ページの本文へ

Hitachi

特集記事|AWS-日立共同プロモ対談

オンプレとクラウドの溝を埋めるには
多様なデータのシームレスな連携が新しい価値を創り出す源泉に

日本企業において、ハイブリッドクラウドの活用が浸透する中、コスト最適化とアジリティ向上に向け、オンプレミスとパブリッククラウド間のデータ連携/一元管理を、いかに実現できるかが課題になっています。こうした課題の解決と今後のデータ活用へのニーズに応えるため、日立製作所(以下、日立)はアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)との協創により、ストレージ仮想化をクラウド向けに拡張するサービスを開始しました。その導入メリットと今後の可能性について、両社のキーパーソンが語りあいました。

AWS-日立共同プロモ対談
AWS-日立共同プロモ対談

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(AWS Japan)
アライアンス統括 ストラテジックSI技術部
部長
元永 秀史氏

AWS-日立共同プロモ対談

株式会社 日立製作所
ITプロダクツ統括本部 プロダクツサービス&ソリューション本部
エマージングビジネス推進部
主任技師
内山 秀一氏

ハイブリッドクラウド化の今後とその課題とは

クラウドとオンプレミスをハイブリッドに運用するスタイルが、日本企業で主流になりつつあります。こうしたハイブリッドクラウド化の潮流について、どう認識していますか。

内山氏:日本でもクラウドを利用する企業が劇的に増えています。IDC Japanの調査結果※では、SaaS、IaaS、PaaSといったパブリッククラウドをメインとするクラウドファースト戦略を取っている企業が66%以上となっており、従来型ITからクラウドに大きくシフトしていることが分かります。その一方で、クラウドとオンプレそれぞれに適材適所でデータを置いて活用するハイブリッドクラウドの流れが大きくなっているほか、DXを加速するためにパブリッククラウド上のAIや機械学習といった先端技術を素早く活用したいという要望も増えています。その意味では今後、様々な場所に存在する多様なデータを透過的かつ高信頼に利活用していくという世界観が、ますます重要になってくると考えられます。

※出典:IDC Japan(2021年12月) 2021年 国内クラウド需要調査(JPJ47044521)

元永氏:AWSは「地球上で最もお客様を大切にする企業」であることを使命に掲げ、ビジネスを展開しています。お客様のハイブリッドクラウドへの期待もしっかり受け止めており、当社CEOのアダム・セリプスキーがAWS最大のラーニングカンファレンス「AWS re:Invent 2021」で語ったように、常に革新的なハイブリッドクラウドサービスを提供しています。

例えばAWSをオンプレミスのインフラで実行するクラウドアプライアンス「AWS Outposts」は、AWSを工場や店舗で使いたいといったエッジコンピューティングのニーズに応えるものです。また「AWS Storage Gateway」は、オンプレミスで稼働させている処理が限界に達した際、CPUやストレージをクラウドで実質無制限にスケールさせる「クラウドバースト」に対応する事を考慮にいれたサービスです。AWSでは、こうしたハイブリッドクラウドの様々な要望に応えるソリューションを現在ハイブリッドクラウドサービスの名のもとに20種類以上提供しています。

ハイブリッドクラウドの実現に向けては、多くのハードルがあるともいわれています。具体的にはどのような課題があるのでしょうか。

内山氏:多様なデータが指数関数的に増えていく中、それをオンプレミスとクラウドに格納しながら、いかにシームレスに連携させるかという課題があります。従来はシステムとデータの格納先であるストレージが一対一の関係が基本だったので、システムを拡張するたびにデータがサイロ化し、同じ社内でも他部門のデータを横断的に利用できない状況が多く見受けられました。
DXを進めるためには、こうしたモノリシックなシステムではなく、マイクロサービスを組み合わせ、社内外に散在するあらゆるデータにリアルタイムにアタッチして使えるような、データ連携の柔軟性が必要です。そのためにはオンプレミスとクラウド、2つにまたがったデータ管理・運用の複雑性を解消していかなければなりません。
もう1つ、金融系や官公庁の基幹システムなど、データの信頼性を何よりも重視されるお客様に対し、データ連携の可用性やセキュリティなどをいかに担保するかも重要な課題となっています。

元永氏:今、お話にあったように、多様なシステム形態のもとでの運用は、データ管理が非常に複雑になります。近年、データレイクが注目を集めていますが、これは別の場所に散在していた多種多様なデータを集約して保管する形態。このため最初にどこで生成され、どう抽出・変換されてきたかというデータジャーニーも含めて管理していくことが大切です。さらにデータレイクに格納した際は、データ全体にどのようなガバナンスを効かせるのか、どういったKPIを持たせるのかも、データマネジメントの問題として検討する必要があります。

