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銀行の事務規程に沿った複雑なワークフローを
Cosminexus電子フォームワークフローにより実現。
事務効率向上と内部統制強化、環境経営促進に大きな成果

「クリーンバンクしがぎん」をキーワードに、環境経営に力を入れている株式会社滋賀銀行 (以下、滋賀銀行)は、営業店事務の合理化・効率化による営業力強化を目指して、各種申請業 務を効率的に行う人事・総務電子申請システムを構築した。システム構築にあたっては、日立の Cosminexus(コズミネクサス)電子フォームワークフローを採用。厳格な事務規程と事務取扱要領の定める内 容を、ワークフローシステムで実現。慣れ親しんだ帳票イメージで使いやすいうえに、コンプライア ンスに則ったワークフローシステムを構築したことで、内部統制も確実に強化。ペーパーレス化も 促進し、環境経営にも貢献している。

環境経営と事務効率の視点から
ワークフローシステムを検討

中村清嗣 氏の写真
株式会社
滋賀銀行
人事部
厚生グループ
課長
中村清嗣 氏

川ア直樹 氏の写真
株式会社
滋賀銀行
人事部
厚生グループ
川ア直樹 氏

森澤靖浩 氏の写真
株式会社
滋賀銀行
総務部
統轄グループ
調査役
森澤靖浩 氏

滋賀銀行は、「3つのブランド戦略」として、 「知恵と親切のしがぎん」、「アジアに強いしが ぎん」、「CSR(企業の社会的責任)のしがぎ ん」をアピールしてきた。特に、環境経営を 柱としたCSRへの取り組みは、滋賀銀行の 大きな特長である。

システム面でも、2005年に新営業店シス テム、2008年1月には新基幹系システムを 稼動させるなど、さまざまな取り組みを行って いる。

「これまでは、お客さまへのサービス向上 に直結するシステムの改善に注力してきた わけですが、これからは事務の効率化にも目 を向けていかなければなりません。お客さま へのサービスに職員すべてのパワーを活か すためにも、事務環境の整備は不可欠です」 と中村氏は説明する。

特に、各種申請手続きは、伝票類に手書 きで記入し、承認印をもらうなど、事務処理 が煩雑だった。

滋賀銀行には約135の営業店があり、各 営業店の総務担当者はこうした申請対応や 精算処理が大きな負担であった。

「大量の紙を使い、環境にも良くありません でした。本部への送付にかかる時間も業務 効率を下げていました」と森澤氏は語る。

そこで滋賀銀行は、申請業務へのワーク フローシステム導入の検討を開始した。

事務規程と事務取扱要領に則った
複雑なワークフローを実現

木長久 氏の写真
株式会社
滋賀銀行
システム部
システム開発グループ
調査役
木長久 氏

森田健一 氏の写真
株式会社
滋賀銀行
システム部
システム開発グループ
森田健一 氏

辻 寛 氏の写真
株式会社
日立エイチ・ビー・エム
関西本部
システム部
部長
辻 寛 氏

システム構築にあたっては、数社の提案を 比較したうえで、株式会社日立エイチ・ビー・ エム(以下、日立HBM)の提案を採用した。

「日立HBMには、電子帳票システムや取 引履歴検索システムを構築してもらった実績 がありました。また、日立HBMは、就業管理 システムとの連携やシングルサインオンなど トータルな提案で、営業店の負荷軽減を総 合的に考えてくれている点を評価しました」 と木氏は語る。

日立HBMがシステム開発に用いた日立の Cosminexus電子フォームワークフローは、 開発生産性が高いことが大きな特長である。

申請画面の開発では、使い慣れた紙の帳 票イメージをそのままに再現することも可能 だった。

業務フローの流れも、マウス操作で簡単 に設計でき、決裁者が不在の時でも処理が 滞ってしまうことがないように代行処理の機 能を盛り込み、人事異動直後でも正しい承認 者にて処理できるように、役職名を管理する テーブルを作るなどの工夫も、スムーズに 作り込むことができた。

特に重視したのは、厳格な事務規程と事 務取扱要領の定める内容を、ワークフロー システム上で実現することであった。

「事務取扱要領に則った形で、業務内容 をパターン化するのに苦労しましたが、開発 者との間で画面イメージの確認を何度も重 ねるなどして、納得のいくシステムを作り上げ ることができました」と川ア氏は語る。

「Cosminexus電子フォームワークフローは 柔軟性が高く、入力内容や金額によってワー クフローの分岐先を変えるなど、きめ細かい 制御を作り込むことができたからこそ、銀行 特有の複雑なワークフローを実現することが できました」と辻氏は付け加えた。

