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これからの生き方を、考える。

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株式会社日立製作所 2014年入社 経理財務 根本 真由美

真面目に黙々と<明るく楽しく全力投球 真面目に黙々と<明るく楽しく全力投球

根本真由美のライフスタイル

根本のライフスタイル

根本のライフスタイルのイラスト図

「笑顔」と「全力投球」で
壁を越える

私は横浜で生まれ、商社勤めの父の転勤で小学3年生から中学3年生までポルトガルに住んでいました。そこで通っていたブリティッシュスクールで人生初めての壁にぶつかりました。それが言葉の壁です。

今でこそバイリンガルと言われていますが、最初は言葉の壁に阻まれて内気になり、友達ができずにいました。でも、みんなが笑顔でとても楽しそうに遊んでいるのを見て、思い切って笑顔で輪に飛び込んでみたのです。すると、言葉が通じなくとも「楽しい」という気持ちが伝わり、相手も笑顔になってくれました。それからは徐々に英語も話せるようになり、友達の輪も広がり、”心の友”といえる親友もできました。

良い先生や友達に恵まれたおかげで、そのうち授業にもついていけるようになり、成績もあがっていきました。しかし、英語(現地では国語)の授業だけはネイティブに話す生徒の中で、どれだけがんばっても成績がB-5評価※1だったため、負けず嫌いの私は、ずっと悔しい思いをしていました。

ある日のこと、担任の先生から、「人生において“努力すること”はとても大切なことよ。努力しなければその先の結果にはつながらない。だから頑張らなくても勉強ができてA-4評価を得る人より、あなたが全力で努力して得たB-5評価の方がずっと素晴らしいわ」と言ってくれました。先生のこの言葉のおかげで、努力は無駄ではなく、全力投球することに価値があると気付くことができ、“何事も全力で頑張る”ことが、私の基本スタンスになりました。

※1:各科目における成績評価(高〜低)= 目標達成度A〜E + 努力度5〜1

自分の「苦手」を克服すべく、
商学部へ進学

中学3年生で日本に帰国してからは、語学力を活かしながら勉強したいと考え、帰国子女が多く通う高校に進学しました。そこで最も思い出に残っていることが “学園祭”です。若いパワーが爆発するような熱気をつくりあげたい!という意気込みで学園祭実行委員に手を挙げ、2年生の時には後夜祭の実行委員長としてチームを取りまとめ、大成功に終わった後の汗と涙と達成感は私にとって大きな宝物になりました。この時から、皆で頑張ってひとつのものをつくり上げ、達成感を共有することに喜びを感じるようになりました。

大学では商学部を専攻しました。高校時代は、数学や経済系の科目が苦手だったため、全力で頑張るのであれば苦手なことを克服したいと思い、将来は会計士をめざそうと目標を高く掲げました。ところが、会計士の勉強を進める中で、企業を外から見る会計士よりも、企業の中で経営をリードする”経理財務”に興味を持つようになったのです。

根本 真由美 さんの写真 根本 真由美 さんの写真

経営者の祖父の話が、
仕事への道を切り拓く

その興味のきっかけとなったのが、私の祖父の言葉でした。祖父は化学メーカーを営む経営者で、会計を学ぶ私に、「開発型の企業では、研究開発費に対する考え方がとても大切だ」と話してくれました。一般的な企業と比較して研究開発費により多くの予算を割き、数々のトライアンドエラーの苦労を乗り越え、業界でリーディングカンパニーといわれるほどの企業にまで成長させた祖父の話は、私の心に深く刺さりました。

そして、“製品やサービスをつくって売る”という、目に見えるプロセスのある会社の運営を支える仕事がしたいという思いが募り、より深く経営を学ぶために大学院へと進学。大学院では、企業における財務会計のあり方を学ぶ道を選び、修士論文でも”研究開発費の会計的考察”をテーマとしました。

就職活動では、経理財務のスペシャリストとして働ける企業を軸に探しました。様々な企業のOBOG訪問をしましたが、その中でも「日立の経理財務は経営企画に近く、チャレンジングだ」という大学OBの話を聞き、グローバルかつダイナミックな事業展開の中で、ただ数字を見るのではなく、自ら提言や経営判断ができる環境があることに魅力を感じ、志望しました。

入社一年目に、
ビジネスの真の厳しさに直面

2014年に日立へ入社。最初の3年間は茨城県の工場に配属されました。その工場では、石油精製や化学プラントの要である“圧縮機”という大型の重機を製造していました。良いモノをつくろうという情熱あふれた現場の中で、原価計算や原価管理業務に従事し、将来の圧縮機事業の業績見通しを策定するという、まさに学生時代に思い描いていた、事業を財務面からリードする仕事を担うことになりました。

