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日立オープン勘定系パッケージ
「OpenStage」

OpenStageは、<つながる><組み合わせる><連携させる>3つの観点でシステム構造を刷新した、“使う”勘定系システムへ転換した、Linuxベースのオープン勘定系パッケージです。
『環境変化に強く俊敏な仕組み』を実現することで、将来にわたって迅速な経営戦略の実現と多様な金融サービスの提供を強力にサポートします。

OpenStageとは

激動する金融業界においてデータドリブンかつスピーディな経営が必要不可欠です。
そのためには、肥大化したレガシーシステムから金融機関を解き放ち、「ビジネスモデルの変革」と「地域の発展」、さらに「コスト構造の変革」をスムーズにもたらし、未来へ飛躍する持続成長可能な金融機関へと変革が求められています。

日立はOpenStageで、金融機関が”作る”勘定系から”使う”勘定系へと刷新することで、急激な外部環境変化に柔軟に追従し、”経営リソースの最適化”などのIT戦略課題を解決し、社会に貢献していきます。

OpenStageは、自ら未来への扉を「Open」し社会と共に次の「Stage」へ、という思いを込めて名称化しました。

このままいくと2025年の崖へ落ちてしまうが、OpenStageで橋を渡り継続成長する未来へつなげるイラスト。

コンセプト

1980年代より現在まで、多くの銀行が第三次オンラインシステムで稼働しています。
これら銀行システムは、長年にわたり旧来のアーキテクチャに基づき維持保守開発してきた結果、複雑化、ブラックボックス化し、ビジネス革新の障壁となりつつあります。

OpenStageはこれら銀行システムを、抜本的に刷新し、容易に「つながり」、多様に「組み合わせ」、迅速に「連携する」勘定系パッケージとなっています。これにより、多様なIT戦略の実現をサポートし、事業に変革をもたらします。

“作る” から ”使う” 勘定系システムへの転換の1つ目のポイントは「つながる」。多段接続の解消でコストが低減し、チャネル毎の作り込みが不要になる。2つ目のポイントは「組み合わせる」。機能の組合せやパラメータ活用で開発生産性を向上させる。3つ目のポイントは「連携させる」。CRM連携などCS向上と新サービスの提供

“使う”勘定系システムへの転換イメージ(拡大)

概要

日進月歩する最新技術を迅速に取り込み、金融機関の持続的かつ多様な変革を実現するためにOpenStageは「オープン」「シンプル」「ハイパフォーマンス」なシステムとなっています。

オープン

  • 世界標準のLinuxオープン基盤を使用することでベンダロックインせずに、持続的・安価・迅速な最新技術の取り込みとIT調達(ヒト・モノ・コスト)の最適化を実現
  • DX時代に不可欠な「リアルタイムなデータ利活用」及び「APIの高度化」を実現
  • オープン分散系へと移行することで、パブリッククラウド・オンプレミスサーバ・外部サービスの柔軟かつ最適な組み合わせを実現

シンプル

先進的でシンプルな機能配置とすることで新チャネル追加時や新商品開発時の開発範囲を局所化し、「低コスト/高生産性」及び「多様かつ迅速な変化」を実現

ハイパフォーマンス

社会インフラとして求められる信頼性・可用性・保守性を確保

特長

「オープン」、「シンプル」、「ハイパフォーマンス」な本システムは、各種業務システムやチャネルサービスなどとの接続を統合する「バンキングハブシステム」と、預金・為替・融資といった銀行業務を実現する「記帳決済システム」の2つのシステムを中心に構成されています。銀行サービスに求められる24時間365日の高可用性と強靭性を確保しつつ、本構成により高効率かつ柔軟なシステムを実現しています。
本システムを用いた更改プロジェクトで「生産性及び実現スピードの大幅な向上」「更改/運用コストの大幅な改善」等が試算されております。

《IT投資に最適な2つのバンキング領域を実現》

OpenStageを社会発展に向けた取組みの中核的基盤と位置づけ、従来の概念にとらわれず将来を見据え、『2つのバンキング領域』として戦略領域<攻めのIT>と標準化領域<守りのIT>に分離した新しいアーキテクチャをご提供します。

《業務機能・配置を抜本的に刷新》

経年によるシステムの複雑化・肥大化を防止するため、OpenStageでは持続可能な勘定系を目指し、徹底的にシンプルなシステム構造を追求することで、業務機能や配置を抜本的に刷新しています。これによりプログラム再利用性や生産性、保守性を飛躍的に向上させます。

次世代バンキングシステムの取組み課題について、<攻めのIT>はお客さま目線、スピード、自由度(セールス強化、マーケティング強化、商品開発の柔軟性確保)。<守りのIT>はコスト削減、安全安心(記帳決済システムの簡素化、営業店事務の効率化、経営情報の鮮度・精度の向上)。次世代バンキングシステムの技術/機能について、@バンキングハブ機能A統合顧客管理機能B商品管理機能C次世代チャネルD記帳決済システムのコンポーネント化E総勘定元帳のオンライン化(@〜Cが攻めのIT、D、Eが守りのIT)

2つのバンキング領域のイメージ(拡大)

バンキングハブシステム

SOAとハブアンドスポークスのアーキテクチャをもとに、新たなハブ制御ミドルウェアをシステムフレームワークとして開発し、トランザクション制御とフロー制御の融合によるシステム連携機能の強化、営業店やATMなどの既存チャネルや新チャネルとも容易に接続可能なアダプタ機能により、シームレスかつ迅速なチャネル追加やインタフェースの統合管理と集約が図れ、ハイパフォーマンスなオープン勘定系システムの実現に寄与します。

