2025年6月24日
決済や資産運用などのセキュリティとユーザーエクスペリエンス向上をめざし、ベストプラクティス普及を推進
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび 金融業界における技術革新や標準化をグローバルで推進するため、 「Fintech Open Source Foundation」(以下、FINOS)に、Silver Memberとして加入しました。FINOSは、金融サービスの発展に向けたオープンスタンダード(仕様の標準化)やベストプラクティスの導入を促進する国際的な団体で、100を超える企業・組織が参加しています。日立はFINOSへの参画を通じて、決済や資産運用などの金融サービスにおけるセキュリティの強化とユーザーエクスペリエンスのさらなる向上をめざし、OSSやAI活用に関する課題や規制に対応する標準化活動に加え、金融業界へのベストプラクティス普及を推進していきます。
金融業界では、サービスの利便性を向上するため、サービス間のAPI連携やOSSを活用したアプリケーション開発が一般化しています。一方、取引の安全性や個人情報の保護に関する規制が地域ごとに年々強化されており、さらに近年では、地政学リスクの高まりやAIの急速な発展を受け、グローバルな金融サービスの標準化の動向も変化しつつあります。こうした標準化の推進は金融業界の共通課題であり、コミュニティで取り組む重要性が増しています。
日立はこれまで、クラウドネイティブな認証・認可管理の代表的なOSSであるKeycloak*1の主要機能の開発にメンテナとして携わってきました。たとえば、金融業界向けのAPIセキュリティ標準であるFAPI(Financial-grade API)への対応機能は、日立のメンテナが取りまとめて実装したものであり、世界各地で活用されています。また、日立OSPO*2の設立以来、The Linux Foundation(以下、LF)とも協力し、OSPO設立のノウハウを複数のコミュニティで共有してきました。こうした活動により、企業がビジネス目的で積極的にOSSコミュニティへ参加する機会が増え、コミュニティの活性化につながっています。
今後、日立は このようなKeycloakやOSPO設立で培った知見を生かし、FINOSにおけるグローバルな規制に準拠した金融サービスの標準化活動を推進していきます。これにより、セキュリティ確保と利便性向上をもたらすベストプラクティスを確立し、コミュニティを通じて共有することで金融業界の発展に貢献します。また、AIの進展に伴い新たに生じるセキュリティ脅威に対応するため、AI活用のガイドライン整備などを通して、金融業界におけるAI利用のガバナンス確立に寄与していきます。
*1 | 日立のKeycloakへの取り組み URL:https://www.hitachi.co.jp/products/it/oss/efforts/keycloak/ |
*2 | 2024年11月8日 「日立、戦略的なOSS活用をグローバルでリードするOpen Source Program Office (OSPO) を設立」 URL:https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2024/11/1108.html |
FINOSは、LF傘下の組織で、金融サービスの発展に向けたオープンソース、オープンスタンダード、ベストプラクティスの導入を促進することで、オープンソース開発者と金融業界が、ビジネス運営に影響を与えるプロジェクトの構築を目的としています。LF傘下の主要な金融機関やフィンテック企業を中心に100以上の企業や団体が加入しており、下記が主な活動となります。
・記載の会社名、製品名などは、それぞれの会社の登録商標もしくは商標です。