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ミドルウェア

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Hitachi

顧客企業の物流系Webシステム構築において、
日立の「Cosminexus」と「OpenTP1」を採用。
メインフレームと同等の信頼性と処理性能を実現

基幹系システムをオープンシステム環境で再構築することで、情報の戦略的な活用を目指す企業が増えている。 株式会社日本総研ソリューションズ(以下、日本総研ソリューションズ)は、担当する顧客企業の物流系Webシステムを構築。メインフレームと同等の信頼性と処理性能が要求されたシステム構築にあたって、日立のユニバーサル・アプリケーション・プラットフォーム「Cosminexus(コズミネクサス)」と分散トランザクションマネージャ「OpenTP1」を採用。顧客企業では、経営情報の迅速な抽出はもちろんのこと、アプリケーションの作り替えや機能拡張にも対応できる、柔軟で信頼性の高い情報基盤の確立に成功した。

最新プロダクツを積極的に取り入れて「最適なソリューション」を提供

安原 詩朗 氏の写真
株式会社日本総研ソリューションズ
産業事業本部
システム開発統括部
流通サービスシステム開発グループ
開発部長名古屋支社長
安原 詩朗 氏

「日本総研ソリューションズは、コンサルティングからシステム構築・運用まで一貫したサービスを提供できるのが大きな特長です」と安原氏は語る。シンクタンク、コンサルティング・ファームとの連携、三井住友フィナンシャルグループで培ってきた豊富なシステム開発・運用の経験、さらには信頼性の高いアウトソーシングサービスなどを総合的に提供できるのが、日本総研ソリューションズである。

「いま多くのお客さまは、システムを単に作るだけでなく、業務改革まで含めた視点で企業価値を高めることを望んでおられます。日本総研ソリューションズは豊富な経験と総合力を活かし、こうしたニーズに応えて、お客さまごとに『最適なソリューション』を提供しています」と安原氏は強調する。

システム開発においては、市販のパッケージやミドルウェアなどのプロダクツを活用して、開発期間の短縮を心がけている。幅広いベンダーのITアーキテクチャを厳しく評価するITアーキテクト部隊も強化した。

「特に最近は、Webシステムでも、メインフレームに比肩できるような処理性能や信頼性が求められるようになっています。異なるベンダーの製品を組み合わせて、これらの要求に応えるために、『評価する目』を大切にすると同時に、新しいことにチャレンジする精神も失わないようにしています」と藤井氏は語る。

メインフレームと同等の信頼性と処理性能が求められたWebシステム

藤井 尚之 氏の写真
株式会社日本総研ソリューションズ
産業事業本部
システム開発統括部
流通サービスシステム開発グループ
マネジャー
藤井 尚之 氏

同社がA社の物流系Webシステムの開発に際してミドルウェアを選定した際にも、公平で厳しい「評価する目」が機能した。A社の物流システムは、全拠点が利用する請求管理・会計システムも含めたメインフレームと、一部の拠点で利用するWindows®系システムが運用されていたが、メインフレームとWindows®系拠点システムとは連携していなかった。

「しかし、お客さまは、物流情報を一元的に管理して、採算管理や経営戦略の見直しを行っていきたいと要望されていました。そこで、メインフレームとWindows®系システムで、別々に稼働し、情報が分断されていた旧システムに対し、新システムでは、統合データベースを構築することにより一元的に情報を管理・共有できるようにしました」と藤井氏は語る。

Webシステムには、膨大なトランザクションが集中することが予想された。しかも、物流システムに障害が起きると業務がストップしてしまうため、メインフレームと同等の信頼性と処理性能が要求された。これらの要求にこたえるため同社では、メインフレームは日立製ではなかったが、日立のユニバーサル・アプリケーション・プラットフォーム「Cosminexus」と分散トランザクションマネージャ「OpenTP1」の組み合わせを選択した。

開発生産性も高かったCosminexusとOpenTP1の組み合わせ

古波蔵 靖 氏の写真
株式会社日本総研ソリューションズ
産業事業本部
システム開発統括部
流通サービスシステム開発グループ
古波蔵 靖 氏

上野 智史 氏
株式会社日本総研ソリューションズ
産業事業本部
システム開発統括部
流通サービスシステム開発グループ
上野 智史 氏

OpenTP1は、日立が長年にわたって培ってきたOLTP(オンライントランザクション処理)技術を集結している。Cosminexusにもその技術は継承されており、流量制御や負荷分散などを的確に行う。CosminexusとOpenTP1を組み合わせることで業務プログラムの処理性能を引き出すことができる。