【全チャネル接続の統合】外部サービス/センタを含む全チャネルを効率的に接続/統合し、迅速なサービス展開をサポートするとともに、これまでのチャネル戦略に加え、商品・サービスを中心としたマーケティング戦略実現のためのチャネル間/システム間の有機的連携やサービスの統合を実現します。【サービス連携の迅速化】Fintechスタートアップ企業との個別接続や金融機関をはじめとする外部との情報やサービス連携を迅速に実現できます。今回、バンキングハブシステムで800種類のインタフェースを整備しています。【商品開発の期間短縮】新たな商品の開発は、従来のシステム開発プロセスを刷新し、本部側で商品、金利、手数料などの情報を設定することができるため、開発期間を短縮できます。【お客さまと全取引情報の紐付け】これまでお客さまに紐付けることができていなかった外為などの情報も紐付け管理し、お客さまの全取引のやり取りを網羅的に把握可能となります。

戦略領域<攻めのIT>のイメージ(拡大)

記帳決済システム

新たに開発したアプリケーションフレームワークの勘定系ミドルウェア上に、銀行業務の主要機能を科目単位から取引単位にオンライン制御を集約し、コンポーネント化、パラメータ化と合わせて、アプリケーション構造とデータベース構造を刷新しました。これにより、従来の「複雑な勘定系システム」から「シンプルな勘定系システム」へ転換し、開発生産性を高め、外部環境変化に対応した機能追加や新商品開発を迅速にできるなど、将来に向けて持続可能なシステムです。また、バンキングハブシステムでチャネルごとの違いを吸収することで、チャネルを意識しない汎化された業務機能構成となっており、プログラム再利用性を飛躍的に向上させています。

さらに、オンライン取引や元帳の更新結果データなどをリアル連携で有効利用することを目的に、副元帳の実装や取引ログを還元する機能を配置しています。

【アプリケーション構造の刷新】コンポーネント化/パラメータ化の考え方にもとづいて、従来の「複雑な勘定系システム」から「オープンでシンプルな勘定系システム」としてアプリケーション構造を刷新し、高い開発生産性を確保します。【制度・共通案件への安定供給】制度案件、銀行共通案件への追従や、対応のための機能をパッケージとしてご提供します。また、機能に付随する構築ノウハウも合せてご提供します。【副元帳によるリアルタイムな情報還元】経営活動に欠かせないマネジメントやマーケティングのための取引情報を副元帳に反映することで、リアルタイムな情報還元を実現し、情報鮮度を向上させます。また、Fintechの進展に伴う参照系トランザクション急増に備え、負荷分散基盤への拡張も図れます。

標準化領域<守りのIT>のイメージ(拡大)

ソリューションイメージ

OpenStageは「バンキングハブシステム」、「記帳決済システム」、「バッチシステム」で構成され、下表の機能を有します。

適用業務の範囲

OpenStageの製品体系をご紹介します。

「記帳決済パッケージ」の主な機能:預金、融資、為替、公共債、日計、統合顧客、業務共通、総勘定元帳、オンライン情報連携、センターカットデータ作成。「勘定系ミドルウェア」の主な機能:オープン勘定系共通基盤、業務制御基盤、バッチ基盤。「ハブ制御ミドルウェア」の主な機能:システム接続機能(アダプタ機能)、システム連携基盤、システム共通制御。「標準バッチパッケージ」の主な機能:帳票データ作成、サブシステム連携データ作成

OpenStageの主な機能の表(拡大)

「バンキングハブシステム」はシステム連携基盤上のシステム接続機能と、ハブ制御ミドルウェアで構成されます。システム接続機能には、営業店システム、全銀センタ、CAFISセンタ*1、統合ATMセンタ*1、インターネットバンキング、ANSER*2中継機、API連携基盤などが接続できます。また、「バンキングハブシステム」はシステム接続機能を通して「記帳決済システム」の記帳決済パッケージに接続します。「記帳決済システム」は、記帳決済パッケージで構成され、勘定系ミドルウェアによって制御されています。記帳決済パッケージは、預金コンポーネント、融資コンポーネント、為替コンポーネント、公共債コンポーネント、日計コンポーネント、統合顧客コンポーネント、業務共通コンポーネント、バッチコンポーネント、総勘定元帳コンポーネント、オンライン情報連携機能で構成されます。オンライン情報連携機能により、オンライン元帳とバッチコンポーネント上の副元帳のデータが連携されます。また、バッチコンポーネント上の取引ログは、総勘定元帳コンポーネント上の総勘定元帳に保存されます。バッチコンポーネント上の副元帳のデータは静止化されたのち「バッチシステム」上の標準バッチパッケージに送られます。「バッチシステム」は標準バッチパッケージと個別バッチプログラム群(ユーザ様個別開発システム)で構成されます。標準バッチパッケージでは、バッチ固有DBに確定元帳情報、統計ログ情報、処理明細情報が保存されます。また、これらのDB情報から帳票データおよびサブシステム連携データが作成されます。*1:CAFIS、統合ATM(正式名称 統合ATMスイッチングサービス)、ANSERは株式会社エヌ・ティ・ティ・データの登録商標です。

OpenStageの構成図(拡大)

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製品の改良により予告なく記載されている仕様が変更になる場合があります。