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Hitachi

2025年7月4日
株式会社日立製作所

株式会社日立製作所(以下、日立)の「電子線ホログラフィーによるアハラノフ=ボーム効果の実証」が、2025年6月10日に日本顕微鏡学会「顕微鏡遺産」の認定を受けました。

同認定は、公益社団法人 日本顕微鏡学会の創立75周年を記念して、顕微鏡学の発展に大きく貢献したエポックメイキングな技術や製品を文化遺産として後世に伝えることを目的として、内閣府の認定を経て2024年に創設されたものです。

今回認定いただいた「電子線ホログラフィーによるアハラノフ=ボーム(AB)効果の実証」とは、1959年にアハラノフとボームが理論的に導いた、「ベクトルポテンシャル(磁場に関係づけられるポテンシャル)は基本的な物理量(fundamental physical entity)の一つであり、電磁場が存在しない(=電磁気力が働かない)領域においてでも荷電粒子にその影響を与える。」という効果を証明するための実証実験です。1986年に日立のホログラフィー電子顕微鏡の技術を応用した実験によりAB効果の存在を実証し、量子力学の基礎分野での長年の論争に終止符を打つことになりました。
AB効果の存在は、自然界におけるあらゆる現象を統一的にとらえようというゲージ理論を支える直接の証拠であり、その実験的検証は物理学の前進に大きなインパクトを与えたものです。

[画像]アハラノフ=ボーム効果の検証実験に用いられたサンプル
アハラノフ=ボーム効果の検証実験に用いられたサンプル

[画像]アハラノフ=ボーム効果の検証実験で得られた、AB効果の存在(位相差が生じていること)を明瞭に示す画像
アハラノフ=ボーム効果の検証実験で得られた、AB効果の存在(位相差が生じていること)を明瞭に示す画像

参考