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【Case Study】北海道しんきん情報サービス(HCIソリューション導入事例)

1台わずか30分で既存環境からHCIへ移行
信用金庫のDX推進を支える基盤を整備

北海道内の信用金庫の共同利用業務を推進する北海道しんきん情報サービス。同社では、3階層(サーバ、ストレージ、SANスイッチ)で構築していた仮想化基盤をストレージとSANスイッチが不要な「日立ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)ソリューション for Nutanix」に刷新しました。これを機に外部に委託していた仮想マシンの構築や運用の内製化を進めることで、より迅速なお客さまニーズへの対応とコスト低減を実現し、今後の金融サービス高度化に向けたIT環境を整備しました。

信用金庫とその先のお客さまへ価値あるサービスを提供

写真:株式会社 北海道しんきん情報サービス (左から)櫛引 惇也 氏 茂又 孝宏 氏 武田 大二郎 氏 中村 浩之 氏 金札 昌宏 氏
株式会社 北海道しんきん情報サービス
(左から)櫛引 惇也 氏 茂又 孝宏 氏
武田 大二郎 氏 中村 浩之 氏 金札 昌宏 氏

 北海道しんきん情報サービス(以下、HSIS)は、北海道内20の信用金庫(以下、信金)が個別に行っている業務を受託し、システムコストの低減や業務効率向上を支援する企業として2001年に設立されました。以来、キャッシュカードやダイレクトメールの作成・発送、ATMの遠隔監視、各種業務支援システムの企画・開発、大規模サーバの維持・管理など、幅広い業務を担っています。

 「信金は地域の方々が利用者・会員となって互いに地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした金融機関。それだけに、お客さまに寄り添った経営が求められています。その実現に向け、当社が果たすべき役割は、信金職員の業務が多様化しているなか、本業である営業や接客に人的リソースを振り向けてもらうこと。さらに言えば、それを通じて信金の先のお客さまに価値あるサービスを提供し、地域に貢献していくことにあります。当社のデジタル化やDXの推進も、その軸からブレないことを念頭に置いています」と同社で代表取締役社長を務める武田 大二郎氏は語ります。

IT基盤の柔軟な拡張と容易な運用を両立

 こうした考えのもと、HSISは2015年からブレードサーバによる3階層型の仮想化基盤を導入。信金の補完システムやファイルサーバ、各種業務支援システムなどを受託運用するホスティングサービスを行ってきました。そのサーバやストレージの保守期限切れが迫ったタイミングで導入したのが、「日立HCIソリューション for Nutanix」でした。同社のシステム管理グループ グループ長 茂又 孝宏氏は、HCI採用に至った背景を次のように説明します。

 「お客さまから預かるシステムが増えるに従ってサーバリソースが枯渇する懸念が高まってきました。そこで2019年から先手を打って基盤全体の刷新を検討していましたが、3階層型の基盤では5年ごとに将来を見据えた環境設計やハードウェア導入のコストがかかり、CPUやストレージの最適配分も難しい状態にありました。システムの複雑化で運用負担も増えてきたため、既存環境を構築していただいた北海道日立システムズ(以下、北海HISYS)に相談したところ、シンプルな運用で、ビジネス環境の変化に合わせ柔軟なリソース追加が可能なHCIを提案してくれたのです」

 またHCIがHSISの新しい戦略に合致していたことも大きなポイントでした。「業務効率の向上に向け、今後はより多くの信金が当社の仮想化基盤へシステムを移行することが予想されます。その期待に応えるには、仮想マシンの構築や運用を内製化して、より迅速かつ低コストにシステム環境を提供することが必要です。その点、日立HCIソリューション for Nutanixであれば、無償でハイパーバイザーの『AHV』が利用できるためコストが抑えられること。運用管理ツール『Prism』やNutanix標準機能の活用で一定レベルの内製化も実現できるなど、当社が求める要件をすべて満たしていました」と同社の企画・営業推進グループ グループ長 中村 浩之氏は付け加えます。

図:システムイメージと導入効果
システムイメージと導入効果
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1サーバあたりわずか30分でHCIに移行、さらに処理能力の向上でデータ更新業務を約1/3に短縮

