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Hitachi

2023年1月27日
株式会社日立製作所
株式会社日立パワーソリューションズ

[画像](左)超音波映像装置「FineSAT7」、(右)第65回「十大新製品賞」贈賞式の様子

  株式会社日立製作所(以下、日立)と、株式会社日立パワーソリューションズ(以下、日立パワーソリューションズ)は、電子デバイスの非破壊検査を可能とする超音波映像装置「FineSAT7」にて、株式会社日刊工業新聞社(以下、日刊工業新聞社)が主催する第65回「十大新製品賞  本賞」を受賞しました。
  2023年1月26日に経団連会館で開催された贈賞式で、日刊工業新聞社 代表取締役社長 井水 治博氏から両社に対し、表彰状と盾が授与されました。

「十大新製品賞  本賞」の概要

  「十大新製品賞」は、日刊工業新聞社が優秀な新製品の開発奨励と日本産業界の技術水準の向上に資することを目的として1958年に創設した制度です。毎年、その年に発売された新製品の中から十数点が「本賞」として選出されます。

超音波映像装置「FineSAT7」の概要

  超音波映像装置「FineSAT7」は、半導体・電子部品内部の微細な構造や剥離・ボイドなどの欠陥*1を超音波の反射・透過特性を利用して非破壊で検出・画像化する、日立パワーソリューションズの超音波映像装置「FineSAT シリーズ」の最新機種です。

  近年、半導体デバイスや電子部品、車載デバイス、パワーデバイスなどの形状の微細化が進むなか、メーカー各社ではこれまで以上に高い精度の品質検査が求められています。また、量産実用化が期待される2.5次元(2.5D)や3次元(3D)などの多層化した構造の検査対象品では、各層ごとの欠陥検査が必要となるため、作業効率、生産性向上の面から透過法を用いた一括検査のニーズが高まっています。一方で、半導体デバイスの材料となるウェーハにおいては、量産化に用いられる大きなサイズのウェーハの検査に対応した装置へのニーズも増えています。

  最新機種「FineSAT7」では、画像による欠陥検出向けに、従来機種比でサンプリング分解能を16倍、測定周期を2倍向上させる演算処理技術、超音波の波形に重畳するランダムノイズを低減し欠陥検出画像を高画質化する技術、これらの機能を搭載した独自のFPGA内蔵のADボード*2を、日立研究開発グループと共同で新たに開発し、欠陥検出画像の高画質化、高精度化を実現しました。
  また、装置形サイズは従来装置と同一のまま、測定水槽を大型化し、300mmウェーハの一括検査を可能としました。また、測定サンプル表面の気泡除去等、水槽内で行う作業の効率も向上させました。
  今回の表彰は、「FineSAT7」が、研究・開発、製造分野での検査精度の向上と生産性の向上という両ニーズに貢献する装置であることが評価されました。

*1
接合部の剥離・ボイド(物体の中にある空気などの泡状の欠陥)やクラック(材料のひび割れ状の欠陥)等
*2
アナログ信号をデジタル信号に変換する機能を持ったボード

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