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日立ワークスタイル変革ソリューション

株式会社 日立製作所 働き方改革ソリューション本部 主任技師 園田 英史

株式会社 日立製作所
働き方改革ソリューション本部
主任技師
園田 英史

  • * 所属・役職はセミナー配信時点のものです

AIを活用し、営業効率の最大化を実現

リモートワークが主体の働き方となった今、営業部門が変革を迫られている。労働人口の減少による営業リソースの低下やグローバル化による競争の激化といった課題を抱えながら、既存案件への対応だけでなく新規顧客の開拓をもフルリモートで行うのは容易なことではない。

「限られたリソースで、競争が激化する市場で売上を拡大する。そのために、営業効率を最大化した組織への変革が求められています」

そう語るのは、日立製作所 働き方改革ソリューション本部の園田英史だ。

「フルリモートという制約の中でも売上を拡大するには、新規顧客の開拓や既存顧客の深耕、既存契約の解約防止をいかに効率的に行うかが鍵となります。それと同時に、セールスワーカーのスキルの底上げも不可欠です。これまでは一部のエース級の社員の勘や経験に頼りがちだった営業ノウハウを形式知化し、営業部門全体のレベルアップを図る必要があります」

日立はこの課題に、「営業活動データ分析ソリューション」で応える。成約率の高い商談先やアクションの選定、解約の防止策、セールスワーカーのスキルアップを、AIを活用することで可能にするというものだ。

成約率の高い商談先と製品をAIがレコメンド

数百社にのぼる取引先の中から訪問しやすい顧客ばかり選んでしまう。目標達成のために販売しやすい製品を単品売りし、事後フォローをしない……。そういったその場しのぎの営業活動を抑止するのが「商談先レコメンドサービス」だ。

「営業活動に関するさまざまなデータを日立の人工知能が分析した上で、成約率の高い企業名と製品名、さらにその特徴をリスト化し、レコメンドするサービスです。効率的な営業活動、成約率の低い営業活動の抑止、お客さまとの関係構築による取引先継続の効果を狙い、受注拡大に貢献します。例えば、KPIに営業利益や売上を設定し、顧客企業の業種・規模や取り引きしている製品、契約状況、訪問回数などのデータを掛け合わせて分析します。その結果からKPIと相関が高い変数の組み合わせを抽出し、有効な営業アクションを導き出す『示唆リスト』として提供します。示唆リストは、売上に相関の高い企業にアプローチする営業戦略の立案と、営業現場への展開にご活用いただけます」

上の図は示唆リストの例だ。図中の「コンディション」が顧客企業の条件の組み合わせであり、それぞれに対する有効な「アクション」が示される。このリストからは、「従業員100人以上」かつ「2期連続増収」に当てはまる取引先に対し「基幹システムの提案」を行うと、受注率30%を見込めることがわかる。さらに、該当する取引先のうち、まだ基幹システムを導入していない企業が25社あることもわかり、明確なターゲティングのもと営業施策を進めることが可能になる。

成約率アップに向け、営業活動の各フェーズで起こすべきアクションをレコメンド

過去のノウハウをもとに商談を進めているがなかなか成約に結びつかない、商談の各フェーズでどんなアクションを起こすべきか迷っているといったセールスワーカーの悩みを解決するのが、「推奨アクションレコメンドサービス」だ。

「顧客企業の属性や営業活動に関するデータを人工知能で分析し、案件の開始時、初期訪問、ニーズ抽出、提案といった各フェーズで起こすべきアクションを導き出します。案件の状況に応じた推奨アクションとその優先順位、成約確率をレコメンドすることで、過不足のない効率的な営業活動を可能にし、成約率アップに貢献します」

解約されやすい企業の条件を洗い出し、解約の未然防止に貢献

既存顧客から突然解約され、売上の低下を招いてしまうケースは少なくない。その兆候をつかみ、取引の継続に貢献するのが「解約予測および防止サービス」だ。

「お客さまの製品やサービスの利用を解約されやすい企業の条件と解約確率を、解約金額や顧客情報、アンケート情報などを掛け合わせて人工知能が分析し、導き出します。例えば、『自社のWebサイトへのアクセスが少なく、アンケート評価が5段階中3の企業は解約確率が高い』という結果が抽出された場合、解約される前にセールスワーカーが顧客を訪問しフォローするというアクションを起こすことで、解約の未然防止につなげることができます」

成約率の高い社員ならではの行動を抽出し、営業部門全体を底上げ

最後に紹介するのは、「営業力の底上げサービス」だ。成約率が高いセールスワーカーが活躍する一方で、残業をしても売上目標をなかなか達成できず伸び悩む社員は少なからずいる。

「その行動の違いをリスト化し、成約率が高いセールスワーカーの行動を営業マニュアルに反映することで、営業部門全体の営業力の底上げを支援します。顧客との取引やメールの送受信、Webの閲覧などの履歴などのデータを人工知能で分析することで、例えば、『成約率の高い社員はメールの返信を午前と夕方にまとめて行っている』といった意外な実態が見えてきます。こういった行動パターンを部門全体で共有することでボトム層の社員のスキルアップを図り、成約率のアップにつなげることができます」

先に紹介した「商談先レコメンドサービス」は2021年3月に提供を開始。ほかの3つのサービスは順次、拡充が予定されている。

「With/Afterコロナの時代に求められる営業効率の最大化を実現するうえで、人工知能の活用は力強い味方となるでしょう。お客さまが蓄積されてきた営業活動のデータを活かせば、売上と営業スキルの向上は十分可能です。『営業活動データ分析ソリューション』で、そのお手伝いをさせていただければと思います」

そう語り、園田は講演を締めくくった。

関連サイト

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