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日立ワークスタイル変革ソリューション

株式会社 日立製作所 アプリケーションクラウドサービス事業部 働き方改革ソリューション本部 GL主任技師 吉田章宏

株式会社 日立製作所
アプリケーションクラウドサービス事業部
働き方改革ソリューション本部
GL主任技師
吉田章宏

在宅勤務で向上した、従業員の意識とは

コロナ禍で在宅勤務が長期化する中、従業員がどんな状態で仕事に取り組んでいるのかが見えず、一人ひとりがどんなケアを必要としているのかわからない――。そんな悩みを持つ人事担当者は少なくないはずだ。

「当社でも、在宅勤務が長引いたことで業務の生産性が落ちていないか、会社への帰属意識が低下していないかといった懸念がありました。そこで、以前から従業員の働き方のケアに用いている『日立人財データ分析ソリューション』を活用して2020年5月に緊急サーベイを実施し、従業員の意識の見える化と課題抽出に取り組みました」。そう語るのは、日立製作所で働き方改革ソリューションを担当している吉田章宏だ。

在宅勤務中の従業員一人ひとりの意識に寄り添う試みを開始〜日立人財データ分析ソリューションの活用〜

日立人財データ分析ソリューションとは、従業員一人ひとりの「生産性に対する意識」「配置・配属のフィット感」を独自開発のサーベイで可視化することで、従業員がイキイキと働けているかどうかをとらえ、働き方の改善を支援するものだ。ソリューションの詳細には後ほど触れる。ここではまず、在宅勤務の本格実施前後において日立の従業員の意識がどう変化したか、吉田が語った。

「特に顕著だったのが『配置・配属の環境快適性』が向上したこと、つまり、現状のポストや配属部署で快適に仕事ができていると感じている従業員が増えたことです。また、在宅勤務の環境下でより高い成果を生み出そうという意識を持っていること、通勤がなくなり時間的余裕が生まれたことで心身を調整できていることがわかりました」

在宅勤務の本格実施前後での意識の変化の特徴

冒頭の懸念を覆すポジティブな結果が出たわけだが、ではどうやって従業員の意識を把握できるのだろうか。

「イキイキと働く」を実現するために、従業員の「意識」を測る

日立は2017年、情報・通信システム部門の人事部門に、データ分析で新たな人事の価値を研究・開発するピープルアナリティクス部門を設立した。

「当社が2016年から進めてきた働き方改革のコンセプトは、『多様な人財が多様な価値観を持ってイキイキと働き、大きな成果を上げること』です。この『イキイキと働く』を実現するために人と組織をどのように創造していけばよいか、ピープルアナリティクス部門で何度も検討が重ねられました。その結果、働き方改革を単なる労働時間の削減ととらえず、そこから生まれた時間をいかして、より創造的な、より付加価値の高い仕事に従業員が取り組めることこそが重要だという考えに至りました」

従業員の行動を変えるには、一人ひとりがどんな意識で仕事をしているかを測った上で、個別にアクションプランを提示することが有効なのではないか――。こうした思いから生まれたのが、ピープルアナリティクス部門が社会心理学の専門家と連携して独自開発した「生産性サーベイ」「配置配属サーベイ」だ。

「従業員が生産性の意識を高く持っているかどうかを測るのが『生産性サーベイ』、従業員が今、いわゆる“ご機嫌な状態”で働けているかを測るのが『配置配属サーベイ』です。人事に用いられる既存のサーベイとしてはエンゲージメントサーベイとストレスチェックがありますが、いずれも無記名回答のため組織全体の状態しか可視化できず、従業員一人ひとりに適した具体的な改善策を打ちにくいという問題があります。既存のサーベイを活用しながら、従業員の配置・配属のフィット感を高め、さらに生産性の意識を高めることで業績アップにつなげる。それが日立人財データ分析ソリューションの役割です」

日立人財データ分析ソリューションの位置づけ

日立人財データ分析ソリューションの2つのサーベイは、いずれも記名式で従業員に回答してもらう。さらに大切なポイントとして吉田が挙げるのが、「サーベイの結果は従業員の処遇や評価に一切適用されない」ことだ。

結果は「個人報告書」「組織向け報告書」にまとめられ、前者は回答者本人に、後者はその上司にフィードバックされる。個人報告書には、結果だけでなく個々の従業員の働き方改善に向けた具体的なアドバイスが記載されている。一方、上司は組織向け報告書によってチーム全体の状態と部下一人ひとりの状態を把握できる。以上に加えて日立は、サーベイの結果を詳細に分析して組織の課題を読み取り、顧客企業とのディスカッションを通じて、従業員の“あるべき姿”の実現に向けた施策立案を支援する。

「従業員にイキイキと働いているもらうために、結果を活用していただくこと。それがこのサーベイの目的なのです」

提供物に対するお客さまの期待される活用シーン

上司と部下の意識のギャップを埋め、イキイキとした働き方の実現へ

吉田によると、この2つのサーベイの結果を「1on1ミーティングの質を向上するために活用したい」という企業が増えていると言う。「上司と部下が共通の因子に沿って対話することで、双方の意識のギャップを埋めることができ、部下がよりイキイキと働けるよう具体的な改善施策をすばやく打つことができるからです」。部下の顔が見えない在宅勤務ではなおのこと、こうしたデータに基づくマネージメントが欠かせないだろう。

管理職の意識改革によるマネージメント変革

「個に寄り添い、組織の課題をデータで把握する。その先に、イキイキと働く従業員の姿を日立は描いています。ニューノーマルな働き方の実現に向け、人事の果たすべき役割は今後ますます大きくなるでしょう。ぜひ、日立人財データ分析ソリューションでそのご支援をさせてください」と吉田は締めくくった。

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  • * 所属・役職はセミナー配信時点のものです