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※「株式会社リクルート キーマンズネット2007/03/21より転載」

日立の「電子フォームワークフローセット」が業務を大幅に改善!

求められる紙文書の電子化、統一ルールによる業務改善
「e-文書法」が施行されて2年ですが、多くの企業で依然として紙文書があふれています。J-SOX法などで企業のコンプライアンスが注目される今、求められるのは、紙文書の電子化と、それによる申請業務の効率化、社内統一ルールの適用による業務改善、そして業務フロー全体の履歴管理を可能にする業務基盤です。この差し迫った経営課題にお応えするソリューションが日立の「電子フォームワークフローセット」です。

そこで今回は、電子フォームワークフロー導入により、競争力強化に向けた業務の改善とスピードアップに挑戦し、着実な成果をあげている奥本製粉様の事例をご紹介します。「既存の帳票を活かした電子フォームと独自の業務フローを開発できたことが成功のポイントです!」と語る同社企画システム室長 田口晃氏をはじめ、現場で導入と開発を担った方々の声をぜひご参考にしてください。

開発、導入を担った企画システム室 1.導入検討の背景 2.導入システムの選定 3.導入と運用開発 4.導入効果 5.今後の展開 電子フォームワークフローセットとは?

奥本製粉でIT活用戦略からシステム開発、導入、運用までを支えているのが企画システム室。電子フォームワークフローの導入でも中心的役割を果たしました。

その導入の経緯と導入効果について、企画システム室長 田口 晃氏、同室マネージャー 池田 尚氏、サブマネージャー 小財 昌博氏の3氏にお話を伺いました。

奥本製粉株式会社 プロフィール
奥本製粉は、小麦粉・パスタ・プレミックスなどの開発・製造・販売を行っている食品メーカーです。2007年1月に創業70年を迎えました。近年はお客様の経営課題解決をサポートさせていただく、「食のソリューションビジネス」を志向しています。そのため、東京と大阪に研究開発を行うラボと、試食や試作を通じてお客様との交流ができるコミュニケーションスペースを設けました。当社は、モチモチした食感で人気の湯種パンの製法の基本特許を持っています。この特許を使った商品「い〜湯だね!シリーズ」は当社のロングセラー商品です。

創業: 昭和12年(1937年)
設立: 昭和24年(1949年)
資本金: 2億2000万円
従業員数: 224名
事業内容: 小麦粉・パスタ・プレミックス(製菓・製パン用、惣菜用等)などの開発・製造・販売
事業所: 東京本社、大阪本社、工場(貝塚)、ロジスティクスセンター(貝塚)

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奥本製粉では従来から、ブロードバンド対応の社内ネットワーク基盤の構築、基幹系・情報系のシステム統合など、業界内でも先進的といえるIT活用を進めてきました。

「ワークフロー導入も、2000年からIT活用プログラムの1つとして挙がり、2003年に具体的検討に入りました。まず、申請書類が滞る、申請書類がどこまで回っているか分からないといった問題を何とかしようと考えました」(田口室長)

企画システム室では、従来の申請業務をそのままワークフローに乗せようとはしませんでした。なぜなら、 “業務改善と改革”をめざしたからです。

「ビジネスモデルの改善と新規ビジネスモデルの創造が、奥本製粉の重要な経営課題であり、そのためには業務改善・改革の推進が必要です。ワークフローの導入をその契機としたいと考えたのです」(田口室長)

業務プロセスを整理し、業務改善・改革を進める。それがワークフロー導入の目的でした。


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企画システム室では当初、一般的なグループウェアで採用されているテンプレート式のワークフローシステムも検討しました。

「しかし、我々の業務には独自性があります。また、組織や人の異動も頻繁です。こうした業務形態にぴったり合ったワークフローは、テンプレート式ではとても無理と判断しました」(池田氏)

テンプレート式は導入が楽というメリットはあるものの、テンプレートに業務を合わせなければなりません。業務を独自の組織やルールに合わせようとすると、小さな変更でも開発を依頼しなければならず、お金と時間がかかるのです。

