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「JP1」と「HITRMD」の連携で高付加価値経営の実現をめざし
「登山用品販売・在庫管理システム」を構築

日本最大級の登山用品販売店として知られる株式会社 好日山荘(以下、好日山荘)は、 店舗スタッフの接客時間増加や全商品の単品管理、 EDI(※1)による取引先も含めた業務効率向上などを目的に、 日立の小売業向け情報システム「HITRMD(※2)」を導入。

在庫状況のリアルタイムな可視化や、売れ筋を把握した商品管理、EDIによる受発注の円滑化などを実現し、 高付加価値経営に向けたシステムインフラの構築に成功しました。

この新たな基幹システムのバッチ処理やEDI、バックアップなどの自動運用を高信頼に支え、 コアビジネスへの集中とTCO(※3)削減に貢献しているのが統合システム運用管理「JP1」です。



(*1)
Electronic Data Interchange
(*2)
HITRMD は日立電子サービス株式会社の製品です
(*3)
Total Cost of Ownership

接客時間を増やしお客さま満足を向上させたい

櫓木 裕二 氏の写真
株式会社好日山荘
代表取締役社長
櫓木 裕二 氏

1924(大正13)年、日本で初めて誕生した登山用品店「好日山 荘」を起源に、今や全国に40店舗を展開するまでに成長した好 日山荘。

従来からの中高年層に加え、30代の女性を中心とした 若年層にも登山が静かなブームとなる中、同社は専門店としての 強みを活かし、山の楽しみ方に目覚めた客層に手厚い接客を提 供することで、年々順調に売上げを伸ばしています。

また2010年4月には、約300坪の店内に13面のクライミング ウォールを備えた好日山荘 神戸本店をオープン。こちらも新たな ブームとなっているフリークライミングで幅広い客層を開拓するな ど、積極的な営業展開を進めています。

「誰もが自然に親しめる登山やフリークライミングなどへの注目 で、登山用品の販売業界に追い風が吹いているのは確かです。 しかし量販店や百貨店など登山ウエアを扱う店が急速に増えた 今、これまで以上に接客時間を増やし、満足いただける情報や アドバイスを提供することで、お客さまに何度も足を運んでいただ ける店舗づくりを進めることが不可欠だと考えました」と代表取 締役社長の櫓木 裕二氏は語ります。

そこで好日山荘は2009年3月、トップダウンによる業務改革の 一環として、日立の小売業向け情報システム「HITRMD」を適用 した「登山用品販売・在庫管理システム」を構築。そのシステム 選定にあたっては、大きく4点の機能要件があげられていました。

業務改革の実現に向けHITRMDとJP1を導入

堀 弘幸 氏の写真
株式会社好日山荘
情報システム室
マネージャー
堀 弘幸 氏

まず店舗スタッフの接客時間を増やすため、レジ管理や在庫 管理などに費やしていた手間を減らせること。2点目は、すでに 単品管理が行われていた登山ウエアや靴、ザックなどの主要商 品以外の細かな商品も確実に本部から在庫を可視化できるこ と。3点目は、取引先となるスポーツ用品メーカーや輸入代理店 に対し、鮮度と定量性の高い売れ筋情報を提供できること。4点 目は、手書き伝票やFAXなどによる受発注業務の効率化と精 度向上を図るため、EDIやターンアラウンド伝票が活用できるこ とでした。

「こうした要件をすべて満たせるソリューションとして、4社の競 合パッケージの中から選ばせていただいたのがHITRMDです。 今回のシステム導入は当社にとって業務改革の一環でもあるた め、すべての構成要素をワンストップに提供していただける、ベン ダーとしての提案力やパワーも大きな決め手になりました」と語る のは、情報システム室 マネージャーの堀 弘幸氏。

堀氏によれ ば、POSレジなどの店舗系、在庫管理などの本部系、取引先と のEDIアウトソーシングまで、ワンストップソリューションを提案して きたのは日立だけだったとのこと。また、夜間のバッチ処理やデー タのバックアップ、取引先100社とのEDI連携など、新システムの 幅広い自動運用を支える存在として、統合システム運用管理 「JP1」のジョブ管理機能が適用されていたことも、システムの信 頼性と運用負担の軽減を担保する重要なポ イントの1つとなっていました。

