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導入事例:広島県

共同利用を見据えた広島県の「税業務支援システム」が稼働開始

[写真]広島県風景写真

自治体の財政状況が年々厳しくなる中で、開発・運用負担の大きい都道府県システムの共同利用や標準化に向けた期待が高まっています。そこで県を挙げてDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む広島県は、税務システム更改にあたり、将来の共同利用を見据えた新たな基盤を日立と共同開発。2019年9月から実稼働をスタートさせました。

先進的なDXに取り組む広島県

自治体業務のデジタル化と全体最適化に早くから取り組んできた広島県は、2010年から会議のペーパレス化やテレワークを積極的に導入。2019年7月にはDX推進本部を設置し、「仕事・暮らしのデジタル化」「地域社会のデジタル化」「行政のデジタル化」の3本柱で先進的なデジタル変革を推進中です。

[写真]広島県 総務局 税務課長 藤岡 勇二氏
広島県 総務局
税務課長
藤岡 勇二氏

その一環として、2019年9月に稼働した新たな税務システムは、当初から他の都道府県との共同利用を見据えた標準化アプリケーションとなっています。その構築の経緯を、総務局 税務課長 藤岡 勇二氏は次のように語ります。

「税務システムでは毎年のように、大規模なシステム改修をともなう税制改正があり、コスト的にも作業的にも大きな負担となっていました。2017年にシステム更改を検討する中で、庁内から複雑化した業務プロセスの見直しやシステム共同利用の提案があり、ハードルは高いものの、運用費や改修費の削減に大きな効果が期待できると考え、共同利用を要件に含めた調達入札を行ったのです」

[写真]広島県総務局総括監(情報戦略)桑原 義幸氏
広島県 総務局
総括監(情報戦略)
桑原 義幸氏

県全体のIT戦略をまとめる総務局総括監(情報戦略)桑原 義幸氏も「庁内システムの中でも税務は規模が大きく、共同利用が実現すればリターンも大きい。同じ悩みを持つ他の都道府県を巻き込むためにも、広島県がその先駆的な役割を担おうと考えました」と振り返ります。

共同利用を見据えた新たな税務システムが稼働

共同利用以外に、事務の効率化、システム機能の適正化、セキュリティ強化といった要件が挙げられた新システムの総合評価型競争入札で、SIパートナーに選ばれたのが日立です。その選定理由を藤岡氏は「開発体制、システムの信頼性、共同利用に関する具体的な提案も含め、日立さんが最も優れていました」と語ります。

日立は、既存の業務プロセスやシステム機能の課題を税務課と一緒に整理・検討した上で、同じ悩みを持つ他団体へのヒアリング結果と他県導入時のノウハウも加え、共同利用を見据えたベースシステムと、広島県固有の機能を分離した税業務アプリケーションを構築。LGWAN経由でシステムリソースと運用をデータセンターに集約したよりセキュアなWebシステムとして、2019年9月に予定通りカットオーバーしました。

[写真]広島県 税務課 税務システム担当監 坂本 巧氏
広島県 税務課
税務システム担当監
坂本 巧氏

税務課 税務システム担当監 坂本 巧氏は、「日立さんから提案のあった資産流用型のスクラッチ開発を適用したため、C/S型からWeb型への移行で操作性はやや変化したものの、職員が感じる違和感は最低限に抑えることができました。逆に納税者の検索が従来のカナから漢字で行えるようになったほか、照会専用画面を別ウインドウで立ち上げながら入力できるようになるなど、機能的に向上した部分も多く、好評です。また、バッチ処理が高速化し、運用面でもジョブ自動化の推進が図られるなど、期待どおりの成果が得られたと考えています」と語ります。稼働から約1年が経過した現在も、システムトラブルはほとんどなく、安定的な品質で利用されています。

「税業務全体としてあるべき姿」を追求

広島県で稼働中の税業務支援システム(日立製品名)は、他の都道府県との共同利用を見据え、標準機能だけでも使えることをめざして開発されました。一方で自治体ごとに差異が出やすい部分に対しても、考慮されています。例えば、指定金融機関との連携や庁内連携など、各自治体独自のインタフェースについては、カスタマイズが必要になるケースがほとんどですが、外部連携を意識した設計によりシステムへの影響を最小限にすることができます。また、画面については自動生成ソフトの活用や、帳票に業界標準のソフトウェアを採用するなど、少ない工数で対応できるような工夫が盛り込まれています。バッチ機能も搭載しており処理性能も高いため、人口規模の大小に依存せず幅広い都道府県で利用することが可能です。

広島県と日立は税業務支援システムの開発と並行して、他の都道府県と税制改正や機能改善に向けた勉強会を何度も開催してきました。共同利用に向けたアプリケーションのさらなる標準化と、「税業務全体としてあるべき姿」を念頭に置いたトータルソリューションの提供を追求していくためです。

藤岡氏は「今後も税制改正は引き続き多くあるでしょうし、国が主導した事務の電子化も進められていきます。日立さんと一緒に作ったシステムが、より多くの団体に採用されれば、案分効果による改修・運用コストの低減に加え、知見を集めた仕様調整でも職員の負担を軽減することができます。まだまだ乗り越えるべき課題は少なくありませんが、広島県としても積極的に日立さんと一緒に仲間を増やしていきたいですね」と将来を見据えます。

桑原氏も「広島県にとっては、まだ前例のない税務システムの共同利用が、これからの大きなチャレンジです。そのため今後は各団体が持つ具体的な課題抽出やロードマップづくりなどに力を入れていきますが、そこでも日立さんの協力は欠かせません。これからも力を合わせて共同利用を実現していきます」と力を込めます。

その期待に応えるため、これからも日立は広島県とともに、税業務の有識者を結集したノウハウの集約や標準化、参加検討団体向けの勉強会の開催などを積極的に行いながら、税業務支援システムの共同利用を推進していきます。

[写真]広島県 職員のみなさん

[お客さまプロフィール]広島県

[所在地] 広島県広島市中区基町10-52
[人口] 2,800,308人(2020年5月1日現在)
[世帯数] 964,436世帯(2020年3月1日現在)
[職員数] 26,290人(2020年4月1日現在)

特記事項

  • 2020年8月1日 株式会社 日立製作所 ICT事業統括本部発行情報誌「はいたっく」(株式会社 日立ドキュメントソリューションズ印刷)掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、すべてのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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