ところが1年目の途中で石油価格が暴落。それに伴い、圧縮機事業の業績もひどく落ち込み、工場の定例会議は重苦しい空気に包まれていました。利益率が低くても、現場の社員たちは良いモノを作りたい。しかし、利益を確保しなければ、事業を存続できず、これまでと同じことを続けるわけにはいきません。入社して間もない私が、設計部門等の部長・課長を前に、財務担当者という立場で「今の状況でこの案件を受注すると、財務上のリスクがあります」「利益を確保するために、研究開発費の削減を検討してください」などと、厳しい説明をしなければなりませんでした。

一生懸命にモノづくりに取り組む現場を間近で見ていただけに、初めてビジネスの厳しさを痛感し、つらい気持ちになりました。それでも“日立として前を向かなくてはいけない”と、日々できることを考え続けました。まずは、現場に正しい情報を伝えること、事業体質を強め、事業継続への影響を最小限に抑えるためにはどうすればよいか考えること、そして何より、くよくよせずに私らしく明るく前向きに発信することを心がけました。

競合他社と比較した当社の弱みは何か、事業のボトルネックは何か。数字を精査し、財務担当者としての提言を続けました。はじめのうちは、現場から納得を得られない状況が続きましたが、数字で根拠を示し続けるうちに、いつしか「君はどう考えているのか」と私の意見に耳を傾けてもらえるようになりました。そうして意見が採用され、業績向上の一助となることができた経験は、私の大きな自信になりました。

根本 真由美 さんの写真 根本 真由美 さんの写真

根本 真由美 さんの写真 根本 真由美 さんの写真

日立グループの
意思決定を担う、
チャレンジングな仕事

入社4年目で本社の財務戦略部に異動しました。ここでは、連結売上高9兆円を超える日立グループの財務戦略を一手に担うという、ダイナミックな仕事を経験しています。私は、日立グループ全体の業績見通し、予算策定等の連結経営に資する業務を担い、グローバルでの地域別の売上高および利益、成長のための投資額など、様々なKPI(目標に対する状況を示す指標)の設定・管理を通じて、財務戦略を取りまとめる仕事に携わっています。

私たちが取り組むこの仕事は、いわば日立グループを動かす経営陣の意思決定に必要な材料を提供する仕事です。”日立はこう考える”という一つの方針を策定し、その方針に基づいて然るべき方向に日立は進んでいくことになりますから、自分が会社経営の一部に関わっているという実感や責任感があります。このように常に自分を成長させてくれるチャレンジングな環境や達成感こそが、日立で働く大きなやりがいです。

自分らしいスタイルで、
社会課題の解決に貢献

本社に異動して1年ほど経った頃に結婚しました。夫も私も、仕事を頑張りたいタイプで、お互いの生き方を尊重しながら結婚生活を送っています。“何事も全力で頑張る”という私のスタンスは仕事でもプライベートでも変わりません。プライベートも全力で楽しみたいので、休みの日には工場時代に始めたゴルフに出かけたり、夏休みはたっぷり2週間の休暇を取って旅行に行ったりしていますね。休暇中に思い切りリフレッシュすることで、次の日も笑顔で働くことができます。

仕事面では、経理財務の領域でさらに経験を重ねたいです。今までは管理会計の分野が中心だったので、決算などの財務会計分野の仕事にも経験を広げるべく、現在は簿記1級の資格取得に向けて勉強をしています。将来的には、語学力を活かして海外勤務にもチャレンジしたいですし、10年・20年後には女性管理職のロールモデルとして、私の経験を部下に伝えられるような上司になっていたいですね。経理財務の仕事は、直接製品やサービスを生み出す仕事ではないからこそ、会社経営に貢献できる存在となるべく、成長を続けていきたいです。また、それが、日立が取り組む社会課題の解決にもつながっていくと信じています。

私が今までの人生で心がけてきたことは、“明るく楽しく全力投球”です。これが、幼少期の海外生活における言葉の壁や、大人になってからの厳しい仕事の壁を乗り越える突破口になりました。真面目に黙々と取り組むことよりも、笑顔で全力投球した方が私らしいかな。このスタイルで、いくつになっても私らしく人生のチャレンジを続けていきたいです。

根本 真由美 さんの写真 根本 真由美 さんの写真