メタバースとAIを組み合わせ、原子力発電所の安全対策工事や、今後の新規建設・保全・廃止措置における設計、現場施工から資産管理までの作業効率化を実現する”原子力メタバースプラットフォーム”を開発しました。
本プラットフォームは、設備の信頼性向上とワークマネジメントの改善、それに伴う稼働率の向上といった電力事業者が抱えるさまざまなニーズや課題に対して、データを活用した価値提供・課題解決を行うことを目的に、当社が構築をめざす「データドリブン発電所」の基盤となるものです。原子力メタバースプラットフォーム上で現場のデータを収集・集約・評価することで、データに基づく最適な投資計画立案やプラント保全などの実現をめざします。
高精度・高密度な点群データ*1と3D CAD*2データを重ねて表示することで、メタバース空間に原子力発電所を再現。メタバース空間上での現場状況の精緻な確認や、干渉物をはじめとした図面と現場状況の相違点把握などを可能にします。
AIを活用した自然文による設計図書の全文・類語検索機能を搭載しています。メタバース上の位置や指定設備の情報を活用することで、検索の高精度化を図っています。
複数ユーザーによるメタバース空間への同時アクセスが可能です。拠点に依らないステークホルダー間でのコミュニケーションや、設備などの追設・寸法のリアルタイムでの共有を実現し、迅速な意思決定を支援します。
メタバース空間上でのセンチメートル単位での高精度な寸法測定や、オンライン会議の開催、特定の設備・エリアへのメモ・ファイルの添付、機器の配置検索、資産情報紐づけなどの機能により、エンジニアリング業務を支援します。
アクセス許可を得たユーザーのみログイン可能とするほか、メタバース空間上のやり取りはすべて暗号化されるため、情報セキュリティを確保したコミュニケーションが可能です。
*1 3Dスキャナーやカメラなどで取得した点の集合体で、空間や対象物の形状を高密度の点で3次元に表現したもの
*2 Computer Aided Design: コンピューター上で設計や製図を行うツール
原子力メタバースプラットフォームで再現される現場空間および関連機能のイメージ