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Hitachi

プラント用機器

円筒の壁面に溶液の薄膜を形成することにより蒸発効率を飛躍的に高めた高速蒸発器です。内部に伝熱配管やサポートなどの構造物が無く、スケーリングを最小化できるので伝熱性能の経時的変化がほとんどありません。熱による変性を伴う物質に適しています。医薬品プロセス液の濃縮、またキャンディ、果汁など食品の濃縮にも安心してご使用いただけます。

納入事例:横形コントロ

写真:横型 コントロ

概要
機種 横形コントロ50
伝熱面積 8m²
用途 蒸留塔のリボイラーとして使用

コントロとは

蒸発器は、処理液から水や溶媒を蒸発させ、留分を濃縮する装置で、ケトル型などさまざまな種類があります。この内、遠心薄膜蒸発器は加熱した円筒の内面(蒸発面)に処理液の薄膜を形成し、蒸発・濃縮効率を飛躍的に高めた装置で、当社では回転翼が蒸発面に接触しないタイプのものを「コントロ」と呼んでいます(接触タイプは「セブコン」)、コントロ内の処理液は、回転翼によって均質な薄膜になります。強力な撹拌による遠心力により低粘度から高粘度の処理液まで高い蒸発性能を発揮しますので、短時間での蒸発・濃縮が可能です。また入口からコントロ内に入った処理液は、1パスで所定の濃度に濃縮され出口から流出するので、連続運転に適しています。

納入範囲

エンジニアリング、納入・据付、試運転、メンテナンスまでお客さまをトータルサポート

遠心薄膜蒸発器の選定には、処理液中の溶媒・留分の性状(物性・熱安定性・粘度・形状など)と、入口・出口の処理量・濃縮率などが複雑に関ってきます。当社ではお客さまからの処理液データをもとに適した仕様を選定します。さらに当社の実験設備において性能を検証するため、性能の達成に向けたトータルサポートが可能です。
また、コントロの据付・試運転・メンテナンスはもちろん、当社のEPCソリューションの一環として、コントロ周りの架構・配管・電気・制御設計、調達および施工も実施します。

適用分野

全般

  • 高粘性物質の濃縮
  • ポリマー中の残存モノマー除去
  • 熱不安定物質の濃縮
  • 連続プロセス
  • 脱臭
  • 排液濃縮

製品別

<石油化学プラント>

  • テレフタル酸(PTA)
  • メチルメタクリレート(MMA)
  • エポキシ樹脂
  • ウレタンモノマー
  • 界面活性剤
  • 光学用樹脂

<食品プラント>

  • キャンディ
  • 果汁
  • 豆乳

<環境対応>

  • 排水処理

<医薬プラント>

  • 医薬品
  • 生化学品

<その他>

  • 金属石鹸
  • フォトレジスト

技術

コントロの特長

画像:コントロの特長
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  1. 高い蒸発性能
    短時間で所定の濃縮率を達成することにより(滞留時間が短い)、熱に不安定な物質の処理に適しています。系内の真空度を高めることで、さらに処理温度を下げることが可能です。
  2. 高粘性物質の濃縮
    回転翼で処理液を撹拌するとともに、蒸発面に薄膜を形成するので、低粘性物質はもちろん、高粘性物質も高速で濃縮できます。
  3. 連続運転
    コントロの入口から入った処理液は、1パスで所定の濃縮率に達し、出口から流出。また蒸発面は常に新しい液に更新されるのでスケールが着かず、連続運転が可能です。
  4. お客さまの用途に対応した5モデルのコントロ
    お客さまの用途に合わせて5つのモデルをご用意。さまざまな「蒸発・濃縮」工程に対応します。

(当社比)

横形コントロ

写真:横形コントロ
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コントロの中では、最も汎用性の高いタイプで、幅広い分野のニーズにお応えします。最大の特長は加熱胴がテーパ状になっていることで、液量が濃縮液出口付近で減少しても膜切れを起こしにくく、安定した薄膜を保ちます。
また、特に以下の特長があります。

  1. テーパ胴により処理液を押し戻そうとする力が薄膜に作用するため、スケーリングしやすい処理液に適しています。
  2. コントロ内部の滞留時間を任意に調整できるため、濃縮倍率を広範囲に変更できます。
  3. 1パスにて高濃縮率を達成します。
  4. 大型機の納入実績は、蒸発表面積最大15m²です。

(当社比)

立形コントロ

写真:立形コントロ
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基本的な機能は横形コントロと同様ですが、低濃縮率かつ大容量の処理液に適しています。

  1. 回転翼が垂直構造のため、大型化(30m²)が可能です。
  2. 処理液(上から下)と蒸発分(下から上)の流れる方向が逆(向流)になっているため、脱臭のような微妙な脱気処理が可能です。また下の方から蒸気(スチーム)を吹き込むことにより、スチーム・ストリッピングも行えます。
  3. 立形のため、狭い場所でも設置できます。

(当社比)

横形コントロ-50、立形コントロ-50

写真:立形コントロ-50
立形コントロ-50
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写真:横形コントロ-50
横形コントロ-50
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コントロ-50は、立形コントロおよび横形コントロのテーパ胴部をストレート胴にすることで、低価格化を実現したモデルです。
粘度領域は低から中粘度、濃縮率は低から中濃縮率の範囲をカバー。高い蒸発効率はコントロと遜色ありません。
コントロにするかコントロ-50にするか、プロセスデータだけで判別が難しい処理液については、当社の実験設備で性能を確認することで、選択することができます。

傾斜翼コントロ

写真:傾斜翼コントロ
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立形コントロの高粘度処理能力を飛躍的に高めたモデルです。回転翼がスクリューのようにねじれているため、薄膜に送り力を生み出し、超高粘性(約2,000 Pa・s)の処理液やチクソトロピー状の流体の処理が可能です。

  1. 傾斜翼コントロは重合反応によって得られたポリマー中の残存モノマーを完全に除去する目的(脱モノマー)で開発しました。このため、脱モノマーの他、減率乾燥を行う処理にも優れた性能を発揮します。
  2. 超高粘性処理液でも薄膜の形成が可能なため、高い蒸発性能を損なうことがありません。また回転翼の消費動力(エネルギー)は、ベントエクストルーダなどに比べて、少なくて済みます。

(当社比)