RISE with SAPは、SAP社がコアと位置付けるERPをSAP S/4HANA® Cloudへ移行するツール、SAP S/4HANA®の拡張機能、そして、さまざまなシステムとの連携を実現するプラットフォームまで提供するクラウドサービスです。
日立は、お客さまにもRISE with SAPの標準サービスの内容をご理解いただき、自社のシステム運用スキームにSAPシステムの運用を組み込むことが、RISE with SAP導入を成功させる条件と考えます。
ここでは、RISE with SAPの特長と、日立が考える検討のポイントをご紹介します。
RISE with SAPとは
1. RISE with SAPの特長
- ライセンス提供はサブスクリプション形式
- インフラ基盤はSAP社が運用するマネージドクラウドが前提
- サービス提供形態にはパブリック型とプライベート型がある
日立は、複雑な業務要件にも対応可能できるプライベート型が多くのお客さまにFitすると考え、プライベート型である「RISE with SAP S/4HANA Cloud, private edition(PCE)」の採用をご提案しています。
2. PCEインフラの考え方
●選択肢
- SAP社データセンターのほか、AWS(*1)、Azure(*2)、GCP(*3)などのハイパースケーラーの選択が可能
- ハイパースケーラーの基盤を選択した際も、ハイパースケーラーの提供・運用はSAP社が対応
- インフラのスペックはサブスクリプション契約の規模に応じて、RISE with SAPのルールに従い提供
●実装
- インフラ要件(可用性、回復性 etc)はService Level Agreementを遵守
- 例えば、本番環境の可用性は以下のとおり
- サービス提供時間:
24時間×365日(定期保守(月次4時間)の合意されたダウンタイム除く)
- 稼働率:
インフラ基盤が起動しているだけではなく、“SAPシステムにログオンできる状態”で99.7%*を保証
Disaster Recoveryはオプションとなり、目標復旧時間:12時間、目標復旧地点:30分で提供
- *
- アプリケーション、SAP HANA®、ストレージ、ネットワーク、データセンター・サーバーの各レイヤの稼働率が99.94%を前提に、サービス全体として99.7%の計算
●運用
SAPシステムのバックアップ、サービス監視、インフラ観点のセキュリティ・監査対応はSAP社で実施します。
なお、SAP社との運用作業分担はRoles and Responsibilitiesに従います。
また、SAP社が定めるバージョンアップ周期に従い、SAPシステムのバージョンアップ対応が必要となります。
3. 契約面
最小3年、最大5年のサブスクリプション契約となり、支払いは四半期単位になります。
- *1
- Amazon Web Services
- *2
- Azure:Windows Azure
- *3
- Google Cloud Platform
日立が考えるRISE with SAP S/4HANA Cloud, private edition(PCE)検討のポイント
インフラ運用は、PCE環境においてもすべてがSAP社の責任となるわけではありません。
以下の項目についてはお客さまにて対応する必要があり、日立はお客さま側にもSAPシステムのシステム管理者(SAPベーシス)の設定が必要と考えます。
日立が考える検討ポイントは以下3点です。日立はこの課題解決をご支援します。
1. インフラ
- SAPシステムとの周辺システム連携の仕組みの構築
- ジョブサーバの構築
- クライアント端末側のクライアント配布(例えばSAP GUI)やSingle Sign On設定
- SAP Business Technology Platformをはじめとする他のSAPクラウド製品との連携設定
2. 運用
- 業務アプリケーション関連の監視
- エラー対応
- システムパフォーマンスの分析をはじめとするアプリケーション運用業務
- 印刷トラブルシューティング
- 移送運用(CAS(*4)で対応可能)
- メインストリームメンテナンス終了に伴うSAPのバージョンアップ対応計画の立案または適切なライセンス種類、ライセンス数の選択
3. 契約面
契約の規模に応じてディスカウント率が高くなるため、都度サブスクリプションを買い足すよりも、ある程度規模を見越して契約するなど、コストを削減できる方法を検討
【ご参考】よくあるご質問
日立のお客さまから多くいただくご質問になります。
- *4
- CAS:Cloud Application Services
- *5
- AMS:Application Management Services
- * SAP®、SAP S/4HANA®、SAP®ロゴ、記載されているすべての製品およびサービス名は、ドイツおよびその他の世界各国におけるSAP® SEの登録商標または商標です。
- * Amazon Web Servicesは、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
- * Windows Azureは、米国 Microsoft Corporationの、米国およびその他の国における商標または登録商標です。
- * Google Cloud Platformは、Google LLCの商標または登録商標です。