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指静脈認証ソリューション

指静脈認証編

【連載第3回】生体認証技術の適用分野

概要

社会情勢

世界情勢や社会生活の多様化に伴い、個人が危機にさらされる機会が増加しています。空港や公共施設でのテロ攻撃、自動車の盗難、偽造キャッシュカードによるATM不正使用、不正アクセスによる顧客情報流出などの危機から、個人の生命、財産、情報を守るためには、セキュリティ強化が必要となります。
安全の基本は本人確認です。偽造や盗難による不正使用の危険性が少なく、カギの携帯や暗証番号の記憶が不要で利便性が高い本人確認方式が社会から望まれるようになってきました。 こうした背景の中、今、生体認証に期待が集まっています。

図:セキュリティ強化が必要な分野
図3.1:セキュリティ強化が必要な分野

入退管理分野の状況

2001年9月11日の米国同時多発テロ以降、テロリストによるパスポートの不正使用を防止する観点から米国がビザ免除継続の要件として生体情報を採用したパスポートの導入を各国に求めてきました。
我が国はこれに対応して2006年から顔画像を搭載したIC旅券を発行しています。
このような動きに呼応して、公共施設や一般のオフィスでも入退室を厳密に行う機運が盛り上がり、生体認証による入退管理システムが普及し始めました。様々な生体認証がありますが、現在、我が国では静脈認証による入退管理システムのシェアが指紋認証によるものを超えてトップとなっています。

金融分野の状況

2000年頃までは、スキミング被害も少なく、ATMへの生体認証機能搭載は我が社では時期尚早論が主流でした。ところが、2003年からキャッシュカードのスキミング被害が急増し社会問題になり、本人確認法がこの年に施行されるようになり、様相は一変しました。
こうした状況に対応すべく大手銀行では早急に生体認証導入を計画し、指紋、虹彩、静脈などについて、社会的に受容される生体認証の選定に入りました。
その結果、静脈が選定され、2004年から2006年にかけて、日本郵政公社・メガバンクをはじめとする多くの金融機関で稼動が始まりました。

PC分野の状況

現在、不正アクセスによる顧客情報の流出や会社の機密情報を自宅に持ち帰り、ファイル交換ソフトによりインターネット上に流出させてしまう、情報漏えい事故が横行し、会社組織そのものが社会的糾弾を受けるケースが増えています。
2005年には個人情報保護法が施行され、セキュリティ強化策として、生体認証を導入する企業が増えてきました。
現在のところ、小型化、価格面で先行する指紋認証が優勢ですが、小型化の進む指静脈認証がダークホース的存在となっています。

自動車分野の状況

指紋でエンジンをスタートさせる自動車はありますが、静脈認証を搭載した自動車製品はまだ開発されていません。
現在自動車盗難防止装置としてイモビライザが普及していますが、次世代の盗難予防装置として指静脈認証は有望です。この技術はまた車の個人設定(ミラー調整、エアコン調整、シートポジション)などへも活用できます。

指静脈認証の適用分野

日立グループの指静脈認証の事業化状況

日立情報制御ソリューションズ(株)の入退管理システムとPCログイン装置、日立ソフトウェアエンジニアリング(株)のPCログイン装置と認証管理ソフト、日立オムロンターミナルソリューションズ(株)のATM及び窓口での本人認証と貸し金庫(入退室、金庫搬送)・鍵管理システム、(株)日立製作所のセキュリティPCとPCログイン装置など4つの事業所で、特色ある製品が事業化されています(図3.2)。

図3.2:指静脈認証技術の製品展開状況
図3.2:指静脈認証技術の製品展開状況

(株)日立情報制御ソリューションズ

日立情報制御ソリューションズ(株)は入退管理システム向けに、2002年、日立グループで最初に製品化しました。さらに2003年には性能を大幅に向上させた第二世代の指静脈認証装置を発表し、2004年から現在まで入退管理分野で国内トップシェアとなっています。
日立情報制御ソリューションズ(株)の事業化が他のグループ会社よりも早かったのは、これ以前に指紋の入退管理システムを事業化しており、指静脈認証部分を追加開発するだけで、入退管理システムとしてのソリューションがお客様に提供できたことが大きな要因でした。

日立ソフトウェアエンジニアリング(株)

日立ソフトウェアエンジニアリング(株)は2003年、PCログイン装置「静紋J100」を製品化、ついで2004年には開放型認証技術を取り入れたPCログイン装置「静紋J200」を発表しました。 そして2006年には日立製作所と共同で小型、低価格のPCログイン装置「静紋J300」を開発するとともに、大規模システム向け認証管理ソフトを製品化しました。また組み込み機器市場への事業展開策として国内プリンタメーカと連携し、複合機への搭載販売を開始しました。

日立オムロンターミナルソリューションズ(株)

日立オムロンターミナルソリューションズ(株)は2004年、指静脈認証を搭載したATM「AK-1」を製品化、ついで2006年には貸し金庫向け入退管理システムを製品化しました。 開放型認証技術を取り入れた認証装置は、小型、高速、高精度、高利便性、高セキュリティが認められ、日本郵政公社・メガバンクをはじめとする多くの金融機関のATMで指が採用されました。その結果、国内の生体認証ATMでは、指方式が現在トップシェアとなっています。

(株)日立製作所

(株)日立製作所は2005年、世界最小の指静脈認証装置をセキュリティPCに内蔵させた製品を出荷、2006年には日立ソフトウェアエンジニアリング(株)と共同開発で、「日立指静脈認証装置」を製品化しました。 共同開発した装置は小型・低価格化を実現しており、国内外で幅広く販売する予定です。
また我が社は将来の事業展開のため、自動車への搭載を念頭においた技術開発を行い、太陽光利用認証技術、グリップ型認証技術など先進的な技術開発を行ってきました。 こうした技術を2005年東京モーターショーで展示したところ、自動車部品である指静脈認証装置が、自動車本体に負けないくらい注目され、何度もテレビ取材を受けることになりました。

まとめ

指静脈認証技術は、本人確認が必要なあらゆる分野に適用可能です。 我が社はこの技術を入退管理、PCログイン、ATM、組み込み機器、自動車など多方面に適用しようと考えています。そのため、多数のグループ会社・事業部へ、我が社の指静脈認証技術を移管しています。 各グループ会社・事業部はそれぞれ得意分野を持っており、お客様のニーズに合致した最高のソリューションが提供できる体制が出来上がっています。

[2007年11月13日]

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