「基幹ソリューション」に日立の電子フォームワークフローを採用。
内部統制を支援する機能をさらに強化
株式会社インテック(以下、インテック)は、ERP製品を組み合わせて中堅製造業向けに提供してきた「基幹ソリューション」に、ワークフロー基盤を追加で組み込み、内部統制を支援する機能をさらに強化した。エンタープライズレベルのシステム基盤を高い信頼性のもとに構築する製品として選んだのは、日立の電子フォームワークフローである。
中堅企業のニーズをつぶさに知るインテックは、日立の電子フォームワークフローのどのような点を評価したのか、また、両社の協調関係はどのようなユーザーメリットにつながっていくのか、両社が語り合った。
株式会社インテックホールディングス
取締役副社長
事業企画・IR担当
滝澤 光樹 氏
日立の電子フォームワークフローを採用したのは、製品の信頼性とサポート力を評価したからです。 日立は、品質に対する考え方が真摯で、製品にも日立という企業にも信頼がおけると感じました。
株式会社日立製作所
ソフトウェア事業部
事業部長
中村 孝男
ERPと日立の電子フォームワークフローの組み合わせは、信頼性が高く変化にも強い基幹システムを、スピーディかつ低コストで構築するためのベストソリューションであると確信しています。
――インテックは、中堅中小企業ソリューションに強みをもつシステムインテグレータとうかがっています。
滝澤 インテックは、1964年に富山で産声をあげ、地元の中堅中小企業のニーズにきめ細かく対応してきました。この積み重ねは、全国展開をするようになっても、大きな強みになっています。 また、独立系システムインテグレータの立場を貫き、個別の案件ごとに最適なパートナーを選んで、お客さま本位のサービスを提供してきたことも誇りです。 コンピュータの創世記から現在までを網羅していますから、メインフレームからJava™などの最新技術まで、豊富な知識を持つ技術者を擁しています。
中村 レガシーシステムから最新技術まで網羅しているというベースがあるからこそ、ERPパッケージを使ったレガシー・マイグレーションで先行しておられるわけですね。
滝澤 中堅製造業をターゲットにしたソリューションとして、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(以下、東洋ビジネスエンジニアリング)の生産・販売・物流統合パッケージ「MCFrame(エムシーフレーム)」と、エス・エス・ジェイ株式会社の財務・会計パッケージ「SuperStream(スーパーストリーム)」を組み合わせ、「基幹ソリューション」として展開しています。 MCFrameはすでに30社以上へ導入し、昨年度から2期連続、2003年から数えると4回目の最優秀パートナー賞を受賞しています。製薬業界向け生産・販売・物流統合テンプレート「MCFrame/Pharma(エムシーフレーム・ファーマ)」も、東洋ビジネスエンジニアリングと共同開発しました。 一方、SuperStreamについては、100社以上に導入し、5本の指に入るパートナーと評価されています。
――特長が異なる2つのERPパッケージを「基幹ソリューション」として組み合わせて提供するねらいは何ですか。
滝澤 原価低減の厳しい要求にさらされている日本の中堅製造業は、基幹システムを簡単に作り変えることはできません。特に、法改正などに次々に対応していかなければならない会計システムと、独自の作り込みが不可欠で長く使い込みたい工場のシステムは、あえて別にしておくほうが得策です。 何が何でもすべてのシステムを統合しなければいけないという発想のERP製品と差別化するために、「疎結合でERPの機能を実現していくソリューション」を作り上げました。
中村 日本の中堅製造業のニーズに対応してきたからこそ行き着いたソリューションということですね。
中村 その「基幹ソリューション」を構成するもうひとつの要素として、日立の電子フォームワークフローを採用いただきました。
滝澤 中堅製造業はいま、内部統制の強化が急務になっており、基幹システムには、各種承認処理を自動化し、処理履歴を残すことのできるワークフロー機能が求められています。ただし、システムごとに別のツールを使ってワークフローを構築していると、内部統制の基本要件を満たすのが困難ですし、開発効率も悪い。使い勝手も煩雑になって、ユーザー企業のメリットになりません。
そこで、基幹システム全体をカバーできる承認ワークフローという共通基盤を確立し、マスター変更履歴の管理から、受注・出荷・財務諸表のワークフローまで統一してこの基盤上で実現することにしました。
こうしたエンタープライズレベルの運用ができ、複雑な作業や、頻繁に変更が発生する業務にも柔軟に対応できるワークフロー製品を探した結果、日立の電子フォー
ムワークフローに行き着きました。表計算ソフトやワープロなどで作った既存の帳票を変換して、入力用の電子フォームをスピーディに作成できるのも魅力でした。
中村 「基幹ソリューション」に組み込むということで、重視されたポイントは何でしょうか。
滝澤 製品の信頼性とサポート力です。
システムインテグレータの仕事は、システムを納品して終わりではなく、運用サポートを通じてお客さまと良い関係を作っていくことが重要です。信頼性に欠ける製品を使って納品後にトラブルが起きたりすれば、お客さまにとっても当社にとっても損失が大きい。その点、日立は品質に対する考え方が真摯で、製品にも日立という企業にも信頼がおけると感じました。
中村 日立の電子フォームワークフローは、「品質、堅牢性、サポート」の3つをキーコンセプトにしているユニバーサル・アプリケーション・プラットフォーム「Cosminexus(コズミネクサス)」をベースにしたソリューションですから、エンタープライズレベルの基盤製品としてお使いいただけます。
しかも、MCFrameやSuperStreamをはじめ、他システムと連携しやすい。起案・承認から、基幹システムや他システムとの連携まで、一連の業務としてシステム化できますから、さらなる内部統制の強化に貢献できます。
滝澤 「基幹ソリューション」は今後、さらに幅広いシステムとの連携を図っていかなければなりません。そこで間違いなく必要になってくるのが、既存システムを柔軟に統合できるSOA(サービス指向アーキテクチャ)です。
中村 日立はちょうど、Cosminexusをベースにした「SOAクイックスタートモデル」の提供を開始したところです。 Cosminexusは、システムやプロセス、インタフェース、情報などをすべて統合できますが、ここまでは他のベンダーにもできること。 「SOAクイックスタートモデル」ではさらに、個別課題の解決パターンをモデル化しました。申請系業務などの対話型ワークフローからワンストップサービスまで、まずは小さく立ち上げて、全社規模のSOA基盤へと拡張できるモデルとなっています。
滝澤 なるほど。今後は、Cosminexusのソリューション全体、さらには、日立の統合システム運用管理「JP1」などを含めて、日立のミドルウェア製品群を大いに活用しながら、ビジネスを一層拡大していきましょう。
中村 日本の中堅企業の方々に、競争力強化と内部統制に役立つソリューションを提供していくためにも、さらに連携を深めていきましょう。