※「株式会社リクルート キーマンズネット2007/09/25より転載」
統合システム運用管理 JP1 Version 8(ITIL(R)サービスデスク)![]() 日立製作所 |
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![]() ![]() 掲載日:2007/09/25 更新日:2007/10/15 |
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ITIL(R)のサービスサポート分野を統合的にカバー
内部統制の強化を支える柱の1つとしてIT統制の重要性が広く認識され、同時にITIL(R)への注目度も上がっている。これに応えて、ITIL(R)に基づくシステム運用を支援する幅広い製品を提供しているのが、日立の統合システム運用管理「JP1」である。その中でITIL(R)のサービスサポート分野を統合的にカバーするのが、JP1/Integrated Management - Service Support(以下JP1/IM - SS)だ。ITIL(R)サービスデスクの機能を提供でき、インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理など、運用上必要となる作業の情報を一元管理し、運用管理業務の効率化と統制強化を支援する。
システム運用担当のNORIさんが勤務する会社でも、IT運用プロセスの統制強化を重点課題にしている。そこでNORIさんはJP1/IM - SSに興味を持ち、説明を聞きに行った。
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プロセス統制 |
JP1でITIL(R)サービスデスクが構築できる! |
JP1は、ITIL(R)対応の一環としてITIL(R)サービスデスク製品JP1/IM - SSを提供し、人手による作業を含めての運用プロセスの統制により、高品質な運用を実現する。
ITIL(R)サービスデスクの機能として求められるのは、単なる問い合わせ窓口ではなく、ITIL(R)のサービスサポート分野での各プロセス(インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理)の案件を一元的に管理する機能である。それは、“正しい権限でルールに沿った正しい運用管理業務を行う”ためのキーとなる重要な機能と言える。
従来ITIL(R)サービスデスクを構築するには、まず企業ごとの運用プロセスを設計するためのコンサルティングが必要であり、大掛かりなシステム開発も必要だった。これに対してJP1/IM - SSは、各プロセスに日立の運用ノウハウを組み込んだ作業管理テンプレートを標準提供し、ワンコンポーネントで十分な機能を簡単に実現できるサービスデスク製品となっている。
一元管理 |
案件の引き継ぎと進捗管理がしっかりできる! |
■案件の一覧表示
JP1/IM - SSは、任意のプロセスで案件を作成でき、インシデント管理からリリース管理までの登録案件をシステム単位で分類して管理する。各システムのプロセスごとの案件一覧が表示でき、現在の進捗状況がひと目で把握できるとともに、同じ画面で個別案件の詳細も確認できる。
■エスカレーション機能
エスカレーション機能を利用すれば、例えばインシデント管理で作成した案件を元に、調査が必要なものは問題管理の案件を、システム構成要素の変更が必要なものは変更管理の案件を作成できる。つまり、別管理の担当者への作業引き継ぎ依頼である。エスカレーション先の担当者にはメールが送信され、作業漏れを防止する。
また、エスカレーション機能で作成された案件の関係は自動で記録され、関連案件状態画面で以降の状態の詳細が確認できる。
情報共有 |
過去に起きた類似問題を参照してすばやく手が打てる! |
■案件の履歴表示
案件ごとの編集履歴を表示でき、案件の情報を誰がどのように変更したかを確認することができる。エスカレーション機能で作成した他プロセスの案件の編集状態も、すべて一覧画面でトレースすることが可能だ。
■類似事例の検索
作成されたインシデントなどの案件とその作業記録はすべてサービスサポートDBで管理される。そこから過去に類似事例がないか検索し、それを手がかりに迅速な問題解決や回答ができる。検索方法はキーワード、発生日(期間)、選択項目(担当者や優先度)など多様な絞り込みが可能で、異なるプロセスの異なる案件フォームにまたがって検索できる。既に実績のある対処方法を共有することで、調査時間を短縮することができ、経験の浅い担当者の作業内容のレベルアップもはかれる。
権限設定 |
これならルールに沿って正しい運用業務を進められる! |
■ロールと権限の設定
担当者が不在のために案件の進捗が遅れることがある。案件の沈み込みである。これを避けるためにJP1/IM - SSでは、オペレータ、専門技術者、管理者といったユーザが属する作業グループごとに、「ロール」と呼ぶグループを作成する。作業の割り当てやメール通知先にこの「ロール」を指定できるため、作業の分担を支援し、沈み込みを防止できる。
案件の参照・編集・承認などの権限の割り当てと管理は、ユーザやロール単位で行うことができ、また、詳細設定により、案件のフェーズ(受付、調査、審査等)ごとに編集できるユーザまたはロールを設定できる。
これにより、正しい権限により適正に作業を行うための統制と、運用業務の効率化が実現できる。
強化機能 1 |
どのシステム、どのプロセスに問題があるかもわかる! |
JP1/IM - SSは2007年9月に、ユーザの声を取り入れ、案件管理GUI・統計レポート機能の強化を行っている。
1つは案件の状況確認機能に関するもので、自分の権限に応じて、システム全体の案件、または自分が管理するシステムの案件などの状況をひと目で把握できるようになった。
システム全体を見渡して、作業中の案件、解決が長期化している案件、優先度の高い案件などがわかり、問題のあるシステムや問題のあるプロセスを容易に特定できる。前週、前月との件数比較も可能だ。コスト管理にも利用できる。
強化機能 2 |
この運用レポートなら部長もすぐ納得、わかりやすい! |
もう1つの機能強化は、集計データの統計レポート出力である。
システム運用部門の担当者は、部門長や経営層に対して運用状況を報告する必要があるはずだが、提出する運用レポートはなかなか理解され難いのではないだろうか?
