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安全管理業務の高度化を支援する生成AIソリューションを提供開始

日立社内で得られたリスクアセスメントのナレッジをデジタル化し、フロントラインワーカーの職場での「安全・安心」をサポート

  株式会社日立製作所(以下、日立)は、工場や建設現場など職場での労働災害を未然に防ぐための安全管理業務において、生成AIを活用してリスクアセスメントを高度化するソリューションを新たに開発し、「生成AIプロフェッショナルサービス powered by Lumada」*1の新メニューとして11月1日より提供を開始します。
  本ソリューションは、職場での労働災害につながるリスクを評価するリスクアセスメントの品質を向上させるもので、日立グループが長年にわたって幅広い事業領域でLumadaとして蓄積してきた安全管理に関するナレッジに、Generative AIセンター*2のデータサイエンティストが生成AI活用の豊富な知見・技術を掛け合わせて開発しました。本ソリューションを活用することにより、建設や輸送、電力、ガス、鉄道など、現場設備や工場を抱え、安全に係るリスクが高い業務を持つお客さまにおいて重大な災害に繋がる危険源の特定の抜け漏れを可能な限り防止し、有効な対策の立案を通じて職場の継続的なリスク低減に貢献します。今後、本ソリューションの提供を通じて、さまざまな現場で働くフロントラインワーカーの「安全・安心」をサポートし、社会全体での労働災害の防止ならびに安全な職場環境の提供に貢献していきます。

*1
ニュースリリース(2024年7月22日) : 「生成AI活用プロフェッショナルサービス powered by Lumada」を提供開始
*2
ニュースリリース(2023年5月15日) 新組織「Generative AIセンター」により、生成AIの社内外での利活用を推進し、Lumada事業での価値創出の加速と生産性向上を実現

開発の背景

  2023年に公示された厚生労働省の第14次労働災害防止計画では、2027年までに2023年比で製造業における機械による「はさまれ・巻き込まれ」の死傷者数を5%以上削減、建設業における死亡者数を15%以上削減することが取り組み指標として掲げられています。日立グループでは重大な労働災害の防止にはハイリスク作業に対する適切なリスクアセスメントに基づいた対策立案が有効と考えており、2021年より日立グループで統一したリスク管理を実施しています。
  しかし、質の高いリスクアセスメントを実施するためには以下のような解決すべき課題がありました。これに対して、生成AIの導入によってリスクアセスメントにおける評価・改善作業を高度化することをめざし、技術開発、社内実証を進めてきました。

  1. 担当者の理解度の違いによるリスクアセスメント結果のばらつきの是正
  2. リスクアセスメントに要する手間や時間の縮減
  3. リスクアセスメントに関するノウハウの容易な有効活用、暗黙知の形式知化

日立グループ内での実証

  本ソリューションの開発に先駆けて実施した社内実証は、幅広い事業領域を通して現場業務を深く理解する日立の安全管理に関するナレッジ(社内基準など)を生かし、生成AIを使い、リスクアセスメントにかかる担当者間の評価精度のばらつきをなくして品質を高められることを確認する目的で実施しました。
  その結果、安全業務担当者が作成したリスクアセスメント結果に対し、約9割の精度で、適切でない記述を指摘した上で改善案を提示できることが確認されました。*3
  本実証結果を受け、日立社内では、9月よりグループ7拠点で試行運用を開始し、今後、日立グループ全体での実用化をめざします。

*3
安全業務担当者が作成したリスクアセスメント結果について、本ソリューションのコアとなる技術を適用した生成AIが提示する改善案の精度を検証。安全基準ルールを把握したリスクアセスメント有識者による評価と比較したもの。

本ソリューションの特長

  本ソリューションは、日立社内で得られた成果をもとに、お客さまの安全管理業務の社内規定や過去の事例などを踏まえて、お客さまのニーズに合わせカスタマイズして提供します。また、生成AIが提示する改善案のさらなる精度向上を実現する技術として、検索結果やリスクアセスメントのリコメンド情報を、複数の生成AI同士で議論し、よりよい回答を導く仕組みに係る特許取得を進めています。
  さらに、幅広い事業領域で生成AIの高いパフォーマンスを実現するための調整方法に関する成功事例やノウハウを多数蓄積し、本ソリューションの実用化にあたりAIの回答精度を上げるための独自開発を行っています。これにより、ソリューションの継続的な強化を図っていきます。

本ソリューションの利用イメージ

[画像]本ソリューションの利用イメージ

  1. 安全業務の担当者が、リスクアセスメント結果を記入
  2. 担当者はリスクアセスメント結果を生成AIに入力し、記載内容の妥当性・正確性の判定を依頼
  3. 生成AIがレビュー役として内容を確認し、評価結果として「OK / NG」の判定結果と、NGの場合、その理由などフィードバックを出力
  4. 担当者は、生成AIの回答をもとに自身のリスクアセスメント結果を見直し

[画像]画面UIイメージ
画面UIイメージ

今後の展望

  今後、本ソリューションを通じて、現場で活躍するフロントラインワーカーの安全な労働環境づくりや企業における労働安全衛生の実現に貢献していきます。また、安全衛生分野だけでなく、その他のさまざまな業務において生成AIを徹底活用し、さらに、AIソリューションを統合する「Platform of Platforms」*4のプラットフォーム・アーキテクチャーを活用することで、日立社内で得られた開発成果やナレッジをユースケースとして蓄積していくとともに、フロントラインワーカーやオフィスワーカーを支援するさまざまな生成AIソリューションを拡充していきます。

*4
GlobalLogicニュースリリース(2024年4月8日発表) GlobalLogicがエンタープライズ向けのAI活用を推進する「Platform of Platforms」を発表

[画像]生成AIサービス全体像
生成AIサービス全体像

本ソリューションの提供価格

名称 価格 提供開始時期
「生成AIプロフェッショナルサービスpowered by Lumada」
リスクマネジメント高度化ソリューション
個別見積 2024年11月1日

関連リンク

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 Generative AI センター事務局

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