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株式会社リクルートキーマンズネット(新規ウィンドウを開く)に2010 年 12 月 22 日に掲載された記事より転載掲載しています。
サービス内容、料金などは、掲載日または更新日時点のものです。
日立製作所
Cosminexus
とある流通業者のM&Aの場合… 企業合併! その時、システムは “異文化”統合できるか?
企業の「M&A(合併と買収)」でシステムはどう変わる?
異なる複数の情報システムを統合するには課題が多いのが現状。そこで今回は、とある流通業A社の場合を例に、M&Aの際に短期間・低コストでシステム統合を行う方法について考えます。
 

世界的な株安、継続的な円高――明るい話題とは言いにくいニュースが飛び交う今日。

企業は勝ち残るために様々な方策を検討し、M&Aで競争力強化を図る場合も多い。実際にM&Aによる経営の統合では、大きな効果が得られる。しかし、「情報システムの統合」が課題となる。

企業が変われば業務プロセスや業務プログラム、扱うデータも変わる。このように、異なる企業“文化”で育った情報システムを統合するには、多大な工数、コストがかかることは言うまでもない。

では、M&Aの際にシステム統合を短期間・低コストで実現するためにはどのようにすればいいのだろうか?

――今回は、全国及び国際物流業務に携わる、流通業のA社が、同じく流通業のB社とM&Aを行った際にどのような経緯でシステムを統合したのか、見ていこう。

M&Aを行った「A社」。現在の社名は「A社」ではあるが、実情は旧A社と旧B社の合併であった。 M&Aの後から、旧両社の情報システム部門では、経営統合のために、会計、顧客、人事…など、様々なシステム統合のための検討が続いていた。

「A社のシステムに合わせる?でも、B社のシステムを変更することでどんな影響が出るのか分からない。」
「どちらの業務プロセスも、急に変更することはできない。第一、プロセスの呼称も違う…。」

情報システム部門のヨシムラ氏は、様々な意見を聞きながら考えていたが、なかなか効果的な解決策を思いつかなかった。このままでは、旧両社のシステムを維持するコストもかかってしまう…。

「異なるシステムを柔軟に、会計システムなど、対策が急務なところから順に取り組みたいのだが…。そんな都合のいい方法はないか?」考えるヨシムラ氏。解決策はあるのだろうか?

M&Aの結果、更に大規模のビジネス展開につながったA社。しかし、経営層には不満が多い。

「なぜ、経営分析に必要な情報がタイムリーにすべてそろわない? これでは、全体を見渡せないじゃないか。そんなことでは、迅速な判断ができずにビジネスチャンスを逃してしまう!!」…と。

ヨシムラ氏は、経営層の不満はもっともだと思いつつも、最新情報を収集するシステムの構築はコストと手間がかかるため難しいと感じていた。

「今までは統合するたびに変換・転送の処理を作りこんできたけれど、作りこみが大変だし、バッチ処理だとタイムラグが発生する。簡単にデータ統合できる仕組みがあればいいのだが…。」

M&Aで変わったのは現場も同様だ。システムが変われば利用するユーザの作業手順が変更になり、業務効率が低下する恐れがある。例えば、輸出処理担当の業務に目を向けてみよう。同じ業務であっても、旧A社と旧B社それぞれで異なる作業手順や、呼称の違いなど、ちょっとしたルールの違いが多く、作業ミスや手戻りが増えてしまった。

それならばと教育係を置いたが、テキストも必要になるし、コストもかかってしまう。また、新システムの作業手順を覚え直すなどの現場の負担はできる限り軽減したい。

「システム側でなんとかならないか」という経営層からの依頼で、作業手順の統一の検討を開始したヨシムラ氏。果たして、慣れない作業でもミスなく正確に行えるような仕組みを構築できるだろうか?

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旧A社と旧B社のシステムを統合するために、ヨシムラ氏が選んだのはuCosminexus Service Platform。ESBを介することで、複数の情報システムを“疎結合”するというもの。

ESBを利用し、バックエンドでシステムのデータを連携させるだけで、稼働する複数のシステム同士が影響を受けにくい、変化に柔軟なシステムを構築できるのだ。そこでヨシムラ氏はまず、経営分析などにも欠かせないことから、旧A社と旧B社の「会計」システムから、疎結合型のシステム連携で統合。その後、段階的に、「顧客」「人事」などのシステムを統合していくことになった。

これまで難しかった業務プロセスの連携が、ESBを介在することで段階的に移行できるようになったA社。ヨシムラ氏はこれからも訪れるであろう、経営環境の変化への準備ができたと感じていた。

※ ESB:Enterprise Service Bus

 

これまで散在していたデータを統合するためにも、マスタ連携基盤の導入は不可欠…。 そこでA社ではマスタ連携基盤としてDataStage(R)を導入。各種プラットフォームやデータベースに対応し、データ変換が可能な製品だ。

こうして旧A社、旧B社のシステムに分散していた様々なデータを、統合データベースに収集し、分析に役立てることができるようになった。

「時代の変化へのすばやい対応が求められる中でも、必要な情報が得られる環境が構築できた。」とヨシムラ氏。
経営層も満足がいく情報活用ができるようになったという。

 

「作業手順をフローチャートで教えてくれるから、間違えなくて安心。」
現場からこんな声が聞こえるようになったのは、uCosminexus Navigation Platformの効果だ。

慣れない操作や作業であっても、画面に表示された手順通りに進めれば、ミスなく進めることができる…つまり、業務のナビゲーターというわけだ。

これで作業に必要なノウハウの共有が容易にできるようになったA社。更に、会計業務などで必要となるツール/ワークフローサービス/データベースなどのバックエンドシステムとも画面上から連携させることができると、現場の担当者にも好評を得ている。

また、“マニュアルを参照しながらの作業”とは異なり「障害の対応・判断に必要となる情報の抜け・漏れがなくなる」「必要な時に、スピーディに活用できる」との声も。現場にとって、業務の質の向上と、スピードアップに大きく貢献したようだ。

「これまで手順の不一致から起きていた様々なミスを減らすことができた上に、業務効率の向上にもつなげることができたのはすごい。」と、作業手順の標準化を無理なく行うことができたヨシムラ氏。今後もuCosminexus Navigation Platformが、更なる業務効率向上に役立てられると実感していた。

 
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今回は、M&A後に、異なる企業文化で成長してきたシステム同士の統合を、既存の資産を活かしつつ、作業手順や会計処理などを、新会社のシステムにすばやく統合できるCosminexusの製品群についてご紹介しました。
最後に、「解決編」で取り上げた製品が、物流プロセスの中でどういう位置づけになっているのか、下図にまとめました。また、ほかの製品群について詳しく知りたい方は、下記の「資料ダウンロード」から是非、入手して下さい。もちろん、お問い合わせもお気軽にどうぞ!

■ 物流プロセスまとめ
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