分析ポテンシャルも極めて高い。
まず分析メニューとしては,曜日別・時間帯別売上客数一覧や個人別売上履歴,回数別・金額別・年代別売上客数一覧,地域別売上客数一覧,上位顧客売上推移といった実績管理から,流通業界で定番となっているRFM分析やデシル分析,ランク別顧客一覧,そして条件抽出機能付きDMラベル出力などが,あらかじめ用意されている。そしてこれらの分析結果を画面に表示するだけではなく,ボタンひとつで自動的にExcelの表形式に変換し,グラフ化したレポートを即座に作成することも可能である。
特に注目すべきなのは,分析データを自由に操作して多角的に眺めたり,分析表からオリジナルのデータにアクセス(ドリルスルー)することができる点だ。これにより,たとえばRFM分析で上位顧客層の数を確認した上でその顧客一覧を表示したり,複数の属性から顧客の購買パターンを分析することで特定の顧客層に対する販売促進戦略を立てる,といったことが簡単に行える。
小売業に長年従事し,今回のプロジェクトの知恵袋的な存在となっているシステムインテグレーション事業部 システムインテグレーション第三営業部付 部長 古橋 睦夫氏は「レポートの自動作成やドリルスルーの実現は,顧客情報管理にとって画期的なこと」だと指摘する。これまでのシステムでは,詳細に分析したりレポートに加工するには,かなりの手間と時間が必要だった。しかしDICE◇KEYなら,データを即座に戦略に活かせるのである。
このような分析が可能になった背景には,日立の最新のデータベース技術と各種ノウハウを結集したソリューションテンプレートの存在がある。DICE◇KEYでは分析用のデータベース(データキューブ)に「Cosmicube」,顧客情報の蓄積には「HiRDB」を採用しており,上記の顧客分析機能には,日立がCosmicubeのテンプレートとして提供している「顧客情報分析テンプレート」が全面的に採用されている。そのため豊富な顧客分析機能がありながら,開発開始からわずか3ヶ月でカットオーバーすることができたのである。
DICE◇KEYのシステム面を担当したシステムインテグレーション事業部 システムインテグレーション第三営業部 課長 梅沢 茂幸氏は,これらのデータベースおよびテンプレート製品を採用した理由は3点あったと説明する。まず第1はコスト・パフォーマンスの高さ。第2はシステムを短期間で構築できること。そして上記のような多角的な分析を簡単に実現できることだ。「特にCosmicubeの存在は重要です。一般的なデータベースではデータ検索にかなりの時間が必要になりますが,Cosmicubeなら即座に分析結果を取り出せる。さらに豊富な顧客分析パターンをもつテンプレートもとても有効でしたし,日立と共同でカスタマイズすることで,短期間で開発できました。」
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