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概要

本重要なお知らせは、CRI-2021-0010に関連する重要なお知らせになります。CRI-2021-0010も合わせて参照ください。
Integrated Lights-Out 5 (iLO 5)バージョン2.30未満から2.30〜2.33へのアップデート時にファイバーチャネルホストバスアダプターの設定がデフォルトに戻りSANブートに失敗することがあります。この現象の対策方法を以下に示します。

重要度

重要

発生頻度

現象および影響範囲

iLO5バージョン2.30未満から2.30〜2.33へのアップデート時にファイバーチャネルホストバスアダプターの設定がデフォルトに戻ることがあります。その結果SANブート環境の場合はOSブートに失敗する可能性があります。この現象はアップデート時にのみ発生します。

回避策

iLO5バージョン2.30〜2.33にアップデートを行う場合は事前に設定を控えていただき、iLOのアップデート後に再設定を実施してください。
以下にQLogic製 HBA搭載環境の場合とEmulex製 HBA搭載環境の場合の手順を記載します。

QLogic製 HBA搭載環境の場合

(1)システム装置の電源ボタンを操作し、電源を投入し、HA8000V画面が表示されたら「F9」キーを押下します。

(2)「システムユーティリティ」-「システム構成」から、以下製品の変更するPortをクリックします。
Slot x Port 1 : HPE SN1600Q 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1600Q 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 1 : HPE SN1100Q 16Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1100Q 16Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 1 : HPE SN1610Q 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1610Q 32Gb xp FC HBA - FC

(3)「QLogicメインメニュー」で、以下の設定項目を控えてください。設定はFC-HBAポート単位に存在します。(2)に該当する製品のすべてのポートに実施してください。以下の設定項目以外は変更せずにお使いください。

キャプションを入れてください。
QLogicメインメニュー デフォルト値(工場出荷) 設定値控え
アダプター設定 ハードループIDを有効にする 無効
ハードループID 0
リセットの遅延時間 5
ファイバチャネルテープ 有効
フレームサイズ 2048
接続オプション ループを優先、それ以外はポイントツーポイント
データレート 自動
詳細設定 ログインのやり直し回数 8
ポートダウンのやり直し回数 30
リンクダウンのタイムアウト 30
ターゲット当たりのLUN数 128
LIPリセット 無効
LIP後の完全ログイン 有効
ターゲットリセット 有効
Fabric Assigned WWPN 無効
Legacy Spin Up Delay 無効
Legacy Operation Mode Interrupt when interrupt delay timer expires or no action
Legacy Interrupt Delay Timer 2
Legacy EV Controller Order 無効
BB_CR 無効
BB_CR Count 8
FEC 無効
Shared Memory Features
(SN1600Q/SN1100Qのみ)
有効
Prefer FCP Support
(SN1610Qのみ)
無効
ブート設定 限定ログイン 有効
限定LUNログイン 有効
FCScanLevel変数 0
Fabric Assigned Boot LUN 無効
Legacy BIOS Selectable Boot 無効
ワールドログイン 無効
Adapter Driver 無効
アダプター情報 デバイスバス 設定値控え不要
WWPN 16桁の英数字
WWNN 16桁の英数字
マルチブートのバージョン 設定値控え不要
UEFIドライバのバージョン 設定値控え不要
BIOSのバージョン 設定値控え不要
ファームウェアのバージョン 設定値控え不要

(4)SPH6.30適用またはiLO5 2.30〜2.33へのアップデートを実施。

(5)システム装置の電源ボタンを操作し、電源を投入し、HA8000V画面が表示されたら「F9」キーを押下します。

(6)「システムユーティリティ」-「システム構成」から、以下の製品の変更するPortをクリックします。
Slot x Port 1 : HPE SN1600Q 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1600Q 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 1 : HPE SN1100Q 16Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1100Q 16Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 1 : HPE SN1610Q 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1610Q 32Gb xp FC HBA - FC

(7)「QLogicメインメニュー」で、(3)の設定項目を反映してください。
設定はFC-HBAポート単位に存在します。(6)に該当する製品のすべてのポートに実施してください。