基幹系システムとの連携は、日立の統合 システム運用管理「JP1」を利用して自動運 転を実現している。

「人事システムや勘定系システムなどと 連携させることで、行員情報や給与支払情 報、経費情報を一元管理するしくみを作り上 げることができました」と森田氏は語る。

帳票イメージをそのまま再現し
使いやすいワークフローシステム

人事・総務電子申請システムは、2006年 2月に利用を開始した。

カバーする業務は、各種経費申請など約 30種類ほど。利用者は、パートタイマーなど を含めて約3,000名である。

1日に処理するワークフローは1,000〜2,000 件にのぼり、月末のピーク時には約3,000件 まで集中する。それでもレスポンスを落とす ことなく、安定稼動を続けている。

申請業務の流れは大きく変わった。職員が 自分で申請を行うため、営業店の総務担当 者の負担は大きく軽減された。

当初は、職員の負担が増える懸念もあっ たが、使い慣れた帳票イメージをそのまま再 現し、わかりやすい操作環境を実現すること で、懸念を払拭できた。また、以前に申請し た情報を再利用したり、定型的な作業を簡 略化するなど、むしろ便利になった。さらに、 申請者は、案件の進捗状況をいつでも確認 できるようになった。

行内アンケートでも評価は高く、特に旅費 精算については、「以前よりも良くなった」と いう回答が約80%に達しているのである。

通勤経路申請画面(左)とマイカー通勤許可申請画面(右)。
通勤経路申請画面(左)とマイカー通勤許可申請画面(右)

内部統制にも貢献して
さらなる環境経営に拍車

ワークフローシステムの導入により、細部 まで正確な手順で業務が進むようになり、 内部統制も強化された。

「各自の役割も明確に整理され、職務分 掌や事務規程の再確認と徹底が図れました」 と中村氏は評価する。

予算審査など、予算策定にかかわる業務 がスムーズにできるようになったことも、内部 統制に結びついている。

以前は、さまざまなシステムのデータや 紙の資料を見比べたり、何度も問い合わせ たりする手間のかかる作業だった。現在は、 各営業店から共通フォーマットで送信されて くる予算申請を、共通の基準で審査できる。 ミスがなく、統制のとれた予算策定ができる ようになった。

そして、帳票類の電子化、ペーパーレス化 が一段と進んだことで、滋賀銀行の環境経営 にも貢献している。営業店に申請用の専用 紙を保管する必要もなくなった。

当初、人事・総務部門の申請業務に限っ てスタートしたが、導入メリットが評価されて、 適用範囲は順次拡大している。

拡張性の高いCosminexus電子フォーム ワークフローは、業務改革や内部統制を、 小さく始めて大きく拡大することができる のだ。

今後もCosminexus電子フォームワークフ ローが、滋賀銀行の業務改革や内部統制、 そして、環境経営に貢献していくだろう。

(株)滋賀銀行の人事・総務電子申請システム概要。
(株)滋賀銀行の人事・総務電子申請システム概要

USER PROFILE

株式会社滋賀銀行のロゴ

株式会社滋賀銀行

[本店] 滋賀県大津市浜町1-38
[設立] 1933年10月1日
[資本金] 330億円
[従業員数] 2,179名(2007年3月末現在)

リスク管理の国際的基準「バーゼルII」に 合格。香港、上海にも拠点を持つ。「3つの ブランド戦略」として、「知恵と親切のしがぎ ん」、「アジアに強いしがぎん」、「CSRのし がぎん」を推進中。金融を通じて、環境に 配慮した地域社会づくりに全行あげて取り 組んできたことにより、2007年度のグリー ン購入大賞・環境大臣賞を受賞。

PARTNER PROFILE

株式会社日立エイチ・ビー・エム

[本社] 東京都品川区南大井6-21-12
[関西本部] 大阪市中央区南本町4-2-10
[設立] 1984年4月1日
[資本金] 6億円
[従業員数] 714名(2007年3月末現在)

日立グループのIT企業として、ソフトウェア 開発・ネットワーク構築サービス・コンサル テーション・各種保守、工事・派遣業務な ど、多彩なソリューション群を提供。ワーク フローシステム分野では、事務支援システ ム「POWERSOUMU」を発売。

特記事項

  • この記事は、「日経コンピュータ 2008年6月15日号」に掲載されたものです。
  • Cosminexus電子フォームワークフローセットの詳細については,ホームページをご覧ください。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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