「当社では10年ほど前から、自社開発シス テムの自動運用にJP1を活用し、その使い勝 手のよさやジョブ制御の確実性に大きな信 頼を寄せていました。新システムにおいても、 長年使い慣れたJP1が活躍してくれるという ことで、違和感なく運用に入ることができまし た」と堀氏は付け加えます。

全店舗の在庫や売れ筋を本部で一括管理

本社と全国40店舗、そして取引先100社と のEDI連携を実現した新システムの稼働に より、好日山荘は全店の売上げや在庫データ をリアルタイムに把握できる環境を構築。

店舗スタッフがレジ管理や在庫管理に費やす 手間が大幅に減ったほか、業務効率の高いEDIやターンアラ ウンド伝票の導入により、販売データや在庫データと仕入先か らの請求書との数字の食い違いを見つける違算突合の作業 もなくなり、販売に専念できる時間が着実に増えました。

「単品管理と在庫の可視化により、全店舗の在庫や売れ筋 が本部で一括管理できるようになりました。これまで各店舗の 品ぞろえや追加発注のタイミングは店長の経験や勘などに頼る 部分がありましたが、それではどうしても業務プロセスが属人 化し、過剰在庫や販売機会の損失を招いてしまいます。しかし 現在は、商品発注を本部が一括してオペレーションできる『定 番化』を進めることで状況は一変しました。例えば、この業界の 最盛期となる夏には、まとまって入荷した商品が店内にあふ れ、スタッフが入荷業務に追われるのが常でしたが、今は早い 段階で入荷した商品がスピーディに棚に並ぶようになり、接客 時間の増加と売上げアップにつながっています」と櫓木氏は喜 びを語ります。

取引先とのEDIでは、企業規模や通信プロトコルの違いに制 限されることなく、企業間のデータ交換をワンストップで支援する 日立のEDIアウトソーシングサービスを活用し、受発注業務全般 でのTCO削減とスピードアップを実現。これまでIT利活用が遅 れがちだった登山用品販売業界に、先進的なITサービスを普 及させる大きな第一歩となりました。

JP1の有用性を改めて実感

さまざまな種類のジョブ実行を自動化し、作業の正確性を高め るJP1についても、「システムの安定稼働と運用負荷の軽減に大 いに役立っています」と評価する堀氏。

「本社ビルではメンテナン スのため、休日に定期的な停電が起こります。以前の販売管理 システムではシステム調整を行うため休日出勤を余儀なくされて いましたが、現在はJP1で停電用のジョブを組んでおくことで、自 動実行することが可能になりました。異常処理が起こった際、事 前にメールで状況が把握できるのも助かります。システム管理者 にとってJP1は、なくてはならないツールだと改めて実感しました」 と笑顔を見せます。

また、HITRMD活用を通じて、店舗に並べる商品の「定番 化」に続き、特定商品の陳列数を一定化する「定数化」、ある商 品が定められた最低在庫数を下回った際、自動的に補充発注 がかかる「自動発注システム」も稼働を開始。今後は対象商品を 増やし、さらに導入効果を高めていきたいと、櫓木氏は意気込み を語ります。

次代を見据えたシステム戦略により、さらなるお客さま 層の拡大とお客さま満足の最大化、そして登山用品販売業界 のIT化を促進する同社の躍進を、これからも日立グループは幅 広いサービスプラットフォーム製品群とソリューションの拡充によっ て、力強くサポートしてまいります。

システム構成イメージ

システム構成イメージ

USER PROFILE

株式会社好日山荘

株式会社好日山荘

[本店] 神戸市中央区浜辺通2-1-30 三宮国際ビル6F
[設立] 2006年12月1日
[資本金] 1,000万円
[店舗数] 40店舗(2010年7月現在)
[従業員数] 195名(2010年5月現在)
[事業内容] 登山用品、アウトドア用品の販売、クライミングジム運営

PARTNER PROFILE

日立電子サービス株式会社

[本社] 東京都港区三田3-13-12
[設立] 1962年10月1日
[資本金] 60億円
[従業員数] 6,039名(2010年4月1日現在)
[事業内容] 情報・通信システムの統合サポートサービス&ソリューション事業

特記事項

  • この記事は、「はいたっく 2010年9月号」に掲載されたものです。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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