ハイブリッドクラウドの課題解決に必要な要件は

そうしたハイブリッドクラウドの課題解決に向けて、どのような戦略を考えているのでしょうか。

内山氏:パブリッククラウドの活用が進む中でも、重要データはオンプレミスに残したいというニーズが根強くあります。また一方で、災害対策を想定したデータのリモートバックアップ先として、パブリッククラウドを検討されるケースが増えており、双方でシームレスにデータを連携し、安心・安全に活用できる基盤を構築することが求められています。
そこで日立は、データの所在を意識することなく、透過的かつ高信頼に利活用できるハイブリッドクラウド基盤の提供を考えています。具体的には、従来と同様の使用感や信頼性でパブリッククラウドへのデータバックアップや、オンプレミスとクラウドのデータ一元管理を行えるようにします。また、コスト最適化のご要望に応えるため、新たなソリューションやサービスは従量課金のサービス型としても提供していきます。

図1 今後求められるストレージ像

ハイブリッドクラウドにおけるデータ連携を実現するには、双方にまたがるデータを透過的かつ高信頼に連携し、安心・安全に利活用できるデータ利活用基盤が必要

元永氏:今お話のあったハイブリッドクラウド戦略は、AWSとしても非常に共感できるものです。AWSではハイブリッドクラウドを実現するにあたり、オンプレミスとのシームレスな統合と運用管理の一元化が非常に重要だと考えています。日立の戦略はまさにその2つのポイントを兼ね備えており、データ管理・運用の複雑さに悩むお客様に1つの解を提示されようとしています。そういったソリューションはAWSとしても積極的に取り組みたいと考えており、お客様が求められればパートナー様のテクノロジーや知的財産をAWSクラウドに組み込んで提供する事も戦略の1つとして従来から積極的に推進してきました。

日立のハイブリッドクラウドソリューションの特長とメリット

内山氏:こうした考えのもと、日立ではハイブリッドクラウド戦略の中核を担うハイブリッドクラウドソリューション EverFlex from Hitachi の提供を開始しました。これは、グローバルで高い評価を得ている日立のストレージ仮想化技術を活用した高信頼データ利活用基盤を、企業内システムからパブリッククラウドへ拡張し、分散するデータの横断的かつセキュアな管理・運用を可能にするものです。

ハイブリッドクラウドソリューション EverFlex from Hitachi は具体的にはどのような構成で提供されるのでしょうか。

内山氏:分散データをつなぐ基盤として使われるのが、信頼性・可用性・性能を一段と高めたストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform VSP ファミリー」(以下、VSP)と、複数の汎用x86サーバーを利用して1つの仮想的なストレージシステムを構築するソフトウエア・デファインド・ストレージ「Hitachi Virtual Storage Software Block」(以下、VSS Block)です。これらの製品を軸に、必要なとき、必要な場所にデータを準備できるデータの可搬性と、可用性の高いデータ連携基盤の設計から構築までトータルに支援します。
具体的には、クラウド活用支援、クラウドネイティブ構築支援といった各種クラウドソリューションやサーバーなどを、従量課金・月額課金などのAs a Service型から売り切り型まで、お客様の要望に合わせた柔軟な利用形態と適切なコストで提供するのがハイブリッドクラウドソリューション EverFlex from Hitachi の全体像となります。
加えて、注目いただきたいのが、AWSと日立の協創の成果である、クラウドを使ったバックアップソリューション(以下、UVM for cloud ※本記事内での呼称)、 ソフトウエア・デファインド・ストレージをクラウド上で活用し企業システムのクラウドネイティブ構築を容易化・迅速化するソリューション(以下、VSS Block on cloud ※本記事内での呼称 ※2022年度リリース予定)です。

図2 ハイブリッドクラウドソリューション EverFlex from Hitachi の全体像

クラウドの手軽さでITインフラを活用できる「日立従量課金型データ基盤ソリューション」をベースに、エンタープライズ・ミッドレンジストレージ、ソフトウエア・デファインド・ストレージ、各種クラウドソリューションを提供する

両社の協業スキームで実現されるソリューションの特長を教えてください。

内山氏:まずUVM for cloudですが、UVMとは他社を含めた別のストレージを仮想的に日立ストレージのリソースとして扱える機能「Universal Volume Manager」を指します。UVM機能を備えたVSPをお客様のオンプレミス環境に設置し、本来なら同じ筐体内に作成するレプリカボリュームを、AWS Storage Gatewayを経由してクラウドストレージであるAmazon S3にバックアップします。従来のリモートバックアップと同様の操作性で利用でき、バックアップソフトも不要です。暗号化による安全なデータ転送と、HA構成による転送経路の冗長性も確保するため、ミッションクリティカルなデータについても高い信頼性を確保したクラウドバックアップを実現できます。
UVM for cloudにはもう1つメリットがあります。クラウドにバックアップしたデータをAmazon EC2にマウントすることで、AWS上の多種多様なサービスと簡単に連携することができます。単なるバックアップに止まらず、クラウドを活用したデータの二次利用が簡単に行えるようになり、DXに向けたデータ利活用の幅を広げます。

