事業再編やM&Aにより統合した会社を含め、日立グループ全体における情報セキュリティ、ITコンプライアンス、事業継続性を確保しています。情報漏えいリスクや増大するサイバー攻撃に対応し、ソフトウェアの適正利用を徹底するため、IT統制の強化に継続して取り組んでいます。
日立グループの2024中期経営計画における注力事業分野への投資や事業再編に備え、M&Aの成功に重要なポイントであるIT統合・分離への対応力を強化し、グローバルでのIT-PMIにおけるリスク低減と効率化に取り組んでいます。
日立グループIT部門は、事業再編に伴うIT統合・分離活動であるIT-PMIを推進しています。近年ではGlobalLogicなどの大型でグローバルな統合や、日立物流、日立金属、日立建機などの分離を実行してきました。今後のM&Aに際し、円滑かつ効率的なIT統合・分離が求められます。日立グループはIT-PMIに伴うリスク低減と効率化実現のため、標準的に行うプロセスを体系化したIT-PMIガイドラインを活用しています。
新たに日立グループに加わる会社は、買収完了後速やかに、日立グループITに関する規則の順守と、ITマネジメント体制の構築が求められます。2022年度は買収対象会社へ向けて、ITマネジメントの仕組みと構築プロセスおよびIT-PMI計画立案・実行に必要な日立グループIT基本情報をまとめたマテリアルを整備しました。日立グループITマネジメントの理解度向上により、IT-PMIの迅速化が期待されます。
M&Aにおける事業収支計画達成には、IT-PMI対応とIT運用コストの、計画と実態との乖離を最小限に抑えることが重要です。M&Aに携わる関係者でこの共通認識を持つために、国内外に向けてIT-PMIに関する説明会を開催するなどの働きかけをしています。また、IT-PMI有識者が戦略的に実案件に参画し、さらにスキル・ナレッジを集約。リソース強化による案件対応力を向上させています。