「基幹システムの再構築にあたり、高い信頼性・性能・保守性を実現するためには、システム基盤の選択が極めて重要です。当案件では統合システム運用管理『JP1』などミドルウェアを中心にアーキテクチャの主要部分を、日立のソリューションで組み合わせることにより、高い信頼性・性能・保守性を実現できました。また、ミドルウェア自体の設計に関する知識を必要とするところで、日立からの手厚いサポートを受けることができました」と古波蔵氏は語る。

CosminexusとOpenTP1の組み合わせは、開発生産性向上にも貢献した。新システムでは、フロントでCosminexus上のJava™アプリケーションが動き、バックエンドでOpenTP1上のCOBOLの業務プログラムやバッチが動く。CosminexusのJava™-COBOL連携により、Java™アプリケーションとCOBOLプログラムとのスムーズなデータ受け渡しを実現している。

「サーバ側はCOBOLで動いているので、パフォーマンスを気にせずにWebシステムを開発できます。また、Java™を知らないけれど業務がよくわかっている技術者が、COBOLを使って開発を進められるなど、人的資産の有効活用にも役立ちました」と上野氏は語る。

日立は、Java™ VMのソースコードを保有しているので独自に機能拡張や最適化を行い、ハイパフォーマンスを実現している。

また、CosminexusやOpenTP1は、問題の切り分けやチューニングを短時間で行えるように、ログを自動的に記録する機能を備えており、使いやすさにも工夫を凝らしている。さらに、いざというときには、ソースプログラムを把握している日立の開発者がサポートに駆けつけてくれるという安心感も大きかった。

「Cosminexusには、OpenTP1のCOBOLをプログラミングレスでWeb化する機能があります。日立の技術支援の元にCASEツールであるSEWB+も利用し、COBOLとJava™を組み合わせたシステムを効率良く開発することができました」と上野氏は語る。

変化に即応でき、拡張性の高い統合基盤構築に成功

A社のWebシステムは、2006年5月に移行が完了し、順調な稼働が続いている。

「お客さまには、データベースを一元化し、欲しい情報がいつでも取り出せると喜んでいただいております。また、メインフレームと同等のサービスレベルをWebシステムで実現できました」と藤井氏は言う。

CosminexusとOpenTP1で柔軟かつ信頼性の高い統合基盤を確立したため、新たなアプリケーションの追加開発が容易にできるのも大きなメリットだ。

「オープンシステムでメインフレームと同等の堅牢なしくみが必要だというとき、あるいは、レガシーシステムからCOBOLのソースプログラムを流用して開発期間を短縮したいというとき、CosminexusとOpenTP1の組み合わせが有効であることが実証されました」と古波蔵氏は評価する。

最適なソリューション提供を行うために、新しいプロダクツを採用していくチャレンジ精神と、豊富な経験と総合力を活かし、ワンストップ・サポートに力を入れていく方針の日本総研ソリューションズ。

今後も日立のオープンミドルウェア製品群が支援していく。

物流系Webシステム概要
物流系Webシステム概要

USER PROFILE

株式会社日本総研ソリューションズのロゴ

株式会社日本総研ソリューションズ

[東京本社] 東京都中央区晴海2-5-24 晴海センタービル
[大阪本社] 大阪府大阪市西区新町1-6-3
[設立] 2006年7月
[資本金] 50億円
[従業員数] 1,300名

システムインテグレーション・コンサルティング・シンクタンクの3つの機能を有する総合情報サービス企業である株式会社日本総合研究所から、会社分割により設立されたシステムインテグレータ。流通・サービス、製造、金融、公共・教育などさまざまなフィールドでお客さまの課題解決や価値創出に貢献する。

特記事項

  • この記事は、「日経コンピュータ 2007年2月19日号」に掲載されたものです。
  • CosminexusOpenTP1COBOL2002ファミリーの詳細については,ホームページをご覧ください。
  • Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
  • Javaは、米国およびその他の国における米国Sun Microsystems, Inc.の商標または登録商標です。
  • その他記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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