ページの本文へ

Hitachi

インダストリー

コラム・インタビュー

4Mロス分析サービスの“価値”を構成する4つの機能

4Mロス分析サービスの特長をさらに詳しく掘り下げて見てみよう。同サービスはロス要因の特定を自動化することで作業時間とコストの削減につなげていくのだが、その価値は以下の4つの機能から構成されている。

1つ目の機能は「各設備の稼働率の見える化と計画との比較」だ。工場全体の対象となる設備を俯瞰(ふかん)して「どこで何が起きているのか」を確認できるようにするもので、4Mロス分析サービスのダッシュボード画面には、各設備の1週間当たりの稼働率や、ロス要因およびその割合が表示される。「これを見ることで、工場の中で、ロスが多く発生している設備がどれで、どのロス要因が多いのかとボトルネックを特定するまでの時間を削減することができます」(後藤氏)という。

「各設備の稼働率の見える化と計画との比較」のイメージ「各設備の稼働率の見える化と計画との比較」のイメージ

「各設備の稼働率の見える化と計画との比較」のイメージ 「各設備の稼働率の見える化と計画との比較」のイメージ(クリックで拡大)

2つ目の機能は「各設備(1日)の状況の可視化」である。24時間の内、どの時間帯に4M観点のロスが発生しているのか、各設備で発生したロス要因をダッシュボード上に可視化するものだ。同じ画面に、各ロス要因の時間(分)、各ロス要因の割合(%)、ロス要因の内容別ランキングも表示される。後藤氏は「各設備の稼働率が上がらない要因がどこにあるのか、さらに発生比率の高いロスに対してどんな対策をとるべきなのかを検討する時間を削減できます。明らかになった全てのロス要因への対応を検討するには膨大な労力がかかるため、この機能で絞り込みを行うことで時間とコストを削減できます」と語る。

「各設備(1日)の状況の可視化」のイメージ「各設備(1日)の状況の可視化」のイメージ

「各設備(1日)の状況の可視化」 「各設備(1日)の状況の可視化」のイメージ(クリックで拡大)

3つ目の機能は「ロス発生時の現場映像のピンポイント再生」である。ロス要因が特定された際に、「実際にそのロスが発生した時点の現場の様子を、自分の目で見て確認したい」という工場管理者は少なくない。この機能はまさにその要求に応えるもので、ロス発生時の現場のカメラ映像をすぐに確認することができる。製造現場をカメラで撮影していたとしても、いざロス発生の状況を確認しようとすると問題シーンの頭出しや再生に大変な苦労が伴うことも多い。その手間と時間を削減できるというわけだ。

「ロス発生時の現場映像のピンポイント再生」のイメージ「ロス発生時の現場映像のピンポイント再生」のイメージ

「ロス発生時の現場映像のピンポイント再生」 「ロス発生時の現場映像のピンポイント再生」のイメージ(クリックで拡大)

そして4つ目の機能が「ロス要因への対策実施の効果推測(数値化)」である。ここまで紹介してきた3つの機能による情報があれば、改善策の検討そのものは比較的容易に行うことができるが、現場が知りたいのはそれによって得られる効果に他ならない。「各ロス要因に対してどのような対策を選択し、実施したときに、どれくらいの効果が得られるのかを推測して数値化し、ダッシュボードに表示します。これによりロスの対策検討にかける時間とコストを削減します」(後藤氏)。

「ロス要因への対策実施の効果推測(数値化)」のイメージ「ロス要因への対策実施の効果推測(数値化)」のイメージ

「ロス要因への対策実施の効果推測(数値化)」のイメージ 「ロス要因への対策実施の効果推測(数値化)」のイメージ(クリックで拡大)

これらのように、4Mロス分析サービスを導入することにより、生産性の向上を阻害するロス要因を解消できるわけだが、一方で同サービスを導入するための期間も気になるところである。

4Mロス分析サービスはCNCタイプの工作機械に実装することが可能であり、「日立の研究開発グループが持つ先進生産技術を組み込んで構築した、工作加工機械に関わる4Mデータの分析をパターン化した独自の分析モデルを適用することにより、解析への準備期間を半減し、1.5カ月程度の期間で導入・データ解析が可能と見込んでいます」と後藤氏は目安を示す。これまでのIoT活用では当たり前だった一品一様のシステム構築が不要で、製造現場にすぐに導入できる容易さや、得られる効果の大きさを考えれば、4Mロス分析サービスは投資対効果に優れた現実的なソリューションと言えそうだ。

AI活用やMES連携でさらなる機能拡張も

日立は、今後に向けて4Mロス分析サービスのさらなる機能拡張を進めていく計画である。例えば、カメラの活用範囲の拡大もその1つだ。

現在の4Mロス分析サービスでは、4Mの人物(huMan)情報として作業員がその場にいるかいないかの認識や、先述したロス要因発生時の現場映像のピンポイント再生機能などにカメラが用いられている。後藤氏は「お客さまによっては、4Mロス分析に日立が強みとするAIを活用した画像認識、動画認識の技術を、より現場の課題に合わせる形で融合することで、より細かいロス要因の解明から、作業員の動線分析や手順分析など、生産性向上に向けたより詳細な分析を行うことができると考えています」と述べる。

また、将来は、既に日立で導入しているMES(製造実行システム)などの上位システムとの接続など、現場データを活用した改善効果の検証や予測精度の向上など、より多角的な支援も検討中である。

日立が見据えているのが、現在のオンプレミスでの提供に加えてSaaS型でのサービス提供という新たな選択肢を提供することで、4Mロス分析サービスは多くの製造業にとってより身近なソリューションとなり、生産性向上を確実に実現していく武器になるだろう。

アイティメディア営業企画 / 制作:MONOist 編集部 / 掲載日:2021年2月15日

コラム・インタビューTOPへ
ページの先頭へ