がん患者は世界的に増加しており、日本でも主要な死亡原因となっています。そのような中、放射線治療は、患部を切除せずに治療できるため、患者のQOL(生活の質)維持や向上が期待されていますが、正常組織へのダメージ低減や高精度な照射技術、治療準備や時間短縮など、いくつもの課題が残されています。また、患者は平均25回もの通院が必要であり、社会生活と治療の両立の観点からも、負担の軽減が求められています。また、病院経営の面でも、装置の稼働効率向上や多様な症例への対応、スループットの改善が重要視されています。
こうした課題に対し、本装置は2方向からの高精細X線撮影と、ステージ・本体の2軸回転による最適な照射角度の実現、呼吸や拍動に合わせた連続照射機能を備えています。これにより、正常組織への影響を抑えつつ治療時間を短縮し、照射範囲の拡大で多様な症例にも対応。技師の操作画面にはワークフローやガイダンスを常時表示し、治療の確実性と質を向上させています。装置は円を基調としたシンプルな造形と配色で圧迫感を軽減し、患者・医療従事者双方の負担を和らげるデザインとなっています。
本製品の、X線撮影と医療用X線照射を行うリング状の本体内側の水平軸回転と、そのステージの垂直軸回転の2軸を組み合わせは、他に例のない機構である。前後・左右の移動と傾斜、上下の移動の5軸で動くベッド、患者の呼吸や拍動によるがん組織の動きを動体追尾する機能と組み合わさることで、治療精度の向上と治療時間の短縮を実現している。
先端技術を、円を基調とする圧迫感を抑えた造形にまとめた、医療機器として総合的に優れたデザインである点を評価した。