(8)設定変更後は、「変更保留中」または、「再起動が必要」の欄にマークが入ります。

(9)「終了」をクリックし、「システムユーティリティ」画面を表示します。

(10)「Question 変更が保留中です。変更を保存しますか?」の表示がされたら、「Yes - Save Changes」をクリックします。

(11)「Information 変更が保存されました。」が表示されたら、「OK」をクリックします。

(12)「終了」をクリックします。

(13)「システムを再起動」をクリックします。「Question システムを再起動してよろしいですか?Enterキーを押してシステムを再起動します。」の表示で、「Yes, Reboot」が選択されていることを確認し、Enterキーを押下します。システム装置が再起動します。

  • * 上記手順を実施後、OS起動が失敗する場合、以下のアドバイザリを参照ください。
    ADV-2018-0017:ファイバーチャネルアダプターを使用したSANブート環境において、OSインストール先を見つけられずOS起動が失敗する現象について

Emulex製 HBA搭載環境の場合

(1)システム装置の電源ボタンを操作し、電源を投入し、HA8000V画面が表示されたら「F9」キーを押下します。

(2)「システムユーティリティ」-「システム構成」から、以下製品の変更するPortをクリックします。
Slot x Port 1 : HPE SN1200E2P 16Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1200E2P 16Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 1 : HPE SN1600E2P 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1600E2P 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 1 : HPE SN1610E2P 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1610E2P 32Gb xp FC HBA - FC

(3) 「HPE SNxxxxE2P xxGb xp FC HBA-FC」で、以下の設定項目を控えてください。設定はFC-HBAポート単位に存在します。(2)に該当する製品のすべてのポートに実施してください。以下の設定項目以外は変更せずにお使いください。

Emulexメインメニュー デフォルト値(工場出荷) 設定値控え
xxx: SNxxxxE2P PCIex.xGbp/s , xx 形名記入
SNxxxxE2P Node Name 16桁の英数字
Seg#: xx Bus#: xx Dev#: xx Func#: xx
SANからの起動を設定する 無効にする  
起動デバイスを追加する
HBAおよび起動パラメーターを構成します トポロジー ポイントツーポイント
PLOGI再試行タイマー 無効にする-既定  
リンク速度の強制 自動交渉-既定  
最大LUN/ターゲット 256
起動ターゲットスキャン方法 NVRAMターゲットからの起動パス
ブロケードFA-PWWNを有効または無効にする 無効にする  
BrocadeブートLUNを有効または無効にする 無効にする  
順方向誤り訂正を有効化または非有効化します 有効にする  
レガシーのみの構成設定 スピンアップ遅延を有効にする/無効にする 無効にする  
EDD 3.0を有効にする/無効にする 無効にする  
Start Unitコマンドを有効にする/無効にする 無効にする  
環境変数を有効にする/無効にする 無効にする  
自動起動セクターを有効にする/無効にする 無効にする  
自動スキャン既定 自動スキャン無効化  

(4)SPH6.30適用またはiLO5 2.30〜2.33へのアップデートを実施。

(5)システム装置の電源ボタンを操作し、電源を投入し、HA8000V画面が表示されたら「F9」キーを押下します。

(6)「システムユーティリティ」-「システム構成」から、以下の製品の変更するPortをクリックします。
Slot x Port 1 : HPE SN1200E2P 16Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1200E2P 16Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 1 : HPE SN1600E2P 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1600E2P 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 1 : HPE SN1610E2P 32Gb xp FC HBA - FC
Slot x Port 2 : HPE SN1610E2P 32Gb xp FC HBA - FC

(7)「HPE SNxxxxE2P xxGb xp FC HBA-FC」で、(3)で控えた設定項目を反映してください。
設定はFC-HBAポート単位に存在します。(6)に該当する製品のすべてのポートに実施してください。

  • * 注意:SAN Boot構成時は、以下を実施してください。
    事前に「SANからの起動を設定する」の設定が、「有効にする」が選択されている必要があります。

(a)「スキャンしてファイバーデバイスを探す」を選択し、クリックしてください。(画面の表示に時間がかかります)

(b)(3)で確認したファイバーデバイスを選択し、クリックし「F10:保存」を押下してください。

(c)「構成メインメニューに進む」を選択し、クリックしてください。

(d)「起動デバイスを追加する」を選択し、クリックしてください。(画面の表示に時間がかかります)

(e)(3)で控えたストレージを選択し、クリックしてください。(画面の表示に時間がかかります)

(f)「変更をコミットする」を選択し、クリックしてください。(画面の表示に時間がかかります)

