保証制度が変容する。

人々は、これまで物理的制約や匿名性の観点からチャレンジできなかった様々な社会活動に自由に参加できるようになり、市民の社会参画が進む。

持続可能な社会のQOLを考えるキーワード 「デジタライズド・インクルージョン」

日常的な世界でソーシャル・インクルージョンを実現するために、人々を区分けしている「壁」を破壊する

現在はテレワークの生産性についての社会の関心が高いが、社会参画の形の多様性をどこまで上げ、その先にどのような社会をつくりうるかが求められている。 これまでITは生産性を上げるものという基準で価値を測られてきたが、凝り固まってしまった壁を壊す可能性を示し、世界が変わる可能性を感じさせることで、世界の共感を得ていく。