 日立HCIソリューション for Nutanixは、日立アドバンストサーバHA8000V、Nutanix Enterprise Cloud OSを適切な形で組み合わせたHCI環境を提供するもの。お客さま企業の要望に応じて、仮想マシンの構築から現地でのスタートアップ、構築アフターサービス、操作トレーニングなどをワンストップでサポート可能です。

 北海HISYSと日立製作所(以下、日立)は2019年12月、日立の工場内で設定を済ませたHCIシステム(HA8000V/DL360×3ノード)をHSISのデータセンターに導入。担当者向けのNutanix勉強会や「Prism」のハンズオントレーニングなどを実施しながら、既存環境からのデータ移行を段階的に進め、2020年3月から本番サービスの提供を開始しました。

 「既存環境で動いていた約50台の仮想マシンは、Nutanixが無償提供している移行ツール『Nutanix Move』を利用して、1サーバあたりわずか30分ほどで簡単に移行することができました。CPU利用率は現状最大で30%程度。ストレージ圧縮機能のおかげで物理容量の1.6倍ほどが利用でき、リソースにはまだまだ十分な余裕があります。データセンターの省スペース化と低電力化にも貢献しており、今後のリソース拡張でノードを4台目、5台目と追加しても既存ラックに収まるので安心です」と茂又氏は評価します。

 最新CPUの採用で処理能力も格段に速くなり、「これまで平均2時間かかっていた補完システムにおける日次データの更新作業が、約1/3の40分に短縮されたと、お客さまからも高く評価されています」と中村氏は語ります。

システム運用の内製化でコストを大幅に低減

 運用面でも期待どおりのメリットが実感されています。直感的なGUIで操作できる「Prism」により、仮想化環境全体を容易に一元管理できるようになったほか、Nutanixのスナップショット機能を使ったバックアップ業務の迅速化、クローン機能を使った仮想マシンの自動作成などを実現。これまで委託していた作業の内製化を積極的に進めることで、運用コストは年間で約10〜15%低減できると見込まれています。

 「仮想マシンのデリバリーを内製化できるようになったので“テスト用サーバを立ててほしい”といった急な要望にも社内だけで迅速に対応できるようになりました。その一方、ネットワークも含めたシステム全体のセキュリティ強化や遠隔監視は引き続き北海HISYSにお願いしており、新基盤を安心して運用することができています」と茂又氏は語ります。

 一連のシステム導入を支援した日立グループに対して武田氏は、「2015年以降、当社のシステム基盤は日立グループに任せてきました。今までトラブルもなく業務を継続してこられたこと、新たな業務ニーズや運用ニーズに最適なHCIの導入を支援してくれたことに感謝しています。信金を取り巻く経営環境の変化に迅速に対応できるよう、これからも幅広く提案をいただきたい」と語ります。

 日立は今後も、地域社会の発展に貢献する信金の金融サービス高度化に向けて、HSISが提供するシステム基盤の継続的な進化とコスト削減を、さまざまなITプラットフォームとデジタルソリューションによって支援していきます。

  • 本記事は、日経×TECH(2021年4月12日〜)に掲載されたものです。

お客さまプロフィール

株式会社 北海道しんきん情報サービス

[本社所在地] 札幌市中央区北2条東7丁目 HBAシステムビル
[創業] 2001年(平成13年)10月1日
[資本金] 1,250万円
[社員数] 常勤役員2名 非常勤役員9名 社員67名
※非正規社員含む(2021年1月現在)
[事業内容] 信用金庫への情報処理サービス提供、地域支援

株式会社北海道日立システムズ

[本社所在地] 札幌市中央区大通西3丁目11番地 北洋ビル
[創業] 1965年(昭和40年)10月1日
[資本金] 8,000万円
[社員数] 389名(2020年4月1日現在)
[事業内容] システム構築事業、システム運用・監視・保守事業、ネットワークサービス事業、情報・通信関連機器、ソフトウェアの販売と開発

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(株)日立製作所 フロントエンゲージメント推進本部

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