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株式会社リクルートキーマンズネット(新規ウィンドウを開く)に2010年02月04日に掲載された記事より転載掲載しています。
サービス内容、料金などは、掲載日または更新日時点のものです。
Cosminexus
ここが仮想化成功の分かれ道! 仮想化の袋小路に迷い込まないために

増え続ける一方の企業のサーバ。今や、各部門や拠点ごとに散在しているサーバの台数を、すぐに、正確に把握するのは困難なのではないのでしょうか?
こうしたサーバの現状は、運用管理の低下を招くばかりではなく、ランニングコストやスペースのムダなど、様々な問題を引き起こしています。これらの問題を解決するとして注目されているのが、サーバの仮想化です。

1台の物理サーバ上に複数台の仮想サーバを構築する「仮想化」。この仮想化により、物理サーバ台数の削減、運用管理の効率化、スペースの節減など多くのメリットが考えられます。

しかし、「仮想化成功の道」を知らなければ、思わぬ行き止まりにはまる危険性も。では、仮想化への道に迷わないためにも、その“歩き方”を整理してみましょう。
まず、第一歩目は、サーバの物理的統合。その効果としては、省スペース化や省電力化、サーバ台数の削減など。

そして大きな分かれ道となるのが「次のステップ」。ここでは、“柔軟なアプリケーション(AP)基盤の構築”ができる環境かどうかが問われます。それはもちろん、導入前からきちんと考えるべきことで、業務APの追加やスケールアウトにも柔軟に対応できるしくみづくりが必要となるのです。

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〜A社 フクロ氏の場合〜

A社のシステム管理者、フクロ コウジ氏。
乱立するAPサーバ統合のために、仮想環境への移行を順調に進めているように思われたある日、ユーザからクレームが入る。

「予約のシステムの表示が遅いんですが…」
「予約できないよ!」といった、レスポンス遅延に関する問題だった。

安定稼働していない原因を調べたフクロ氏だが、実態は不明。
「チューニングかまたサーバを増やすしかないのか?」と悩むフクロ氏。

実はその原因は、仮想化により「Full GC (※) 」が発生していたこと。つまり、メモリに不要なデータの“ゴミ”がたまり、レスポンス低下していた。サーバ統合時にメモリは十分に確保したはずと安心しきっていたフクロ氏は、「こんなはずでは…」と、延々と悩み、困難なチューニングを繰り返すことになるのだろうか…。

※Full GCとは?
使用済みのメモリ領域を整理し、空き領域にすること。整理するまで使用済みメモリは増加します。
つまり、例えるとGCとは掃除です。掃除中は部屋を使えません。掃除をまとめて週末に行うには、大きな部屋が必要になる…というイメージです。

〜B社 ムライ氏の場合〜

B社のシステム管理者、ムライ カズオ氏。
APサーバ統合だけではなく、柔軟性のあるAP基盤をつくることが、仮想化の大きな課題と考えた。結果、システムは安定稼働し、ユーザからのクレームもない…。

――なぜ、B社ではフクロ氏のような問題は起きなかったのか?

それは、あらかじめ、メモリにたまる“ゴミ”問題も想定し、メモリのゴミを定期的に排除し、安定的に利用できるしくみを構築していたから。

ITコストをいかに削減させるかが課題になる今、更なる効率化が進められそうに感じたムライ氏であった。

〜A社 フクロ氏の場合〜

フクロ氏の苦悩は仮想サーバ構築の際にも続く。
仮想サーバそのものはコピーできても、OSや業務アプリケーション環境の設定は、すべて個別に1台1台行う必要がある。

やっとの思いで1台の設定を行っても、作業はサーバの台数分、待っているのだ…。

「設定に時間もかかるし、ミスも起きそうで心配…。」
千里の道も一歩からとはいうものの、あまりの道の険しさにしばし呆然とするフクロ氏であった。

〜B社 ムライ氏の場合〜

ムライ氏の仮想サーバ構築の手順はスムーズだ。
業務アプリケーション単位でイメージ化された設定は、“マネージャ”が一括で構築。更に、各仮想サーバに固有のIPアドレスやサーバID等の設定からロードバランサの設定まで自動で行えてしまう。

サーバ構築にかかる作業時間は、A社の方式に比べて10分の1程度 (※) に減少したB社。手間がかからず、更に作業ミスも減らせる、そして、変更がある際にもすばやく対応できることに、手ごたえを感じているB社であった。

※日立製作所による試算

〜A社 フクロ氏の場合〜

サーバの稼働効率を上げるために、時々配置変更を行っているフクロ氏。ところが、メンテナンスのために停止させようにも、業務APが動いているのは、どの物理サーバなのか、どの仮想サーバなのかがすぐに分からない。

まさに五里霧中といった有様に途方に暮れるフクロ氏。
「どうしてこんなことに…。仮想化すればすべてOKだと思っていたんだけれども…。」

フクロ氏の仮想化は、第一歩目はうまくいったかもしれない。
だが、“次のステップ”を考えていなかったために、袋小路にはまってしまったのだ。

〜B社 ムライ氏の場合〜

業務APを管理するムライ氏。
物理サーバ、仮想サーバ、業務APと、すべての構成は一元管理され、可視化されているので管理はカンタンだ。目的の業務APの起動・停止もすぐに行える。

仮想化によるメリットに加え、柔軟なAP基盤を手に入れたB社。

「すばやく、確実にシステムを構築できるようになりました。柔軟なAP基盤構築というステップもきちんと考えたことが、仮想化成功の秘訣ですね。」

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JP1との連携で、運用が更にシンプルに!

3番目に紹介したケース「業務APの管理」を、更にカンタンにする方法をご紹介します。
今回のムライ氏のケースは、日立のアプリケーションサーバ「 uCosminexus Application Server 」の活用で実現しています。同じく日立の統合システム運用管理「 JP1 」と連携することで、システムの稼働状況が具体的に分かり、障害の事前検知などが可能になるのです。

JP1は、日々の運用監視で物理サーバ、仮想サーバの稼働状況を把握。異常が発生した際にはすばやく検知し、業務AP単位で対応します。
また、障害個所の特定や、他業務への影響範囲がひと目で分かるようになる点も特長です。

今回は、仮想化する上での、性能・信頼性・運用への不安にフォーカスし、仮想環境における「柔軟なリソース割り当て」と「シンプルな構築・運用」の実現についてご紹介しました。社会状況が激動する現在、ビジネス戦略に合わせて質の高いサービスを「すばやく」「確実」に展開できるITは、企業にとって欠かせません。

そのためにも、企業のITには、以下の要素が求められています。

この3つの要素の実現のためには、仮想化やクラウドを活用したシステムやサービスが有効手段と考えられています。
これらの新しい技術の基盤となり、企業の持続的な成長・発展に貢献するのが日立のSOAプラットフォーム「Cosminexus」です。

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あらかじめご了承下さい。

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