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HIGHLIGHTS 2004


左からモバイル端末事業部事業企画本部商品企画部の松長 孝徳技師,デジタルメディア開発本部モバイルIT開発部の伊藤 栄朗主任技師,デザイン本部ホームソリューションデザイン部の岩間 徳浩専門デザイナ,モバイル端末事業部第一設計本部モバイル設計部の上杉 雅樹主任技師,および同事業部第二設計本部ソフト第二設計部の吉田 伸一主任技師

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高速大容量データ通信を可能とする“CDMA 1X WIN”に対応した
ブロードバンド携帯電話“W11H”

 携帯電話もいよいよブロードバンドの時代に突入した。これまでにない高速データ通信を可能にし,第3世代携帯電話をさらに進化させた“CDMA 1X WIN”のパイロットベンダーとして,日立製作所は,2003年11月に,最大2.4Mビット/s(下り)の高速データ通信を可能にした“W11H”を製品化し,番組自動配信サービス「EZチャンネル」やリアルタイム映像配信サービス「ライブカメラ」などの多彩なサービスを享受できる,新たなコンセプトの携帯電話による新しいライフスタイルを提案している。


“W11H”の魅力は

 最大伝送速度2.4Mビット/s(下り)という,データ通信に特化した圧倒的な高速通信機能です。これにより,これまでの常識を超えたスピードで,テレビ番組のようなマルチメディアコンテンツや,映画,スポーツなどのムービーコンテンツなど,最大3Mバイトものコンテンツをダウンロードできるようになりました。サービスは,コンテンツを定期的に自動配信して蓄積する「EZチャンネル」,ムービーコンテンツをスムーズに再生する「EZムービー」,高速道路の渋滞状況や各地の天気予報,観光地の様子などがリアルタイム映像で確認できる「ライブカメラ」などが提供されます。ダウンロードしたムービーの再生時間は従来の15〜30秒程度から3分程度まで延長され,携帯電話自体で撮影する場合は最大約10分もの録画・再生が可能になっています。それらをストレスなく閲覧できるように,ディスプレイにはストリーミング再生機能に対応した表現力のあるQVGA(Quarter-Size Video Graphics Array)液晶を採用しました。また,大容量のコンテンツを安心してご利用いただくため,このサービスを提供するKDDI株式会社は,携帯電話では初めてパケット通信料定額サービス「EZフラット」を導入ました。これにより,月額4,200円でEメールを含むEZwebの通信料が使い放題になっています。


開発にあたってのポイントは

 高速大容量通信の安定的な実現には通信環境の整備が不可欠なため,日立コミュニケーションテクノロジー株式会社と共同で,通信用基地局から新たに開発している点です。端末と通信基盤を合わせた形での開発は両輪と言えます。また,機能を充実させながら,それらを通常の携帯電話のサイズに収める必要があることから,設計・開発に非常に高いレベルが求められました。例えば,安定した高速データ通信を実現するためには安定した電波環境を得る必要があり,内蔵しているものも含めてアンテナを2か所に搭載しています。これにより,二つの通信回路が筐(きょう)体内に入ることになります。また,液晶も2.2型と大きくなり,さらに,SD(Secure Digital)規格のカードにも対応しなくてはなりません。こうした機能の数々の搭載とサイズへの要求の両立は最大の難関でしたが,使用シーンに応じてSDカードを脱着できる「miniSDジャケット」方式を採用するなど,成果を得ることができました。


デザインコンセプトは

 “W11H”は,「未来を予感させるデザイン」をテーマとして,先進の機能をやわらかなラウンドフォルムで包み込んだ,浮遊感のある宇宙的なイメージでデザインしています。外観カラーには落ち着きのあるシルバーと,新しさを感じさせるターコイズを採用しました。また,内蔵LED(発光ダイオード)が筐体を透過して発光するユニークな機能「ルミナスシェル」は,携帯電話という無機質な機械に表情を持たせ,これまでにない不思議さを表現しようとしたもので,透過性と強度性能を満たす樹脂や,発光を妨げない塗料など材料自体を新しく開発しています。


今後の展開は

 データ通信に特化した携帯電話は,これまでにない新しいコミュニケーションツールになる可能性を秘めています。これまでEメールやEZwebを積極的に利用していたヘビーユーザーに朗報となるだけでなく,料金などの面から利用を控えていた方々にも気軽に「携帯ブロードバンド」を楽しんでいただけるようになるでしょう。今後も,より快適な通信環境と,より楽しく使いやすい携帯電話の開発に取り組んでいきたいと考えています。

*SD SD アソシエーションの商標である。
*MiniSD SD アソシエーションの商標である。
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