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(本件は、スイス・チューリッヒにおいて、
11月12日9:00(日本時間17:00)に発表しました。)
日立エナジーがエネルギー分野の投資の予見性向上を支援する「ノストラダムスAI」の提供を開始
- 電力需要、電力市場価格、再生可能エネルギー発電量に関する高精度の予測データを提供
- お客さまのデータを取り込むことで固有の予測データを提供し、エネルギーポートフォリオ戦略の効果的な管理と、十分な情報に基づく迅速な意思決定を支援
- 統合・拡張が容易なクラウドソリューションにより、将来の予測ニーズの拡大に柔軟に対応
日立エナジーは、AIを活用したエネルギー関連情報予測ソリューション「ノストラダムスAI*1」の提供を開始します。ノストラダムスAIは、当社のエネルギー分野の深い専門知識と、30年にわたって蓄積した広範なエネルギー市場データを活用して開発したもので、電力会社や送配電事業者、発電事業者、トレーダーに高精度の予測データを提供します。
ノストラダムスAIは、エネルギー分野向けに設計されたAI予測ソリューションです。ある送配電事業者のテストによると、ノストラダムスAIによる予測は、同事業者の従来の予測手法と比較し、20%以上高精度でした。また本ソリューションは、お客さまのエネルギー投資・トレーディング戦略・収益性を最適化するとともに、運用効率・資産計画の改善と、規制に対する透明性の確保にも貢献します。
電力網の進化にともない、データ量が急増しています。IEAによると、世界の風力タービンは年間4,000億以上のデータポイントを生成し、スマートメーターはアナログメーターと比較して数千倍のデータポイントを生成します*2。また、再生可能エネルギー発電がもたらす変動性により、エネルギー市場と電力網の安定性確保が課題になっています。さらに、電力需要は増加の一途を辿っており、企業はエネルギーの安定的な確保と脱炭素化目標の達成を両立することを求められています。こうしたことから、エネルギー転換に向けて市場と電力網の管理が必要なエネルギー業界では、大量かつ多様なデータを処理して、高い精度で予測データを生成できるAIに注目が集まっています。
日立エナジーのグリッドオートメーションビジネスユニット担当役員のマッシモ・ダニエリは、「先進的な予測は、エネルギーポートフォリオ戦略の効果的な管理に不可欠であり、オペレーターやアナリストの迅速な意思決定を支援します。当社は、エネルギー分野の広範な専門知識とデータサイエンスを活用し、電力網の進化に合わせて拡張可能なAIエンジンを開発しました。これにより、エネルギーデータを活用したお客さまの意思決定を支援し、収益性向上に貢献します。」と述べています。
エネルギー分野向けに設計されたAIソリューション
ノストラダムスAIは、エネルギー分野向けに設計されたソリューションであり、機械学習などのデータサイエンスに基づき、電力網データ、市場予測、高度な設備監視を組み合わせたものです。
本ソリューションは、投資家、オペレーター、事業開発者、トレーダーなどのお客さまが、自身で調整可能な予測分析ツールです。本ソリューションにはあらかじめ調整された予測モデルが実装されており、お客さまは、保有しているデータや第三者機関のデータ、任意のパラメータを入力することで、その条件に応じてカスタマイズされた電力需要、風力発電や太陽光発電の発電量、市場価格などの予測データを生成できます。回帰分析による取り扱いやすい予測データを提供し、お客さまの適切な意思決定を支援します。
クラウドネイティブで、特定のアルゴリズムに依存せず、柔軟に組み合わせ可能なアーキテクチャに基づくソリューション
ノストラダムスAIは、単一の予測から10万以上の予測まで容易に拡大できるクラウドネイティブのソリューションです。お客さまのニーズに応じて、単一の風力発電所・太陽光発電所から数千の発電所の発電量まで、幅広い予測データを生成できます。
また、ノストラダムスAIは特定のアルゴリズムに依存せず、最先端の複数のアルゴリズムやAIモデルを活用しています。柔軟に組み合わせ可能なアーキテクチャで構築されており、API*3により迅速かつ大規模な開発が可能で、お客さまのシステムとの連携が容易です。
- *3
- アプリケーションプログラミングインターフェース
チャーティス・リサーチのリサーチ・プリンシパルであるマリアム・アクラムは、「日立エナジーの新しいソリューションは、独自のAIエンジンによりお客さまのデータを統合します。広範な予測ツールやアプリケーション設計により、機械学習モデルをお客さま自身が活用できます。また、新ソリューションは、エネルギー分野の専門知識と効果的な機械学習を組み合わせることで、透明性を保ちつつ、予測データを生成します。」と述べています。
従来の予測モデルから改善
表計算ツールや一般用途向けAIを用いた従来の予測モデルは機能が限定されており、また、エネルギー分野に特化していませんでした。これらの予測モデルは労働集約型かつ高コストの手作業に依存しており、トレーダーやアナリストが意思決定を行うための膨大なデータを統合することができませんでした。また、設備のパフォーマンス予測、価格予測、リスク軽減の提案など、エネルギー分野における重要な情報を取り込む柔軟性にも欠けていました。
ノストラダムスAIは、AIと予測ソリューションを結び付け、拡張と成長が可能なプラットフォームを提供するために開発されました。
日立エナジーのグリッドオートメーションビジネスユニット・エンタープライズソフトウェアソリューションプロダクトグループのグローバルヘッドであるアンディ・ハウエルは、「AIと機械学習は世界を変えました。電力分野でのAIの活用は必然のものです。電力網の進化によって生成される膨大なデータを分析するためには、特別に設計された専用ツールが必要です。当社は、数十年にわたるエネルギー分野とデータサイエンスの経験に基づき、従来の予測モデルに代わるエネルギー分野向けのAIソリューションを開発しました。」と述べています。
単独ソリューションまたは統合予測エンジンとして機能
ノストラダムスAIは日立エナジーのエネルギーポートフォリオマネジメントソリューション*4の一つとして提供されていますが、予測エンジン単体としても、グリッドエッジソリューション*5や系統・発電管理ソリューション*6など、当社のさまざまなデジタルソリューションに統合可能です。
- *4
- エネルギーポートフォリオマネジメント | 日立エナジー
- *5
- グリッドエッジソリューション | 日立エナジー
- *6
- Grid and Generation Management | Hitachi Energy (英語サイト)
関連情報
日立エナジーについて
日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーです。お客さまやパートナーとの協創により、世界のエネルギーシステムを、より持続可能、より柔軟、より安心・安全なものにします。電力、産業、運輸、データセンター、インフラの各分野のお客さまにサービスを提供しており、140カ国以上の導入実績を有しています。合計150GW以上のHVDC連系線の電力網への連系など、革新的な技術とサービスでエネルギーバリューチェーンを効率化し、あらゆる人が電気を利用できるよう支援しています。また、分野や地域を越えたステークホルダーとのデジタルトランスフォーメーションにより、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換を加速します。スイスに本社を置き、90カ国に約45,000人の従業員を擁しており、約1兆8,000億円の事業規模を有しています。
日立エナジー関連情報
日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。