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株式会社 日立製作所 ひたちなか総合病院ひたちなか地区産業医募集サイト

先輩たちの声

企業で働く女性や、働きながら出産や子育てをする女性の助けになりたい

稲田仁美先生(30代・専属産業医)

――― 稲田先生は、産婦人科医から産業医に転身されたと聞きましたが、その経緯やきっかけについて教えていただけますか?

最初はなんとなく漠然と「看護師になりたいな」と考えていたのですが、肉親などの近しい人が亡くなるという経験をしていく中で、みずからの考えのもとで治療を行える医師を目指すようになり、産業医科大学へ進みました。

産婦人科医になろうと思ったきっかけは、私の母親の体験談です。私がまだ生まれる前、妊娠して働いていた時期があって、それが本当に大変だったという話を聞いて、企業で働く女性や、これから働きながら子どもを産む女性の助けになりたいと思い、産婦人科医の道に進もうと決心しました。産業医科大学は、産業医と臨床医、どちらのコースもあるので、少し気持ちが揺らぎましたが、産婦人科に入局しました。

――― その後、どのようなきっかけで産業医に転身されたのですか?

私自身の出産がきっかけです。臨床医を続けながら出産や子育てをするというのは…正直大変でした。

稲田仁美先生

「安全に働ける安心感」を企業全体に広めていきたい

――― 産業医としての「やりがい」はどんなときに感じますか?

従業員のみなさんと接していくなかで、よりよい環境作りが進められていると実感できたときは、大きなやりがいを感じますね。最近では、私たち産業医の働きかけに従業員のみなさんが賛同してくれて、対策チームを組んで協力してくれる動きもあって、本当にありがたいですし、心強く思っています。こういった動きがきっかけとなって「安全に働ける安心感」が企業全体に波及していけばすばらしいですし、そういう大きな流れを作り出せるのが、産業医という仕事の魅力だと思います。

――― それでは、逆に大変なことはありますか?

仕事で必要となる知識や法制度をきちんと把握しておく必要があるので、刻々と変化していく国や世界の情勢や、社会を取り巻く環境を追いかけながら、日々の産業医の業務を続けるのは大変ですね。

――― 医学だけでなく、企業を守る法律などの勉強も必要ということですね?

その通りです。守備範囲がとにかく広いんです。経験豊富な先生であれば「1年目ならこのレベルで…」とか分かるそうなのですが、私はまだまだ、真っただ中の状態なので…(笑)。

稲田仁美先生

稲田仁美先生

私自身の子育ての経験が、働く女性たちを支えるときに役立っています

―――そうなると、子育てとの両立は、やはり大変ということでしょうか?

いや、臨床医だった頃と比べれば、だいぶ楽になったと思います。休日はしっかり休めて、時間もコントロールしやすいですし、職場のみなさんが本当によくしてくださるので。

例えば、出産休暇や育児休暇を取るときも、ほかの先生方が「自分がやるから安心して休んできなさい」と言ってくれますし、保健師さんたちも家庭があって子育てをされている方が多いので、子どもが急な熱で出勤できないときなど、みなさんでうまく日程を調整してくださいます。子育てしながら働く環境としては、とても恵まれていると思いますね。

それから、日立グループの福利厚生の一環として、ひたちなか総合病院の保育園が利用できるのですが、それも本当に助かっています。

―――稲田先生ご自身のそういった体験も、子育てしながら働く女性を産業医として支えるときに役立っているのでしょうか?

役立っていると思います。自分の子育てで得た知識を応用できますし、子育てしている従業員さんの意見を自分の子育てに反映させることもあります。そういった意味で、女性の産業医の需要も今後は高まってくると思います。

数十年先を見据えながら、労働環境の改善に努めることが大切です

―――子どもを育てる環境として、ひたちなかはいかがですか?

満足しています。こちらに来て、まず「食べ物がおいしい!」と感じました。海が近いのでお魚が新鮮でおいしいですし、農産品も豊富です。やはり海と山どちらもあるというのはいいですね。土地が広くてスポットが点在しているので、車がないと少々不便ではあるのですが、景色がきれいな大きな公園も多いので、よく子どもと一緒に遊びに出かけています。

―――これから産業医を目指す若い方へメッセージをいただけますか?

産業医という仕事の最大の魅力は、企業ごと動かすようなダイナミックさにあると思います。数十年先を見据えた視点を持ちつつ、企業とスクラムを組んで、労働環境の改善に取り組んでいくことが大切です。それが結果的により多くの人を救うことにつながると思います。

大きな達成感を得られる仕事なので、若い方にどんどんトライしてほしいですね。

稲田仁美先生