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ミドルウェア

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お客さまシステムの「システム監視・保守・運用サービス」をスタート。
サービスの共有プラットフォームを「JP1」をベースに構築し、
規模の拡張とサービス拡充の両面に柔軟に対応

西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)は、お客さまシステムの監視・保守・運用業務を24時間365日、トータルにサポートするサービスを2006年12月から提供開始した。本サービスを提供するのに必要なシステムの運用管理については、株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト(以下、NTTネオメイト)が行っている。システムについては日立の統合システム運用管理「JP1」を中核にして構築した。 この「システム監視・保守・運用サービス」は、サービス対象をニーズのあるすべての企業に広げながら、1,500社の契約獲得を当面の目標にしている。

山本 康博氏の写真
西日本電信電話株式会社
法人営業本部
フィールド
サービス部
担当部長
山本 康博氏

不動 聖一氏の写真
西日本電信電話株式会社
法人営業本部
フィールド
サービス部
MI企画担当
不動 聖一氏

番匠 浩一氏の写真
株式会社
エヌ・ティ・ティ
ネオメイト
ITビジネス本部
サービス生産部
MI推進担当
担当部長
番匠 浩一氏

岡副 力氏の写真
株式会社
エヌ・ティ・ティ
ネオメイト
ITビジネス本部
サービス生産部
MI推進担当
主査
岡副 力氏

江越 春緑氏の写真
日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社
第1開発本部 ミドルソフト第1設計部
UL.ITスペシャリスト
江越 春緑氏

お客さまシステムを遠隔監視する運用管理サービスをスタート

NTT西日本は、光ブロードバンドの中核企業ならではの高度な技術力を発揮しつつ、多種多様なニーズを把握し、きめ細かく実現していくソリューション対応に力を入れている。

「特に法人営業部門では、SI(システムインテグレーション)、MI(メンテナンスインテグレーション)、NI(ネットワークインテグレーション)の3つを組み合わせたソリューションに力を入れています」と山本氏は意気込みを語る。

その一環で2006年12月からスタートしたのが、「システム監視・保守・運用サービス」だ。

「従来NTT西日本では、電話受付による保守サービスや、お客さまが個別に用意した、専用の監視装置による保守・運用サービスを提供してきました。しかし最近では、コンピュータシステムの導入が進み、比較的小規模なお客さまからも、システムの24時間365日監視を提供して欲しいというニーズが高まってきています。そこで、システムを遠隔監視する共有プラットフォームをNTT西日本側で利用し、監視・保守・運用のさまざまな機能を、メニュー化してご提供することにしました」と山本氏は説明する。

「お客さまは、運用管理システムの構築・運用・保守・バージョンアップなどに気をつかうことなく、システムの監視から保守・運用の提供まで、ニーズに応じたサービスを受けることができます」(不動氏)。

「システム監視・保守・運用サービスでは、共有プラットフォームを採用することで、これまで一部のお客さまにしかご利用いただけなかった高度なサービスの低価格化を実現しています。また、システムの状態・性能情報を監視することで、故障の未然防止や早期復旧につなげることができます」と山本氏は続ける。

システム拡張と機能追加が柔軟にできる「JP1」

NTTネオメイトは、システム監視・保守・運用サービスに不可欠な共有プラットフォームを、「JP1」を中核に構築した。

JP1を評価したポイントは2つある。

ひとつは、運用管理システムの規模を柔軟に拡張できることだ。 共有プラットフォームは、西日本全域をカバーし、最終的には数千から数万のノードを監視しなければならない。

「さらに従来のお客さまから順次切り替えてご利用いただくために、スモールスタートが要求されました。JP1は、小規模システムからサーバ数千台の大規模システムまで対応できる拡張性を備えているため、お客さまの増加に応じてサーバを増やしていくだけで、規模が容易に拡大できます。複数検討したなかで、コストパフォーマンスも優れていました」と番匠氏は語る。

もうひとつのポイントは、機能拡張が容易にできることである。

JP1は製品を追加することで、ハードウェア機器の動作状況の確認からサーバまでの稼働状況監視、リソースの利用状況把握など、さまざまな機能を追加導入できる。しかも統合監視システムで、追加した機能も含めて一元管理が行える。営業展開に応じて市場のニーズを見ながら機能を追加していこうという要求にも、柔軟に対応することができたのだ。

「共有プラットフォームは長く使うものであるだけに、デファクトスタンダードであることと、画面やマニュアルなどの使い勝手やサポートのよさということから、国産のソフトウェアであることも重視しました」と番匠氏はつけ加えた。

