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Face to Faceの地域密着型金融を支える 情報リレーションシステムを構築
〜日立の高速全文検索エンジン「Bibliotheca21」〜

株式会社近畿大阪銀行 営業企画部情報リレーション部の皆さま
株式会社 近畿大阪銀行 営業企画部
情報リレーション部の皆さま

いま多くの企業や組織では、社内外に蓄積された膨大なデータの中から、いかにすばやく必要な情報を探し出せるかが、 お客さまサービスや競争力の向上に向けた重要な課題となっています。

そこで、大阪を地盤に地域密着型の金融サービスを展開する 株式会社 近畿大阪銀行(以下、近畿大阪銀行)は、徹底したマーケティングと膨大な情報収集による問題解決型営業を担う 情報リレーション活動の基盤として、日立の高速全文検索エンジン「Bibliotheca21」を導入。

各営業店から1日約2万件集まる多種多様な情報から、お客さまどうしのビジネスマッチングや新事業のサポートなどに役立つ 内容を迅速・的確に検索・運用できる「情報リレーションシステム」を構築し、 同社が推進するFace to Faceの価値創造型サービスを一段とスピード化、高効率化することに成功しました。

「問題解決力のある信金モデル」をめざして

旧近畿銀行と旧大阪銀行が合併し、2011年4月で誕生11周年を 迎えた近畿大阪銀行。りそなグループの一員でもある同社は、地元 大阪において「りそな」と「近畿大阪」という2つのブランドそれぞれの 強みを生かし、個人や法人のお客さまに対する円滑な資金供給と 良質な金融サービスの提供を使命とした地域密着型の金融機関と して発展してきました。

そして2009年には、中小企業金融円滑化法の趣旨にいち早く 対応し、Face to Faceによるお客さまとの親密なコミュニケーショ ンをベースとした「問題解決力のある信金モデル」を標榜。りそな グループの共通プラットフォームを活用したローコストオペレーショ ンによって業務運営にかかるコストを抑制する一方、お客さまと信 金級の深い親密度合い(リレーション)を構築しながら、高い付加 価値(問題解決力)の提供で、お客さま満足と営業収益の拡大を 図るビジネス戦略を本格化させました。

「その一環として、2007年から先行的にスタートさせたのが情報リ レーション活動です。徹底したマーケティングと大量に蓄積された取引 先情報の有効活用による問題解決型営業により、地元の中小企業や 個人のお客さまを、さまざまな側面からサポートして いくことが大きなねらいです。具体的には、お客さま の情報やニーズを本部で一局集積し、銀行全体で 共有することで、幅広い経営課題の解決を迅速・ 的確に実行していく取り組みを進めています」と語 るのは、同活動の中心を担う営業企画部 情報リ レーション部の皆さまです。

情報量増加によるデータベース容量 / 検索パフォーマンスの低下が課題に

情報リレーション活動は、地域約130店舗の営業担当者が日々入 力する、取引先の業況やニーズ、課題といった日報がトリガーとなりま す。その件数は1日あたり約2万件。この膨大なデータを情報リレー ション部が独自の手法によって分類・仕分けし、情報・ニーズを専門 スタッフや営業店へと配信。お客さまどうしの新たな商流を創造する ビジネスマッチングや、りそなグループならではの信託機能などを活 用した資産運用・資産承継サポート、アジアビジネスニーズに対する サポートなどの提案型営業につなげていくのです。

「情報リレーション活動がスタートした2007年当初は、手書きで記載 された日報を社内便で収集し、部内のデータベースに手入力していく 作業を行っていました。2008年7月に、りそなグループとのシステム統 合でCRM※1が導入されてからは、営業店からの日報がデータ入力さ れるようになりましたが、情報量の増加にともない、データベース容量 のひっ迫や検索パフォーマンスの低下などが大きな懸念材料となって いたのです」と営業企画部 情報リレーション部の皆さまは語ります。

また、CRMから抽出される情報以外にも、紙ベースの会社案内や 商品パンフレットなどが管理対象となってきたため、さまざまな情報を 一元管理しながら、担当者のスキルに依存することなく迅速・的確に 情報検索できるシステム基盤が必要になってきました。

こうした課題に対応するため、近畿大阪銀行を幅広いシステムソ リューションで支援してきた、りそな銀行のビジネスパートナーである 株式会社 DACSは、新たな検索システムの選定に着手。膨大かつ 多種多様な情報の中から、誰でもすばやく目的の情報を検索でき、 短期間でのシステム構築を実現可能という要件から、株式会社 日 立ソリューションズ(以下、日立ソリューションズ)が提案した、日立の 高速全文検索エンジン「Bibliotheca21」と大容量データベースを核 とする新検索システムの採用を決断しました。