図3 UVM for cloud

日立独自のストレージ仮想化機能で、オンプレミスのボリュームをAmazon S3へセキュアにバックアップ。AWS上の多種多様なサービスと簡単に連携できる

もう1つのVSS Block on cloudはどのようなソリューションなのでしょうか。

内山氏:VSS Block on cloudは、ソフトウエア・デファインド・ストレージであるVSS BlockをAWSなどのクラウド上で使えるようにするソリューションです。企業システムのクラウドネイティブ構築を容易かつスピーディーに実現します。
どちらのソリューションも、AWSと一緒に検証・評価を行った上で提供させていただくため、お客様には安心してお使いいただけると考えています。UVM for cloudは既に提供を開始しており、VSS Block on cloudは2022年度中にリリースする予定です。

図4 VSS Block on cloud

ソフトウエア・デファインド・ストレージをAWS上で活用。企業システムのクラウドネイティブ構築を容易化・迅速化することが可能だ

新ソリューションのユースケースとは

ソリューションのユースケースとして、どのようなものが考えられますか。

内山氏:UVM for cloudには大きく2つの使い方があります。1つはオンプレミスでシステムを構築されているお客様が、災害対策のためデータを遠隔地にバックアップしておくディザスタリカバリに近い環境をクラウドで実現するものです。
もう1つが、先に触れたバックアップデータの有効活用です。通常、バックアップ用途だけではビジネスに直結しないシステムコストが発生しますが、バックアップデータをAWS上に置くことで、AWSの多様なサービスと連携した二次利用がしやすくなり、投資対効果が大幅に高まります。リアルデータを使ったデータ分析、システム開発やテストが容易に行え、開発したシステムをAWS上から直ちに本番移行させることもできます。

元永氏:UVM for cloudは、データレイクとしても非常に有効だと思います。企業には基幹系のSoRデータ以外にも、メール、Web、SNS、グループウエアなどのSoEデータが膨大に眠っています。これらをUVM for cloud を使って容量無限大のAWS上に集約すれば、社内の各部門が横断的にデータを活用できるデータレイクとなります

内山氏:そういった活用法もぜひ訴求していきたいですね。もう1つのソリューションVSS Block on cloud は、クラウドファーストのお客様に対して、日立が長年培ってきたストレージ仮想化技術の信頼性と可用性をクラウド上で提供するもので、クラウドだけで完結したシステム構築と業務データのセキュアな利活用を支援するものとなります。また、クラウドとオンプレとの間で、より高度にデータを連携し、安心・安全に活用することも可能になります。

AWSと日立の協創が革新的なソリューションにつながる

企業のハイブリッドクラウドやクラウド活用の支援に向けて、今後両社はどのような施策を推進していくお考えでしょうか

元永氏:Amazonは“Working Backwards”つまり「お客様を起点に考える」ことを常に念頭に置いてサービスを提供しています。今回の日立との協創もこの手法に則ったもので、お客様が本当に望むものは何かを一緒に考え、お客様のDXやイノベーションを加速させる新しいハイブリッドクラウドサービスの提供につながりました。
一般的な企業はもちろん、金融系や官公庁などミッションクリティカルなシステムを稼働させているお客様も、クラウドやハイブリッドクラウドを活用した高品質・高可用なデータ基盤に非常に期待を寄せられています。そうしたご要望に応えるソリューションを今後も日立と一緒にリリースしていきたいと思います。

内山氏:AWSはグローバルマーケットの中で、様々なお客様のご要望に素早く対応するアジリティと創造性、イノベーションで大きな強みを持っていらっしゃいます。一方、日立もミッションクリティカルなお客様に鍛えられた信頼性と多様性をコアとして持っています。この両社の協創で、今後も今までになかったようなユースケースに対するシナリオを提示できるのではないかと考えています。世界が大きく変わろうとしている中、これからもお客様ニーズにミートする革新的なソリューションやサービスを提供できるよう、AWSとのパートナーシップを、より強化していきたいと考えています。

AWS-日立共同プロモ対談

※本内容は日経xTECHに掲載された内容を一部転載しております。

EverFlex from Hitachiについて

DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める上で欠かせない、クラウドの活用。
変化への即応力、データセキュリティ、構築・運用の低コスト化など、企業が求める多様な要件をすべて満たせるクラウド移行は数多くありません。
これらをクリアするために有効なアプローチが、オンプレミスとクラウドを適材適所で活用する「ハイブリッドクラウド」です。
安心・安全なデータ基盤で支える日立のハイブリッドクラウドソリューション EverFlex from Hitachi。As a Service型クラウドソリューションやデジタルITインフラ製品・サービスを適切に組み合わせ、環境配慮への取り組みをより一層強化し、お客さまのDXを加速させます。