2004年1月に入ると、「ワークフロー導入委員会」が設置され、導入計画と製品選定についての作業が始まりました。企画システム室が事務局となり、各部のマネージャー、サブマネージャークラス約15名が参加し、活発な議論が繰り広げられました。

「委員を各部から集めたのは、みんなに当事者意識を持ってもらうことが必要だったからです。導入に失敗するのはそこができていないから。この委員会は今も毎月活動しています」(田口室長)

製品の選定は、4製品に絞り、評価表での採点を行いました。結果、日立の電子フォームワークフローが120点満点中98点を得て1位となり、次点製品を10ポイント以上離して決定しました。

「一般ユーザーに無理なく使ってもらうためには、既存の紙帳票のイメージをそのまま運用できる使いやすさが最大のポイントでした」(池田氏)

そのほか、自社内での開発が可能なことや、複雑な業務にも対応できることとともに、承認依頼がくると携帯メールで知らせてくれるといった付加価値も柔軟に加えることができる点などが高く評価されました。


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導入に際して、企画システム室は開発をすべて自分たちでやると決めました。

「開発をベンダに任せるのではなく自社で行うのは、従来の業務を見直すことと継続的改善のためです。この業務のこの処理は本当に必要なのか、どうしたら効率が向上するか、といった業務改善を行う観点をもってワークフローシステムを構築しようと考えました」(小財氏)

「また、開発途中での仕様変更も自社開発なら柔軟に対応できますからね」(田口室長)

第1ステップとしてまず、パソコン等支給申請書といった電子化が容易な業務からワークフローへ移行しました。第1ステップでワークフローに対する社員間の信頼と評価を得た上で、徐々に範囲を広げていきました。

「対象となる業務フローを書き出してほかの類似した業務と比べ合うと、無駄や問題点が見えてきます。そこで、話し合いながら、どうなるのが解決形なのかを探り、ワークフローの中でのルールを統一していくのです。それが業務改革につながっています」(田口室長)

申請業務や稟議には奥本製粉独自の処理の仕方も多くありましたが、企画システム室は工夫を凝らして1つずつ開発し、運用化実績を増やしていきました。

「例えば、稟議書は複数の役員に回しますが、常に全員ではなく内容によって選択が必要です。また、注意事項を書き込む場合、複数人が同時に書き込もうとした時の制御が必要となります。こうしたことはテンプレート式ではできなかったことです」(池田氏)

「工場見学申請書では、承認ルートとは別に回覧ルートをつくって、1つのフローにまとめました。お客様の希望する見学工場の承認は勿論必要ですが、その日に見学があることはほかの工場でも知っておく必要があるため全工場長に回覧するのです」


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工場見学申請書と工場見学申請書のフロー

また、廃棄処分・食品残渣リサイクル申請書も、前半に申請・承認ルート、後半に処理の実行と報告のルートという、異質の業務を1つのフローに組み込むことに成功しています。
直列フロー、並列フロー、それらの組み合わせ、代理処理、差し戻し…、電子フォームワークフローで組織とルールに合わせた柔軟なフローが開発され、現在までに13の申請業務が電子フロー化されています。

電子フォームワークフローを使い、承認や決裁などの処理を求められる人に携帯メールを送って知らせています。
また、外出の多い営業担当と役員にはノートPCと高速通信カードを配り、モバイル環境からのワークフロー使用を可能にしました。携帯電話にメールが届いたらすぐPCからアクセスして承認作業を行う、そんなスタイルが定着しました。

「第1段階で名前とパスワードでログインし、第2段階でさらに自分の役職を選ぶという認証方式もつくりました。これは、複数の役職を兼務する人が多く、役職を切り替えて作業する場合があるためです」(小財氏)


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運用開始から2年半、どのような効果が出ているのでしょうか。まず、問題点の解決の状況です。

