Lumadaを活用した製作業務分析(IT推進部×製造部)
モノづくり業務において、計画より作業が遅延する課題に対して、IoTプラットフォーム「Lumada」のデータ分析環境を利用して製作業務分析を行いました。具体的には@IoTセンサの配置、A機械学習による作業分類、B統計データ分析によるクリティカルデータの抽出によって、毎週の加工状況をダッシュボードで可視化しました。これによって機械が稼働していない無駄時間を削減し、生産リードタイムの短縮に寄与しました。
グリーンエナジー&モビリティセクターのIT部門、通称IT推進部ではエネルギー事業に携わるさまざまな社内のニーズや課題に対してITを活用した解決策をデザインし、グリーンエナジー&モビリティセクターの従業員が最大限の力を発揮できる環境を構築・実装します。例えば、ITを活用した事業経営強化や業務合理化活動、情報セキュリティリスク対策による安全な職場環境づくり、働き方改革による従業員のエンゲージメント向上活動を行っています。
日立グループは多くの人財をかかえるグローバル組織のため、グループ共通の課題からモノづくりを行う事業部門の個別ニーズまで存在し、課題やニーズの影響範囲は大小さまざまで多岐にわたります。そのため、日立グループのIT部門は多くの関連組織と接点を持ちながら、施策を推進していくことが必要不可欠です。IT推進部では日立グループ全体のITを統括しているITデジタル統括本部との共通施策の推進や、他のビジネスユニット(BU)との情報共有、グリーンエナジー&モビリティセクターのBUに属する各部門へのIT施策の企画および実行によって、エネルギー事業の成長を支えています。
IT推進部では主に以下の3分野を中心に活動しています。
・デジタルトランスフォーメーションの推進
企業が競争力を上げるには急速に変化する事業環境に対して適した業務プロセスを構築することが重要です。この業務領域でグリーンエナジー&モビリティセクターのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進します。例えば、営業支援ツールを導入し国内海外含めた顧客の一元管理をすることで、提案力・収益力を上げる活動を行っています。
ほかにもコロナ禍によって勤務形態の変化も求められてきており、コミュニケーションツールや活用ガイドラインを展開し、快適な在宅勤務環境を提供することで、従業員のモチベーションアップひいては生産性向上に寄与しています。
・業務システムの運用・保守・効率化推進
事業は営業、設計、調達、製造、品証、物流、据付といったバリューチェーンで構成され、それらの各業務でITシステムが存在します。業務を滞りなく遂行するためのITシステムの運用・保守を行いITの面でグリーンエナジー&モビリティセクターの事業継続に貢献しています。
ITシステムを運用・保守する一方で既存のITシステムの移行や集約、廃止などの改革活動も行っています。これによって業務の標準化による作業時間の短縮や、ITコストの削減に寄与します。
・情報セキュリティガバナンスの推進
情報セキュリティリスクとしては外部からの標的型サイバー攻撃や内部の人的ミスによる情報漏洩などが挙げられます。これらのリスクにより企業経営を毀損され、場合によっては事業継続が困難になる場合もあります。この業務領域でグリーンエナジー&モビリティセクターにおける各BUおよびグループ会社全体の規則や情報セキュリティ対策を統制しています。社内の情報セキュリティ規則に準拠した運営がされているかの情報セキュリティ監査の実施や、IoT(※1)やSaaS(※2)を使ったこれからの業務の仕組みに沿ったルールづくりを行います。また、BCP(※3)訓練を企画し社内の情報セキュリティインシデントに対する対応力を鍛える役割も担っています。このような活動によって、グリーンエナジー&モビリティセクターの事業継続に寄与しています。
※1 Internet of Things
※2 Software as a Service
※3 Business Continuity Planning
<ITコンサルタント/システムエンジニア>
グリーンエナジー&モビリティセクター社内IT分野では仕事内容で紹介した3つの業務領域を中心に社内の課題解決を行います。
・デジタルトランスフォーメーションの推進
・社内ITシステムの運用・保守・効率化推進
・情報セキュリティガバナンスの推進
<活かせるスキル>
IT推進部では、以下のようなスキルを活かすことができます。これらは業務を通してスキルアップしていきますので、今は身に付いていなくても問題ありません。一緒にスキルアップしていきましょう。
・コミュニケーション能力
プロジェクト活動では打ち合わせが頻繁に発生し、いろいろな部署の人と関わりを持ちます。関係者の意見を聞き、相手の意図(ニーズ)に合った提案を発信することで、円滑に業務を進めることができます。
・論理的思考
社内のニーズや課題に対して適切な解決策を出さないと望む効果は生まれません。フレームワークを活用し、因果関係の整理や課題の分類・細分化などを行うことで、効果的な施策を計画することができます。
・プロジェクトマネジメントスキル
仕事はチームで行うため全員が同じ目標を持ち、期限を守って活動しなければなりません。リスクマネジメントやスケジュール管理などを通して、チームのパフォーマンスを維持し、計画通りの成果を上げることができます。
・ITに関する基礎知識(Web開発、サーバ操作、データベース操作(SQL)など)
ITシステムのアップデートなどではバックグラウンドとなるIT知識を理解することで、より早く問題点や解決策を見つけることができます。
モノづくり業務において、計画より作業が遅延する課題に対して、IoTプラットフォーム「Lumada」のデータ分析環境を利用して製作業務分析を行いました。具体的には@IoTセンサの配置、A機械学習による作業分類、B統計データ分析によるクリティカルデータの抽出によって、毎週の加工状況をダッシュボードで可視化しました。これによって機械が稼働していない無駄時間を削減し、生産リードタイムの短縮に寄与しました。
コロナ禍によって在宅勤務が増える中、柔軟に働くことができる仕組みづくりを行っています。例えば、これまで出社が必要な紙ベースでの押印・署名業務に対して、クラウドサービスおよび社内回覧システムを活用することでペーパレスによるコスト削減および在宅で承認作業を可能にし、柔軟な働き方の実現に寄与しています。
世界的な重要課題であるネット・ゼロの実現を背景に、クリーンエネルギーとグリーンモビリティの市場は拡大しています。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大などのパンデミック対応や地政学的要因によるエネルギーセキュリティに対する意識の高まりなどにより、需要拡大基調が継続しています。
これからのお客様の需要に応えるために日立は事業再編を実行し、新たにグリーンエネルギー&モビリティセクターを設立し、今後もグリーンエネルギー&モビリティへの投資を継続することで、ダイナミックに変化する市場環境において事業を拡大していきます。
*日立統合報告書2022セクター別戦略 より引用