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コラム・インタビュー

ドライバー自身も気づけない「漫然運転」と
生体情報のAI分析による「事故ゼロ」に向けた取り組み

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により人々の生活が変化したことで物流需要が増加し、物流業界が抱える課題を改めて浮き彫りにしました。

物流需要の増加によってトラックのドライバーに掛かる負担は大きくなるばかりですが、それでも維持しなければいけないのが「安全」です。株式会社日立物流(以下、日立物流)は、真摯な検証と研究を重ねることでドライバーの安全管理を積極的に推し進め、安全運行管理ソリューション「SSCV-Safety」を開発しました。一方で、株式会社日立製作所(以下、日立)は従来より、先進のデジタル技術を活用した「Hitachi Digital Solution for Logistics」を基盤とし、コスト削減や業務効率化といった物流業界の課題解決に向けたサービスを提供しています。2021年4月からは、Hitachi Digital Solution for LogisticsにSSCV-Safetyを加えることで、さらにサービスの拡充を図ります。このコラムでは、SSCV-Safetyの開発に向けた背景と画期的な取り組みについて紹介します。

「SSCV-Safety on HDSL」の概要

1.物流業界の課題解決をトータルにサポート

近年の物流業界のさまざまな課題

物流業界では消費者ニーズの多様化やeコマースの需要拡大により小口の輸配送が著しく増加しており、ドライバーを定着させるための労働環境の整備や運転品質向上につながる安全管理の強化が喫緊の課題です。こうした背景の下、日立物流は最も重要な「安全管理」「安全対策」の見える化から着手しました。

「事故ゼロ」をめざした取り組み

日立物流では物流を止めず維持・発展させていくため、「輸送に関わるすべての人を支える」をコンセプトに関係する企業やパートナーと連携した課題解決をめざしてきました。その中で誕生したのが、輸送デジタルプラットフォーム「SSCV(Smart & Safety Connected Vehicle)」です。
SSCVは、「SSCV-Smart(効率化)」「SSCV-Safety(安全)」「SSCV- Vehicle(車両管理)」の3つのソリューションで構成されています。その中核機能であるSSCV-Safetyは、日立物流グループ内における「事故ゼロ」をめざし、ドライバーの疲労度に着目した安全運行管理ソリューションです。

2016年からドライバーの生体情報や運行記録、「ヒヤリ・ハット(ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な状態)など」と事故との相関性に着目し、2017年からは自社内でシステム開発を開始しました。さらに2018年には、日立と日立キャピタル株式会社(以下、日立キャピタル)も加わり、独立行政法人理化学研究所、大阪市立大学とともに、産・官・学連携の共同研究を行ってきました。以降では、「事故ゼロ」に向けたSSCV-Safetyの開発経緯を詳しくご紹介します。

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