「業務改善の機会が得られたことは、“やった”と言う感じですね。ワークフローを使わないと仕事ができない状況になって、業務に係る部門や人の役割や、責任の所在などの問題点がはっきりしました」(田口室長)

また、ワークフローの導入は内部統制の整備の面でも効果があるといいます。

「業務フローのあいまいさがなくなるため、J-SOX法対応で必要とされている業務フロー図、リスク・コントロール・マトリックス、業務記述書をつくるのに役立ちます」(田口室長)


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今後の展開としてあげられるのは、より複雑な申請業務をワークフローへ移行することです。

「原本の領収書が必要な経費精算書なども、最終的にはe-文書法に対応するやり方にして電子化しようと取り組んでいるところです」(池田氏)

「1回承認したあと途中まで戻したり、部門間で複数回処理するようなプロセスにも取り組みます。例えば開発申請は、部門間を行ったり来たりしますし、途中で開発活動も入るなど複雑ですが、これにも対応したいと考えています」(田口室長)

蓄積される文書やログの保管、検索、集計・分析機能の付加も、今後の検討課題です。また、基幹システムとの連携によって、さらなる業務改善・改革を目指したいと語ります。

「商品マスターの変更申請業務では、起案時にマスター情報の参照が必要です。また、工場見学申請でも、2次画面から最新の社員データを参照できれば更に効率が上がります」(池田氏)

そして、まだまだこれから、電子フォームワークフローを活用して実現できることが広がっていくと考えています。

「電子ワークフローは、私が今までで早期に投資を回収できたと思うシステムの1つです。電子フォームワークフローはポテンシャルの高いシステムですから、まだ能力の15%くらいしか使っていないという気がします(笑)。
自社で開発するにあたり、私たちの疑問に親身になって答えてくれたニッセイコム*さんの技術レベルとサポート力は高く評価しています。
今後もニッセイコムさんに技術的な相談をしながら、更に業務改善をしていく予定です」(田口室長)

*:株式会社ニッセイコム
ニッセイコムは日立グループのソリューションプロバイダです。長年の業務システム開発のノウハウを活かし、日立の電子フォームワークフローを使った開発実績が豊富。
【業務内容】情報システム、ネットワークシステムの企画・構築・設計・運用・教育・サポートまでのシステムインテグレーションなど

テンプレート式のワークフローでは、カスタマイズにコストと時間がかかり過ぎる。もっと業務フローを自社のやり方で柔軟に電子化したい。そのような課題をお持ちの企業さまは多いのではないかと思います。ぜひ、一度日立に相談してみてはいかがでしょう。


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日立の電子フォームワークフローは、業務を統一されたプロセスとルールに基づいて電子化し、効率的で透明性のあるものに改善します。

既存の申請書類を簡単に電子フォーム化
Microsoft ExcelやMicrosoft Wordの帳票から電子帳票(電子フォーム)を作成することができます。
紙の文書も、スキャナなどで読み込んだ画像データを下敷きにして、罫線の作成や入力フィールドの配置や属性の設定もGUIで簡単にできます。

定型的・非定型的な様々な業務モデルが実現
定型的な流れを実行する業務モデルに加え、仕事の状況に応じて一斉に手配をかけたり、作業者を選びながら実行させるといった非定型で多彩な業務モデルに対応できます。
また、基幹システムのフロントとなったり、他システムとの柔軟な連携ができます。

文書管理システムとの連携が容易
文書管理システムと容易に連携できるので、承認済みの申請書、添付資料、作業ログ情報などを登録し、大量な文書の検索・閲覧、作業ログ、操作ログの証跡、証憑などの管理を効率的に行えます。

J-SOX法対応の内部統制への支援効果
申請業務における申請書類の改ざん防止など、正しい作業の確立を支援します。また、案件(送信ログ)ごとの処理状況と内容の記録や、履歴管理、証跡・証憑(しょうひょう)管理が可能です。


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電子フォームワークフローによる
業務の電子化イメージ図

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