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「愛・地球博で紹介されたロボット「EMIEW(エミュー)」

インタラクション・デザインという考え方の行き着く先のひとつは、ロボットである。究極のインタラクティビティをもつのは「人」であり、その代替手段がロボットであるからだ。ソニーやホンダが先行している印象が強いロボット分野だが、日立も1960年代から開発に着手しており、70年代には積極的な投資も行っている。

アニメ『鉄腕アトム』の影響からか、ロボットと聞くと、人間と同様に動き、人間の代わりとして機能するヒューマノイドタイプをイメージしがちだが、より現実的なのは、機械のロボット化である。最先端の工場ではすでに導入されており、私たちの日常生活にもロボット技術は入り込んでいる。

例えば近年の自動車には、簡単に車庫入れができるようにセンサーと連動した運動機能が搭載されているが、これもロボットの一種である。ロボット掃除機はすでに市場に登場しており、このほかの家電にもロボット技術が搭載される可能性は高い。日立では、ヒューマノイド化の可能性も含めてロボット開発を進めてきたが、現在は、次なる方向を模索している段階にある。こうした中で今後の足がかりになると思われるのが、2005年の「愛・地球博」で紹介されたロボット「EMIEW (エミュー)」である。

この記事は2007年に刊行された『ソーシャル イノベーション デザイン〜日立デザインの挑戦』(日本経済新聞出版社)の一部を再編集したものです。


人間共生ロボット「EMIEW2」

EMIEWの開発にあたっては、研究者、エンジニア、デザイナーが協働し、これからのロボットのあり方の一端を示すような、新しい発想をもつロボットを提示したいと考えた。議論の中で挙がった言葉は、「日立らしく」「役に立ち」「価値を生む」といったものだった。

実際に役立つためには、人間の動きについてこられるスピードが不可欠であり、きめの細かい反応や動きも要求される。だが現代の技術力では、ロボットを歩かせることさえきわめて困難である。歩行型のロボットの多くは、一歩一歩、確かめるようにしか歩みを進めることができない。

そこで、EMIEWの開発にあたっては主流の歩行型ではなく、2輪で走行するロボットをつくることを選んだ。めざしたのは、人間と共生できるロボットである。デザイナーは、外観デザインはもちろん、より人が親しみを感じられるロボットとなるよう、目に見えない部分のデザインにも注力した。あえて子どもの声を選び、肉声と感じてしまうほど高品位で合成された声色をつくった。ちょっとした仕草に愛らしさを付加し、演技をつけた。

「愛・地球博」の展示では、人間に混じってEMIEWがきびきびと働く姿を、ショー形式のステージで見せた。将来、このロボットがどのようなシーンで活用されるかというイメージをふくらませつつ、エンターテインメントとしてのショーの表現に挑んだ。EMIEWの開発においても、次なる一歩をめざしたイノベーション・デザインの発想は生きている。

その後も日立では人と安全に共存できるサービスロボットの開発を進め、「EMIEW2」は2008年のグッドデザイン賞を受賞した。

この記事は2007年に刊行された『ソーシャル イノベーション デザイン〜日立デザインの挑戦』(日本経済新聞出版社)の一部を再編集したものです。

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