効率的なローカル監視を支援する画面設計にも工夫

共有プラットフォームの構築は、2006年7月より実施した。

「西日本全域を運用監視できる大規模なシステムを、わずか半年足らずで構築できたのは、日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(以下、日立ソフト)が弊社のニーズを理解するとともに、JP1を熟知し、JP1の良さを最大限に引き出す努力をしてくれたおかげです。お客さまのシステム規模に関わらず、故障対応、保守運用オペレーションを24時間 365日提供できる基盤ができました」と番匠氏は強調する。

現在の共有プラットフォームは、ネットワーク管理基盤「JP1/Cm2」とジョブスケジューラ「JP1/Automatic Job Management System 2」の各モジュールと、サーバ監視、バックアップなどの機能を合わせて、「JP1/Integrated Management」で統合監視する仕組みになっている。

「サーバ監視とネットワーク監視のデータを統合し、稼働予測・ボトルネック分析を行って契約企業へのレポーティングに役立てるデータ蓄積システムも構築しました。JP1以外のソフトも含めて統合管理できるのは、JP1の大きな利点です」と岡副氏は指摘する。

「NTT西日本エリアには、NTTネオメイトが監視・保守・運用している『お得意様サービスセンタ』が関西、四国、九州など6ヵ所あり、各サービスセンタでも状況をリアルタイムに見られるようにする必要がありました。しかも、各サービスセンタでは、担当するお客さまの情報のみを見たいのです」(岡副氏)。

「監視対象そのものが、スタート時の10倍、100倍になるという運用管理の設計は大変に貴重な経験でした。また、新規のお客さまを取り込むとき、どのサーバへどのように登録すれば担当拠点にとって有利な運用ができるかなど、運用設計とビジネス要件を調整するのにも気をつかいました」と江越氏は言う。

NTT西日本では、随時サービスメニューを拡充しながら、1,500社という当面の契約獲得目標を目指していく。

「ハードウェア機器の動作状況だけでなく、部分的な故障の状況も把握したいというニーズに応えるサービスメニューが、提供可能になります。それに対する問い合わせも相次いでいます。また、システムを熟知していない経営者の方にもサービス導入の効果が容易に判断できるように、平易な表現でサービスのご紹介ができるように心掛けました。サービス導入に際してもあれこれお客さまが迷わなくて済むように、『お薦めの監視項目セット』を準備しています」と不動氏は語る。

日立ソフトとJP1による強固な共有プラットフォーム構築は、システム監視・保守・運用サービスの拡充のみならず、NTT西日本が「SI、MI、NI」を一貫して提供するソリューション営業にも力強い味方となるに違いない。

NTT西日本の「システム監視・保守・運用サービス」システム概要
NTT西日本の「システム監視・保守・運用サービス」システム概要

*1
JP1/Integrated Management
*2
JP1/Automatic Job Management System 2
*3
JP1/Performance Management-Analysis

USER PROFILE

西日本電信電話株式会社

[本社] 大阪府大阪市中央区馬場町3-15
[設立] 1999年7月1日
[資本金] 3,120億円
[従業員数] 約5,800名

良質かつ安定的なユニバーサルサービスの提供とともに、ネットワークの光化・IP化への円滑な移行、ブロードバンドサービスの基盤となる光アクセス網の充実などに取り組んでいる。また、光の特性を活かした多彩なサービスを提供できるオープンな次世代ネットワークを通じて、ブロードバンド・ユビキタスネットワーク環境の実現に向けて取り組んでいる。

USER PROFILE

株式会社 エヌ・ティ・ティ ネオメイト

[本社] 大阪府大阪市中央区内本町2-2-5
[設立] 2001年10月31日
[資本金] 1億円
[従業員数] 約7,700名

NTT西日本や自治体、企業等に、情報通信サービスやシステム構築、運用・保守を提供。光ブロードバンドの普及を図るため、コンシューマ向けにPLCサービス等を提供している。

PARTNER PROFILE

日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社

[本社] 東京都品川区東品川4-12-7
[設立] 1970年9月21日
[資本金] 341億8,200万円
[従業員数] 5,093名

ソフトウェア開発大手。日立グループを支え牽引する要として、日本の基幹産業、社会インフラのコアシステムを開発してきた。ユビキタス時代の先進サービス開拓にも、「創る、支える、拓く」を合言葉に取り組んでいる。

特記事項

  • この記事は、「日経コンピュータ 2007年8月20日号」に掲載されたものです。
  • JP1の詳細については,ホームページをご覧ください。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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