※1
Customer Relationship Management

情報リレーション活動におけるシステム構成
情報リレーション活動におけるシステム構成

目的の情報をすばやく検索できるBibliotheca21

Bibliotheca21は、インターネットやイントラネット、Windows®ファイル システムの共有ドライブ、RDB※2などに格納されているデータなどを、 Webブラウザから一括して高速検索できるエンジンです。キーワード 検索、任意の文章による自然文検索、検索結果に基づく関連文書検 索などにより、目的の情報をすばやく的確に抽出可能なため、情報活 用業務のスピードと効率を格段に高める効果が期待できます。

導入にあたって、まずは増え続ける大量な情報に対応するため データベースの強化を図る移行が行われました。当初は、両データ ベースで異なるテーブル定義の精査や管理者権限の変更などで多 大な苦労が予想されましたが、日立ソリューションズが提供した変 換・加工ツールや全文検索に適したテーブル設計ノウハウなどによ り、「予想以上にスムーズに移行作業を進めることができました」と評 価します。またBibliotheca21の開発元である日立も、データベース サーバの自動運用や、日々更新されるインデックス作成の運用設計、 銀行特有の高セキュリティ環境の整備などで日立ソリューションズを バックアップ。日立グループのシナジーにより、2009年6月、わずか半年 という短期間でのカットオーバーを実現しました。

※2
Relational Database

キーワードにより精度の高い情報を確実に抽出

「従来は小規模な複数データベースに情報が散在していました が、新システムではそれらを大容量のデータベースで一元管理でき るようになったのが最大のメリットです。各社のホームページ画面は HTML、紙ベースで管理するしかなかった会社案内やパンフレットも PDFで格納して一括検索できるようになりました。さらに、データベー スに登録されているワードに加えPDFやExcel®のファイル名も検索 できるため、案件処理が格段に 速くなりました」と語ります。

これまでの成果をまとめた「近畿大阪銀行の情報経営」

近畿大阪銀行が「あいまい検索 システム」と名付けたBibliotheca21 の検索機能により、キーワードを 打ち込めば、誰でも精度の高い 情報をピックアップできるように なりました。

「ビジネスマッチングでいえば、 希望する販売先の業種や事業 規模、商品やサービスの特長が明確な場合、キーワードを入れる だけですぐに商談候補先がヒットします。キーワードを少し変える だけで、これまで抽出できなかった思いがけない商談先も出てくる ため、お客さまの販路拡大や課題解決に大いに役立っています」 と評価します。

また、日報から集められた情報をデータベースに格納する際、従 来は47項目に分類する仕分けを手作業で行っていましたが、2010 年6月、それらのノウハウをシステム化した「自動仕分けシステム」をリ リース。3人がかりの作業が1人で実行できるようになりました。さらに お客さまから寄せられた情報やニーズに対し2週間経過しても進 ちょくのない場合、案件を自動的に抽出し、担当者に注意喚起を行う 「なしのつぶて防止システム」も追加されるなど、情報リレーション活 動を一段と強化するためのシステム機能は、スタッフみずからの発 案によって常に継続的な進化を遂げています。

ちなみに、これらの活動の成果は『近畿大阪銀行の情報経営』と いう書籍にもまとめられており、業界から大きな注目を集めています。

さらなる進化をシステム化で支援

「今後は情報リレーション活動を差別化の武器とした一体営業・ 全員営業によるソリューション力の強化が一段と重要な課題となって きます。そのためにも、われわれが持つ機能のさらなる有効活用と拡 充、コスト低減などについて、引き続き日立さんに付加価値の高い提 案をいただければと考えています」と営業企画部 情報リレーション 部の皆さまは期待を寄せます。

その期待に応えるため、これからも日立グループは、ビジネスマッ チング後の進ちょく状況の把握や、成約後の効果測定を経営層視 点で見える化するシステムなどを提案しながら、「問題解決力のある 信金モデル」の実現に向けた近畿大阪銀行の積極的な取り組みを 強力に支援してまいります。

USER PROFILE

株式会社近畿大阪銀行

株式会社近畿大阪銀行

[本社] 大阪府大阪市中央区城見1-4-27
[設立] 1950年11月24日
[資本金] 389億7,100万円
[従業員数] 2,423名(2011年3月31日現在)

地域密着型の金融機関として「お客さま のために、どのようにしてお役に立てるの か」を真剣に考え、金融サービス業として あるべき「本当の仕事」を進めている。

特記事項

  • この記事は、「はいたっく 2011年11月号」に掲載されたものです。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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