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Hitachi

コラム・インタビュー

実装では、小さく導入して大きく育てることを考える

さて、数々の苦労のもとPoCの壁を通過し実装となった神奈川事業所のIoTソリューションには、どのようなものがあるのかご紹介いただけますか?

長瀬

では代表的なものをご紹介します。まず、RFID*を活用した「工場内の部品オンデマンド物流」です。現場の作業セル台からのリクエストに応じて必要な部品のみを自動倉庫から出庫し、自律走行型の部品搬送車により生産職場へ自動搬送するソリューションです。部品のむだな在庫や在庫切れを防ぎながら、部品物流コストの約80%低減を実現しています。

  *
RFID:Radio Frequency IDentification


部品搬送車

長瀬

次に、モニターを通じて作業者に作業手順や注意事項を伝える「電子作業指示システム」ですが、ベテランのスキルの共有により新人の作業習熟時間を約3か月から約3週間に短縮することに成功しました。


電子作業指示システム

長瀬

そして、生産システムから抽出した生産進捗情報を一元的に見える化する「工程間の仕掛り状況の見える化」は、ボトルネックとなっている工程をリアルタイムに把握でき迅速な改善をサポートします。PDCAを回すことで平均リードタイムを約25%短縮しています。


工程間の仕掛り状況の見える化ダッシュボード

長瀬

また「電子回路基板リペア管理システム」は、RFIDを活用して基板の不良発生からのリペア作業進捗状況をリアルタイムに把握し、リペア工程の効率化と不良率低減を図るものです。リペアコストおよびリードタイムの約70%低減を実現しました。

工場全体をカバーするものから工程単位の改善を行うものまで、目標である在庫の圧縮を実現するためにそれぞれが連携し合うのですね。

長瀬

はい。一つずつの積み重ねでここまできました。課題抽出フェーズで出て来たアイデアを一気に進めることは困難なので、小さく始めて大きく育てることを意識しました。

例えばRFIDでモノの流れを最適化したいと考えた時に、「工場内の部品オンデマンド物流」と「電子回路基板リペア管理システム」のアイデアが出ました。

その時にまず、リペア工程という小さな領域から始め、効果を確認した後に工場全体の部品物流に着手しました。大規模な取り組みでしたが、リペア工程での「気づき」や「学び」を活かすことで円滑に進めることができました。

インタビューの様子2

なるほど。神奈川事業所の挑戦はまだまだ膨らみそうですね。

長瀬

現在はこれまでの取り組みで得た知見を活かして、海外の製造拠点を含めてグローバルでのモノの流れの最適化に取り組んでいます。改善に終わりはありません。

私たちはこれまでに生産現場のIoT化について多くの知見を蓄積してきましたが、これらは皆さまのスマート工場への挑戦にもきっとお役に立つと考えています。どうぞお気軽に日立製作所 神奈川事業所へ見学にお越しください。

神奈川事業所の見学は、「リアル型」と「リモート型」からお選びください。

神奈川事業所の見学は、実際に事業所へご来場いただく「リアル型事業所案内」と、臨場感ある360度画像を活用し、リモートで実際の現場をご覧いただく「リモート型事業所案内」の2つのタイプからお選びいただけます。遠地の方もどうぞお気軽にご参加ください。実務者とのディスカッションなども用意しております。お客さまの課題解決のヒントの場となれば幸いです。ご希望の方は、当社担当営業までお申し付けください。

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