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Hitachi
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  • POWER6®プロセッサは、POWER5™プロセッサの2倍以上(最大5.0GHz)に高めた動作周波数とSMT(Simultaneous Multi Threading)の効率向上、メモリ・キャッシュ系アーキテクチャの大幅改善により、従来モデル比最大約1.7倍以上のトランザクション処理性能を実現しています。
  • POEWR6®プロセッサは、新たに十進浮動小数演算器を搭載し、十進浮動小数点演算の性能を向上しています。
  • POWER6®プロセッサは、新たにプロセッサ障害発生時のリトライ・リカバリ機能などメインフレーム並みの高信頼化技術を導入し、信頼性の向上を図りました。
  • 従来よりサポートしているマイクロパーティショニング機能、キャパシティオンデマンド機能などのハードウェア資源仮想化機能はそのまま継承するとともに、今後新しい仮想化技術の採用も計画しております。これにより、システムリソースの有効活用とビジネス規模の変化に合わせた迅速かつ柔軟な対応を実現します。

POWER®プロセッサのロードマップ

POWER®プロセッサは定期的に開発がされており、常に最先端の機能および性能を提供しています。

画像:POWERプロセッサのロードマップ

* プロセステクノロジー

POWER®プロセッサの構造

POWER6®プロセッサは大容量のL2キャッシュをCoreごとに実装しており、メモリレイテンシを低減しています。

画像による説明:Power4チップ、Power5チップ、Power6チップの構造

プロセッサ障害を回避する命令リトライ・リカバリ機能

POWER6®プロセッサでは、従来までのRAS機能をさらに強化するために、プロセッサの命令リトライ・リカバリ機能を搭載しています。
従来のRAS機能でも、ECCやパリティなどでデータ保護はされておりましたが、データが訂正不能壊れなどの状態に陥ったり、ハードウェアが故障してしまった場合にはOSやアプリケーションの停止を余儀なくされていました。
これに対し、POWER6®ではプロセッサごとに「リカバリユニット」を実装して、常にプロセッサの内部動作状態を保存・監視しています。
このユニットを使って、障害が発生してもシステムはプロセッサの内部状態を障害が発生する前に戻して動作を続行しようとします。この結果、一時的な障害のほとんどはこれで回避することができます。これが命令リトライ・リカバリ機能です。
また、この機能では、宇宙線などによるビット反転の結果発生するECCエラーやパリティエラーなどの障害だけではなく、プロセッサの内部状態そのものも監視しているため、以前のPOWER®プロセッサよりもより幅広い種類の障害情報からも速やかに回復することができます。
しかし、もし本当にプロセッサに故障が発生している場合には、上記の処理をおこなっても、同じエラーがそのつど記録されるだけで回復にまでは至りません。そこで、障害が再発する場合には、システムはプロセッサのハードウェア自体に問題があると判断し、当該プロセッサの割り当てと構成を解除し、システム内の別プロセッサと交換して動作を続行させようとします。
このプロセッサ交換処理は、プロセッサのリカバリユニットの情報を使って障害プロセッサの内部状態や命令ストリームを自動的にコピーした後に続行するため、ユーザがこの処理を意識する必要はありません。
交換対象のプロセッサは、以下の順位で選択され、ユーザのシステム運用に極力影響を与えないように設計されています。

  1. アクティベーションがなされていないスペアプロセッサ
  2. パーティションに割り付けられていない未使用のプロセッサ
  3. ユーザがあらかじめ指定したパーティションから移動されたプロセッサ

この機能の有効性を検証するため、実際に、陽子ビーム発生器を使用して標準的なアプリケーションでシステムが通常認識するものよりもはるかに強力な高エネルギー陽子をPOWER6®チップに注入するテストがおこなわれました。
その結果、POWER6®マイクロプロセッサには、オープン・システムとしてソフト・エラーに関して業界最先端最高水準の頑強性があることが確認されています。

十進浮動小数点演算器を搭載

POEWR6®プロセッサでは新たに十進浮動小数演算器を搭載し、十進浮動小数点演算を高速化します。これにより、1円未満の金利計算といった誤差の許されない小数の演算を正確、かつ、高速に実現することができるようになりました。
コンピュータで小数を扱うためには、実質的に浮動小数点形式を使用する必要があります。一般にコンピュータでは二進浮動小数点形式が使用されており、多くのプロセッサに浮動小数点演算器が搭載され、高速に二進浮動小数点演算を実行可能です。しかし、二進浮動小数点形式では、十進小数を正確に表現できない場合があります。コンピュータ内部ではこれらの数字は、有限の桁に丸めてしまうため、二進浮動小数点形式を使用すると、演算結果に誤差が発生する可能性があります(下図参照)。
そこで誤差の許されない小数演算には、二進−十進変換が必要ない十進浮動小数が使用されてきました。従来、十進浮動小数点演算はソフトウェアでエミュレートしていたため、演算速度を向上させることが困難でした。POWER6プロセッサでは、IEEE754に準拠した十進浮動小数点演算器を搭載し、十進浮動小数点演算の高速化を実現します。

画像による説明:十進数、二進数

相対性能

画像:相対性能を比較したグラフ

*1 640 model B80 1Coer時の性能を1.0とした時の相対性能を示す。

SPEC CPU2006

同一Core数での整数演算性能および浮動小数点演算性能。

画像:演算性能を比較したグラフ

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