(g)「検出されたLUN」に表示されていることを確認してください。

(8)設定変更後は、「変更保留中」または、「再起動が必要」の欄にマークが入ります。

(9)「終了」をクリックし、「システムユーティリティ」画面を表示します。

(10)「Question 変更が保留中です。変更を保存しますか?」の表示がされたら、「Yes - Save Changes」をクリックします。

(11)「Information 変更が保存されました。」が表示されたら、「OK」をクリックします。

(12)「終了」をクリックします。

(13)「システムを再起動」をクリックします。「Question システムを再起動してよろしいですか?Enterキーを押してシステムを再起動します。」の表示で、「Yes, Reboot」が選択されていることを確認し、Enterキーを押下します。システム装置が再起動します。

対策方法

iLO5 バージョン 2.41以降へアップデートしてください。iLO5は次の日立Webページよりダウンロードしてください。

アップデートは、オンラインで可能です。
作業時間は1台あたりオンライン:約10分となります。

注意事項:

  • iLO5バージョン1.40未満からアップデートを行う場合は、中間バージョンのiLO5 バージョン 1.48へアップデートしてから、iLO5 バージョン 2.41以降へアップデートしてください。
  • X710-DA2ネットワークアダプターを搭載している場合、iLO5 バージョン 2.41を使用した環境において、装置起動時、OS再起動時にネットワークアダプターの設定がデフォルトに戻る場合があります。この場合はiLO5 バージョン 2.42以降へのアップデートを推奨します。詳細はCRI-2021-0005を参照ください。

対象製品

対象製品名 SN1100Q 16Gb Single Port ファイバーチャネルホストバスアダプター (TQ-xxx-P9D93A)
SN1100Q 16Gb Dual Port ファイバーチャネルホストバスアダプター (TQ-xxx-P9D94A)
SN1600Q 32Gb 1port ファイバーチャネルホストバスアダプター (TQ-xxx-P9M75A)
SN1600Q 32Gb 2port ファイバーチャネルホストバスアダプター (TQ-xxx-P9M76A)
SN1610Q 32Gb 1port ファイバーチャネルホストバスアダプター (TQ-xxx-R2E08A)
SN1610Q 32Gb 2port ファイバーチャネルホストバスアダプター (TQ-xxx-R2E09A)
SN1200E 16Gb 1ポート FC ホストバスアダプター (TQ-xxx-Q0L13A)
SN1200E 16Gb 2ポート FC ホストバスアダプター (TQ-xxx-Q0L14A)
SN1600E 32Gb 1ポート FC ホストバスアダプター (TQ-xxx-Q0L11A)
SN1600E 32Gb 2ポート FC ホストバスアダプター (TQ-xxx-Q0L12A)
SN1610E 32Gb 1ポート FC ホストバスアダプター (TQ-xxx-R2J62A)
SN1610E 32Gb 2ポート FC ホストバスアダプター (TQ-xxx-R2J63A)
※「xxx」はお客さまのご購入製品により相違します。
対象装置 HA8000V/DL20 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10
HA8000V/DL380 Gen10
HA8000V/DL580 Gen10
HA8000V/ML350 Gen10

発生条件

iLO5バージョン2.30未満からiLO5バージョン2.30〜2.33のアップデート時

対象バージョン

iLO5バージョン2.30〜2.33(アップデート時)

対象OS

OS依存はありません。

関連するアドバイザリ

CRI-2021-0010:iLO5バージョン2.42未満を使用した環境において、ファイバーチャネルホストバスアダプターと一部のネットワークアダプターの設定がデフォルトに戻る現象について
CRI-2021-0005:iLO5バージョン 2.30未満および2.41を使用した環境において、装置起動時、OS再起動時に一部のネットワークアダプターの設定がデフォルトに戻る現象について
CRI-2021-0003:iLO5バージョン1.48, 2.16, 2.18から2.30以降へのアップデート時にネットワークアダプターの設定がデフォルトに戻る現象について
ADV-2020-0082:iLO5のアップデート時にMCTPの設定がデフォルトに戻る現象について

更新情報

2021年6月25日(更新):注意事項を追加、関連するアドバイザリ追加
2021年4月23日(更新):対策方法を追加、発生条件のバージョンを「2.30〜2.33へのアップデート時」に修正、関連するアドバイザリ追加
2021年1月29日 (更新):QLogic製HBAの設定項目を追加、対象製品を追加
2020年12月11日(更新):条件のバージョンを「2.30未満から2.30以降へのアップデート時」に修正
2020年11月27日(公開)

*
本ページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

文書番号

CRI-2020-0015