そこでJP1/IM - SSでは、各種の集計情報をMicrosoft Excelのマクロ機能を使用した統計レポートのサンプル提供により、わかりやすい運用レポートの作成や、サービスデスクのKPI(重要な業績評価の指標)の数値化を容易にした。KPIの項目としては、1次サポート解決率、インシデント解決までの平均所要時間などの10項目が標準で提供されている。
以前の運用状況と比べて改善されているのか、問題はどこにあるのかなどが、目で見て分かるような運用レポートが作成できるようになった。
プロセス改善 |
問い合わせ対応システムを一新し、問題管理プロセスの実現に成功 |
■流通業中堅A社での、問い合わせ対応システムへの導入事例
<導入前の課題>
●課題
・各担当者は受付→エスカレーション→解決までをひとりで管理し、記録ファイルは自分のPCに格納。
・そのため担当者間では、どのようなインシデントが登録されているか把握できない。
・担当者間でスキルに差があった。
・管理者も、案件数の把握だけで、内容や対応状況は把握していなかった。
●実際に起こっていた問題点
(1)問い合わせシステムに、システムの警告アラームやユーザからの問い合わせが増加し、業務も増えたが、
その理由は不明のまま。
▲状況管理ができていない。
(2)担当者が解決できない問題はシステム保守部門にエスカレーションしているが、同様の問い合わせが多い
とクレームが上がった。
▲ナレッジの共有化ができていない。
(3)顧客より担当者不在時に問い合わせがあったが、状況を回答できる者がいなかった。
▲案件の情報共有化ができていない。
(4)問題解決のためにシステム変更作業を実施したが、問い合わせは減らなかった。
▲不要な修正。問題管理プロセスの不備。
▼▼ そこで、JP1/IM - SSを導入してプロセス改善を実現 ▼▼
<導入により備わった機能>
JP1/IM - SSによるインシデントの登録と、作業状況の記録、情報の共有化により、
●今、どのようなインシデントが登録されているか(案件の一覧表示機能)
●沈みこんでいるインシデントはないか(案件の履歴管理機能)
●早急に対応しないといけないインシデントはないか(案件の状況確認機能)
●過去に似た問題はなかったか(類似事例の検索機能)
など、迅速かつ確実なインシデントの解決を支援する機能とプロセスが整った。
<導入後の効果>
インシデントの傾向を問題分野、要因の内訳などから分析できるため、
●システムの問題の所在
●その根本的な原因
●最優先に解決すべき問題
が把握できるようになり、プロアクティブな運用管理が可能になった。
簡単導入、低コスト、国産製品であることでも注目されている
以上のように、JPI/IM - SSは、ITIL(R)のサービスサポート分野で行われる運用業務を統合して管理、統制できる製品である。JP1/IM - SSを導入するだけでサービスデスク構築が可能であり、実はコストの面でも競争力を発揮する。また、従来海外製品が主流だったサービスデスク製品の中で、数少ない国産製品であることが使いやすさやサポート面で期待に応える結果になっている。
■顧客満足度調査第1位
日立はJP1により、日経BP社の第12回顧客満足度調査 統合運用管理ツール部門1位を獲得している(日経コンピュータ2007年8月20日号)。
■ISO/IEC 15408取得
JP1の基盤製品であるJP1/Base 認証サーバ 08-10(Windows版)は、ISO/IEC 15408*の適合製品として認証を取得している(EAL2*+ALC_FLR.1)。
*ISO/IEC15408:情報技術セキュリティの視点から、製品やシステムが適切に設計され、その設計が正しく実装されていることを評価する国際標準規格。
*EAL2:Evaluation Assurance Level 2
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