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MCFrameの稼働基盤にCosminexusを採用。
Web版ERP環境の信頼性をさらに高める

最近ではERPのようなミッションクリティカルシステムでも、Web化が進みつつある。その基盤となるWebアプリケーションサーバとして日立製作所(以下、日立)の「Cosminexus」を本格活用し始めたのが、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(以下、東洋ビジネスエンジニアリング)だ。同社が提供するERPパッケージ製品「MCFrame」とCosminexusを組み合わせたシステムが、2005年10月に本番稼働を迎える予定である。それではなぜ東洋ビジネスエンジニアリングでは、Cosminexusの採用に踏み切ったのか。その背景とメリット、今後の方針などを、両社に聞いた。

ミッションクリティカルなERPを支えるWebアプリケーションサーバの要件

羽田 雅一氏の写真
東洋ビジネスエンジニアリング株式会社
執行役員
MCFrame事業本部長
羽田 雅一氏

現場SEの立場に立った強力な機能が数多く用意されており、充実したサポート体制も大きな魅力です。Cosminexusは安心して活用できる、強力なアプリケーション基盤です

――――東洋ビジネスエンジニアリングは国内ERP市場の草分け的存在として知られており、自社開発パッケージとしてMCFrameも提供しています。これまでにどれだけの実績があるのですか。

羽田 製造業を中心に1,000を超える導入案件を手がけました。またMCFrameもすでに500拠点ほどに導入済みです。

――最近はMCFrameの販売の伸びが著しいとも伺っていますが。

羽田 この2年間は連続して、前年比約4割増という伸びを記録しました。この製品は生産管理や販売管理、原価管理といったロジスティクス系機能に特化したものであり、そのきめ細やかな管理機能と高い拡張性は、日本の製造業のお客さまに高く評価されています。Web対応バージョンも2000年にリリースしています。今後はWeb対応版を積極的に展開することで、製造業のグローバル化に対応したサービスの実現や、SCM等の企業間システムへの対応を強化していく計画です。特に最近では中堅向け市場が拡大し、競争が激化しておりますので、優れたコストパフォーマンスと信頼性、保守性によってMCFrameのブランドイメージを高めていくことが重要だと考えています。

――そのMCFrameを稼働させるWebアプリケーションサーバに、Cosminexusを採用した理由はどこにあるのですか。

羽田 最大のポイントはシステム障害の追跡が行いやすいことです。また問題となるアプリケーション部分だけを、自動的に切り離し、障害の影響を局所化できるところです。

MCFrameはミッションクリティカルな業務でご利用いただくケースが多いため、システムの安定稼働と障害からの迅速な回復が必須条件なのですが、一般にWebアプリケーションサーバを利用したシステムでは障害原因の究明が難しく、専門的な知識と経験によってトライ&エラーを繰り返す必要がありました。たとえばWebアプリケーションサーバに絡むシステム障害が発生した場合、ログやスレッドダンプなどの採取情報をWebアプリケーションサーバのメーカーに送って調査依頼を出すことになりますが、実際には障害検知後に手動で情報を採取するために十分な情報を集めることが難しく、障害原因がWebアプリケーションサーバ側にあるのかアプリケーション側にあるのか、切り分けることすら困難なのです。また多くの場合は代理店経由での調査となるため、対応が遅れるケースも少なくありません。

これでは障害原因の究明に時間がかかり、最終的にはお客さまからの信頼感を損なう危険性があります。この悩みを解決したのが日立のコラボレイティブEビジネスプラットフォーム「Cosminexus」だったのです。

障害原因の究明が容易 サポート体制も高く評価

中村 孝男の写真
株式会社日立製作所
ソフトウェア事業部
事業部長
中村 孝男

MCFrameのブランドイメージがより一層向上するように、日立はCosminexusでバックアップさせていただきます。MCFrameとCosminexusの積極的な展開によって、ぜひビジネス拡大を加速していただきたいと思います。

――具体的にCosminexusでは、障害原因の究明を容易にするために、どのような機能を提供しているのですか。

中村 アプリケーションのスローダウン発生時やサーバの異常を製品内部で自動的に検知し、障害解析に必要なさまざまな情報を収集する機能をご用意しています。また、HTTPサーバやアプリケーションサーバ、DBサーバにまたがる要所要所で、稼働状況を取得する機能も提供していますので、どの箇所に問題があるかを容易に判別できます。このような機能は非常に目立たないものですが、最近ではこれが、現場のお客さまやシステムインテグレータの方に高い評価をいただいています。

羽田 実際に使ってみるとよくわかるのですが、Cosminexusには現場SEの立場に立った強力な機能が数多く用意されており、導入・運用コストを低減することができます。まさにSIベンダーやユーザーの力強い味方だといえます。また機能面だけではなく、充実したサポート体制の存在も日立の大きな魅力です。今回のCosminexusの採用でも、国内の開発部隊による手厚いサポートを受けています。このシステムの本番稼働は10月から始まりますが、技術者への教育やノウハウ移転、各種ツールの提供など、日立サポートの力強さを実感しており、安心して本番稼働に臨むことができます。

中村 現場サイドの立場に立った私どもの取り組みが評価されていることは、非常に嬉しいことです。このような評価は他のお客さまからも頂戴しております。また2004年の国内アプリケーションサーバ市場で売り上げシェア2位*を獲得しました。

私どもが強力な機能とサポートを提供できる背景には、すべてのソースコードを国内に持っていることが挙げられます。JavaTM VMのコードも日立社内にあるため、国内の技術者だけで、必要にして十分な対応を行うことができるのです。

*
国内アプリケーションサーバーとミドルウェア市場 2004年の分析と2005年〜2009年の予測(J5070104) Source:IDC Japan, 6/2005

MCFrameとCosminexusは極めて強力な組み合わせ

――最後に今後の取り組みについて教えてください。

羽田 変化に強く信頼性の高いシステムを、スピーディかつ低コストで構築する上で、MCFrameとCosminexusの組み合わせは極めて強力なソリューションです。これまでの当社の方針は、Webアプリケーションサーバ等のミドルウェアへの対応をできるだけ幅広く行うというものでしたが、今後は強力で信頼しうるミドルウェアに集約していくことを考えています。また日立の他のミドルウェア製品としては、これまでにも帳票システム構築支援「EUR」を利用していました。今後は統合システム運用管理「JP1」等の製品も大いに活用し、お客さまのメリットをさらに追求していきます。

中村 中堅向け市場の拡大は日立にとっても大きな課題であり、東洋ビジネスエンジニアリング様との連携は、この課題に対応するための重要施策です。MCFrameのブランドイメージがより一層向上するように、日立はCosminexusでバックアップさせていただきますので、拡大している中堅企業向けERP市場に、MCFrameとCosminexusの組み合わせを積極的にご投入いただき、ぜひビジネス拡大を加速していただきたいと思います。

特記事項

  • この記事は、「日経ソリューションビジネス 10月14日号」に掲載されたものです。
  • Cosminexusの詳細については,ホームページをご覧ください。
  • Javaは、米国およびその他の国における米国Sun Microsystems, Inc.の商標または登録商標です。
  • その他記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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