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空調事業合弁会社の資本再編を完了し、One Hitachiでグリーンクーリングソリューションの展開を加速
日立グローバルライフソリューションズ株式会社
株式会社日立製作所(以下、日立)の子会社である日立グローバルライフソリューションズ株式会社(以下、日立GLS)は、2024年7月23日に締結した契約*1に基づき、本日*2、日立GLSおよびJohnson Controls International plc(以下、JCI)との空調事業合弁会社であるJohnson Controls-Hitachi Air Conditioning Holding (UK) Ltd (以下、JCH)の全株式のRobert Bosch GmbH(以下、ボッシュ)への譲渡*3と、JCHの業務用空調機器の開発・製造拠点である清水事業所の取得*4が完了した事をお知らせします。
日立GLSは今後、ボッシュのHVAC*5事業会社であるBosch Home Comfort Group(以下、Bosch HC)を通じて、日立ブランドの空調機器のグローバル展開を強化します。また、日立グループは、清水事業所が培ってきたドメインナレッジを生かし、空調機器のインストールベースにAIやデジタル技術を掛け合わせた「Lumada 3.0」のグリーンクーリングソリューションをOne Hitachiで創出し、グリーンビルディングやデータセンターなどの成長市場に展開します。これにより、新経営計画「Inspire 2027」でめざす、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。
日立グループとしての狙い
1. 日立ブランドの空調機器のグローバル展開強化、ボッシュとの協創拡大
日立GLSは、Bosch HCへのブランドライセンス契約を通じて、ボッシュが持つ欧州を中心とした豊富なフットプリントに加え、競争力の高い日立ブランドの空調機器を米国やアジアでの住宅や小規模商業施設向けのHVAC市場に拡大し、グローバル展開を強化します。さらに、プロダクトにLumadaソリューションを導入することで、ボッシュとの協創を拡大します。
2. 成長市場におけるOne Hitachiでのグリーンクーリングソリューションの展開を加速
日立GLSは、高い技術力を持つ清水事業所の取得により、日本国内における業務用空調事業の開発・製造から販売・保守サービスを一体化し、市場ニーズに即した競争力の高い製品を開発します。また、空調機器のインストールベースのデータとAIで空調機器の安定稼働を実現する「exiida*6」などのLumadaソリューションをさらに強化していきます。
これらにより、日立グループは、豊富なミッションクリティカルプロダクトのインストールベースと、AIを活用したデジタルサービスを組み合わせたグリーンクーリングソリューションを、グリーンビルディングやバイオ医薬・食品・半導体などの製造施設といった産業分野の成長市場に「HMAX for Industry」のユースケースとして展開します。また、戦略SIB*7ビジネスユニットが戦略事業領域と定めるデータセンターにおいても、空調・冷却技術を含めたOne Hitachiでのトータルソリューションの提供を加速します。
なお、日本国内向けの家庭用ルームエアコン「白くまくん*8」は、今後も多くの皆さまに引き続きご愛顧いただけるよう、Bosch HCの傘下となったJCH栃木事業所*9などが開発・製造し、日立GLSが販売・保守サービスを引き続き担います。
また、日立GLSが40%保有するJCH株式の譲渡価格は約14.6億ドル(約2,110億円*10)となり、日立は2026年3月期の連結決算におけるその他の収益等として、事業再編等利益等約1,540億円を計上する予定です。最終的な売却の対価は別途調整の後決定されます。日立は、本株式譲渡で得られる資金を成長投資や株主還元の原資として活用し、資本効率の向上を実現することで、企業価値のさらなる向上に努めていきます。
日立 執行役副社長 コネクティブインダストリーズ事業責任者 ブリス・コッホのコメント
日立グループの空調事業のさらなる成長に向けた資本再編を完了することができ、大変うれしく思います。
現在、日立は新経営計画「Inspire 2027」において、社会やお客さまの課題を解決する社会イノベーション事業を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献することをめざしています。
今後、業務用空調も含めた豊富なミッションクリティカルプロダクトのインストールベースとAIを活用した「HMAX for Industry」をOne Hitachiで展開することで、「Lumada 3.0」を体現するデジタルサービスを拡大させ、グローバルでの事業成長を実現していきます。
日立 執行役専務 コネクティブインダストリーズセクターCOO兼アーバンシステムビジネスユニットCEO 網谷 憲晴のコメント
ビルシステム事業と空調事業の連携を強化し、グリーンデータセンターや、極めて高い空気の質が求められるバイオ医薬、そして食品や半導体などの製造施設など、グリーン&クーリングの価値をミッションクリティカル領域に拡大し、さらなる成長を実現します。
日立が有するIT、OT(制御・運用技術)、プロダクトの強みを生かし、そして空調IoTソリューション「exiida」を含めたビルIoTソリューション「BuilMirai*11」で価値を拡大、One Hitachiによるグリーン&クーリングソリューションの展開を加速します。
これらを通じて、「人・ビル・社会」に新たな価値を提供し、ハーモナイズドソサエティの実現に貢献していきます。
日立GLS 取締役社長 大隅 英貴のコメント
今後、清水事業所の仲間とともに新たな日立GLSとして、さまざまなチャレンジを通じて持続的成長をめざすことに心を躍らせています。
ボッシュと日立GLSは、今後、強固なパートナーシップにより、日立ブランドの空調機器のグローバル展開を強化します。
また、事業体制を一新した日本国内の業務用空調事業は、市場ニーズに即した付加価値の高いソリューションを提供することで、環境負荷の低減とエネルギー効率の向上を両立させ、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
今般の資本再編完了に際し、関係するすべての方々に深く感謝いたします。
- *1
- 2024年7月23日発表のニュースリリース「空調事業合弁会社の資本再編について」を参照。
- *2
- 米国東部時間および中央ヨーロッパ時間では7月31日。
- *3
- 日立GLSが40%、JCIが60%保有するJCH株式をすべてボッシュに譲渡し、ボッシュはJCH株式を100%保有。
- *4
- JCHの日本法人である日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社が2025年4月1日付で、会社分割により清水事業所の事業を移管した「日立空調清水株式会社」の全株式を日立GLSが取得。「日立空調清水株式会社」は今秋に日立GLSに吸収合併する予定。
- *5
- HVAC: Heating, Ventilation, Air Conditioningの略称であり、暖房・換気・空調をさす。
- *6
- 「exiida」は日立GLSの日本における登録商標です。
- *7
- Social Innovation Business
- *8
- 「白くまくん」は、日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社の日本国内における登録商標です。
- *9
- JCHの日本法人である日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社の栃木事業所。同社は今後社名を変更する予定。
- *10
- 1ドル=144円で計算。
- *11
- 「BuilMirai」は日立の登録商標です。
日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。
日立グローバルライフソリューションズについて
日立グローバルライフソリューションズは、パーパスとして「ひとりひとりに、笑顔のある暮らしを。人と社会にやさしい明日を。私たちは、未来をひらくイノベーションで世界中にハピネスをお届けします。」を掲げています。家電品、空調機器、設備機器や、エンジニアリング・保守サービスを提供するとともに、フットプリントとプロダクトのデータから価値を創出するLumada 事業に注力し、ワークトランスフォーメーションおよびグリーントランスフォーメーションの実現にOne Hitachi で貢献していきます。