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ITIL Version3による運用管理の新時代 (Open Middleware Report Vol.44より)

特集1 ITIL Version3による運用管理の新時代

IT運用管理のガイドラインとして多くの企業に認知されているITIL。
日立では最新版となるITIL Version3への対応をいち早く開始し、日立グループによるアセスメントサービスから統合システム運用管理「JP1 V8.5」による支援まで幅広いソリューションを提供している。本特集では現在の企業ITシステムにおけるITILの状況と、日立の取り組みを紹介する。

日立の取り組み

めまぐるしく変化するビジネス環境、増大するITコストの適正配分、拡大する標準規格や法整備など、ITシステムに求められる要件はますます複雑化しています。企業のIT部門では、これらの要求に対応しながら、限られた予算や人員で、高品質なサービスを透明性高く適正なコストで提供していくことが大きな課題となっています。

従来、ITサービスの維持・運用は、企業のITコストの大半を占めていながら、その業務プロセスにおいては、担当者の能力への依存度が大きいという側面がありました。一方で、ITシステムを使った業務が拡大するに連れ、限られたコストで安定したサービスを確保し、投資対効果に見合った効率の良い運用のあり方が求められています。

このようなニーズに対する解の一つとして、ITサービス運用管理のベストプラクティスであるITIL®が注目を浴びています。

ITIL®はイギリスのOGC(Office of Government Commerce)が政府機関のITサービスの向上を目的として作成した、運用管理手法のガイダンス集です。その後、民間企業のITマネジメントにおいても注目されるようになり、日本でもここ数年でITIL®を導入して運用業務を見直す企業が増えてきました。

ITIL®では、ビジネスの要件を満たすITサービスをSLA(Service Level Agreement)の導入で明確化することによって整備していくことを推奨しています。ITIL®自体は七つの観点でまとめられたベストプラクティス集であり、実際に導入するに当たっては「三つのP」―People(人材)、Process(プロセス)、Product(ツール・技術)―の視点からのアプローチが重要と言われています。

日立の取り組み〜「三つのP」に基づきITIL®の導入をトータルにサポート〜

日立では「三つのP」に基づいて以下のようなアプローチでお客様へのITIL®導入をトータルにサポートします。特に、日立オープンミドルウェアの「JP1」は、ITサービス提供部門の運用管理を幅広く支援する機能で、その中心的な役割を担っています。

図:三つのPに基づいたITIL®サービスメニューの概要

日立の取り組み
ITサービスマネジメント
研修サービス

[People]
ITIL®に関する基本的な知識の修得、さらに、グローバルに認知された標準資格取得を目指す方のための研修を提供。また、ITIL®ベースのITサービス運用を支援するJP1の研修科目も用意。

ITサービス管理
アセスメント

[People][Process]
ITIL®をベースにした日立独自のアセスメントシートを用いて、お客さまが運用するITサービスの提供プロセスを診断、短期間で問題点と課題を整理、解決の方向性を明確化。アセスメントを通じ、ITIL®の理解を深める支援も実施。
ITサービス管理
導入コンサルティング

[Process]
ITサービス管理アセスメントの結果を受け、改善プライオリティの高いプロセスの改善をサポート。ベストプラクティスと現状プロセスを対比し、お客さまの組織に最も適したITサービス提供プロセスの設計を支援。
プラットフォームシステム
運用・保守サ−ビス

[Process][Product]
ITサービスの安定提供を、プロアクティブ/リアクティブの両面からサポート。お客さまの運用ポリシーに従い、ITインフラストラクチャのワンストップ運用をITIL®ベースで提供。

統合システム運用管理 JP1
[Product]
ITサービスの構成アイテム(ハードウェア・ソフトウェアなど)の情報管理に加え、多様な監視機能により、SLA(Service Level Agreement)違反などの問題点へのプロアクティブな対処、各種レポートの作成をサポート。ITサービス運用の最適化をツールの面から支援。

アウトソーシングサービス
[People][Process][Product]
ITサービスの安定提供や、サービス品質の向上、ITサービスコストの適正化などの課題に対する解決策として、ITIL®ベースのプロセスを用いてお客さまに代わってITサービスを提供。

ITIL®導入の基盤製品「JP1」

ITIL®導入の効果を引き出すために重要な課題となるのが、プロセスの自動化・効率化です。自動的にプロセスを進めることで担当者のスキルや労力への依存を低減し、効率的な運用管理業務へと改善できるのです。そのための基盤として最適なツールが、日立の統合システム運用管理JP1です。

JP1は、ITIL®プロセスの導入/遂行に欠かせない各種情報を管理するCMDB(Configuration ManagementDatabase:構成管理データベース)の構築や、その上で実現されるプロセスを支援するさまざまな機能を実装しており、ITIL®の導入/遂行に最適なツールとなっています。

例えば、日常的な運用とサポートについて規定された「サービスサポート」の実現に当たっては、JP1を活用することで下記のような環境を実現します。インシデント管理、問題管理、構成管理、変更管理、リリース管理の整備によって、JP1の機能コンポーネント(JP1/Integrated Management:統合管理とJP1/NETM:資産・配布管理)がサポートいたします。サービスデスクに関しては、JP1/Integrated Management - Service Supportを活用します。

事例紹介

お客様名 概要 業種/業態 テーマ/キーワード
シス・コンピューティング株式会社 「JP1/PFM」と「JP1/AJS3」との連携で、システム稼働状況とジョブ運用を統合的に測定・分析。プロアクティブな運用管理も強化
〔2010年11月9日 掲載〕

適用製品:JP1
情報通信業
ITIL®(ITインフラストラクチャ・ライブラリ)
統合システム運用管理
エヌ・ティ・ティ・データ先端技術株式会社 高度な方式技術を結集したIT基盤構築サービス「NEOLYNO」 日立の「JP1」を採用して、磐石のオープンシステム基盤を実現
〔2007年3月3日 掲載〕

適用製品:JP1
情報通信業
統合システム運用管理
ITIL®(ITインフラストラクチャ・ライブラリ)
株式会社損害保険ジャパン プロアクティブな運用管理の仕組みをITILで構築 「JP1」を活用し、情報システムの高可用性を維持
〔2004年7月4日 掲載〕

適用製品:JP1
金融・保険業
統合システム運用管理
ITIL®(ITインフラストラクチャ・ライブラリ)