TOTOが構築したPDMACE図面閲覧システムは,単品商品図とセット商品図(陶器と金具のセット図など)を合わせて10万枚,設計仕様書4万5,000枚,その他技術資料を,すべてTIFFデータで8.2Gバイトのディスクアレイ2台に格納し,ファイルサーバである日立ワークステーション3050RXと,クライアントのFLORA 330で検索・閲覧・印刷するというクライアント/サーバ・システム。サーバは設計セクションのシステムとも連動し,毎夜バッチ処理により最新の図面情報に自動更新される仕組みになっているほか,HUBステーションと専用線を介して,全国15の拠点にネットワーク。どの拠点からでもクライアントを通して同じデータを検索・閲覧・印刷することが可能になっています。
そしてこの大量ファイルの一元管理と多様な条件検索,履歴管理を可能にしたのが,日立エンジニアリング情報統合システムPDMACE。
PDMACEのファイル管理機能では,さまざまなエンジニアリング情報を,階層的なフォルダで整理しながら統合管理することができるほか,リビジョン管理機能では図面や文書の更新時に履歴番号を付与し,更新データとの差分を保存。これにより,いつでも更新前のデータを自由に取り出すことが可能になっています。
「これまでは電話で問い合わせがあると,スタッフは何冊もの分厚い図面集をめくりながら目的の図面を探し出して回答したり,見当たらない場合は事業部からFAXで取り寄せたりと,お客さまに対して,時間的にも効率的にもかなりのご迷惑をおかけしていました。しかし,PDMACEを導入した現在では,電話で商品の品番を聞き,そのまま端末に打ち込めば,わずか5秒ほどで目的の図面が表示されます。このスピードなら,電話で受け答えしながらでも十分な即答性が確保でき,人員強化策とも相まって処理件数が大幅にアップしました(西日本技術相談室・2万件,東日本技術相談室・2万5,000件,合計月4万5,000件)。
また,多彩な複合検索ができることで,ある二つの部品番号を入力すれば,その組み合わせのセット商品のみがリストアップされますし,リビジョン管理機能を使えば,最新図面の画像を見ながら,そのバージョンアップ前の図面も直ちに表示できたりと,紙ベースでは不可能な使い方ができることもうれしいですね。さらにスタッフの平均年齢が高いため,システム操作に不慣れなケースが多かったのですが,操作画面をカスタマイズして簡単なボタンクリックのみの操作にしたため,改めて導入研修を行う必要もありませんでした。これにより,顧客サービスの向上が図れたのはもちろんのこと,スタッフの負荷も大幅に低減し,内外からの評価は非常に好評です」(商品情報管理グループ東元詩朗氏)
|